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■「F SPORT」には「パフォーマンスダンパー」と「AVS」を標準化
2022年5月13日、レクサスはコンパクトSUVの新型「UX200/250h」を世界初公開しました。
レクサスは、大規模なマイナーチェンジや一部改良だけでなく、イヤーチェンジも含めて常に熟成を図る戦略を掲げています。新型レクサスUXの日本発売は、2022年夏頃の予定とアナウンスされています。
レクサスUXは、トヨタC-HRと同じ「TNGA(GA-Cプラットフォーム)」がベース。
今回、発表された新型UX200/250hは、上質な走りを磨き上げるとともに、予防安全技術の機能拡充や最新のマルチメディアシステムが採用された先進装備など、全方位において進化を遂げています。
走りでは「深化」を掲げ、ボディのスポット溶接打点を20点追加することでボディ剛性を強化。EPS(電動パワーステアリング)やショックアブソーバーなどのチューニングも盛り込まれています。
トヨタ、レクサスの走りを磨き上げるステージである「Toyota Technical Center Shimoyama」で走り込むことで、上質さとダイレクト感、レスポンスのさらなる向上が図られ、すっきりと奥深い走りが得られたそう。
レクサスの原点である静粛性もさらに磨き上げられています。18インチランフラットタイヤが新たに開発され、トレッドパターンなどの工夫によりロードノイズの低減が図られています。
●「F SPORT」の走りと内装をさらにスポーティに
スポーツグレードの「F SPORT」には、ヤマハ発動機の「パフォーマンスダンパー」と「AVS(Adaptive Variable Suspension system)」が標準化されています。
車両後方に装着されたパフォーマンスダンパーが、ボディに生じるしなりや微振動を速やかに吸収し、ハンドリングの特性をよりシャープにするだけでなく、乗り心地と静粛性の向上にも寄与しているそうです。
さらに、減衰力切り替えの応答性に優れた「AVS」により、大きなうねりと細かな凹凸が複合した路面でもフラットな姿勢の維持とショックの遮断を両立できたとしています。足まわりの進化により、優れた操舵応答性、安定感、快適な乗り心地を実現したそう。
また、ステアリングギヤにブレースが追加されたことで、操舵レスポンスがさらに向上したとしています。
インテリアにも「F SPORT」専用のスポーツシート、ステアリング、シフトノブ、メーター、アルミ製スポーツペダルに加えて、アルミ製フットレストとスカッフプレートが新たに設定されています。
●昼間の自転車や夜間の歩行者も検知可能な「プリクラッシュセーフティ」の対応領域を拡大
先進装備では、予防安全技術「Lexus Safety System +」の機能拡充により、より安全、安心に運転を楽しめるようになっています。単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上により、昼間の自転車運転者や夜間の歩行者も検知可能な「プリクラッシュセーフティ」の対応領域を拡大。
交差点右折前に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能になっています。さらに、ドライバーの操舵をきっかけに、車線内で操舵がアシストされる緊急時操舵支援などの機能も追加されています。
高速道路で重宝するのが、同一車線内中央を維持するため、操舵を支援する高度運転支援機能の「レーントレーシングアシスト(LTA)」の進化でしょう。車線認識にAI技術を活用することで支援範囲が拡大され、よりスムーズで途切れにくい操舵支援を達成したとしています。
加えて、設定された車速内で前走車との距離を一定になるよう加減速を制御する「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」に、コーナーの大きさに合わせてあらかじめ減速するカーブ速度抑制機能を追加。
ほかにも、ドライバー異常時対応システムも追加されています。「レーントレーシングアシスト」の制御中、無操作状態が継続すると、音と表示と緩減速による警告でドライバーに操作が促されるほか、ハザードとホーンで車外に異常を報知しながら自車線内に減速停車し、自損、加害事故の回避、事故被害低減を支援。停車後は、ドア解錠やヘルプネット自動接続による救命要請も行われ、早期のドライバー救命、救護に寄与します。
また、大型化、高解像度化(12.3インチ/8インチタッチディスプレイ)されたタッチディスプレイが搭載された最新マルチメディアシステムを採用。
インパネとコンソールまわりの形状やスイッチレイアウトがドライバーに使いやすいように最適化され、充電用USBコネクタ(Type-C)がコンソール前方に2個新たに設定されるなど、時代のニーズに合わせた利便性の向上も図られています。
そのほか、デジタルキーへの対応、パノラミックビューモニターの進化、マルチメディアシステムとコネクティッドサービスの充実化、進化も盛り込まれています。
日本の狭い道路事情でも扱いやすいCセグメントSUVのUX。まさに、細部にまで進化と深化を遂げていて、欧州勢も含めたライバルに対して高い競争力を身につけているようです。
※写真はすべてプロトタイプです。
(塚田勝弘)