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■クラシカルで手軽に乗れるホンダ製の原付二種
最近人気が高い51cc~125ccまでの原付二種バイク。通勤・通学や買い物などの普段使いから、ちょっとしたツーリングまでこなせることで、大きな注目を集めています。
しかも、50cc以下の原付一種では最高速度が30km/hなのに対し、速度制限がなければ60km/hまでOK。
3車線以上ある道路では、2段階右折をする必要がある原付一種に対し、原付二種は不要など、規制が少ないことも人気の理由です(ちなみに、どちらも高速道路の走行は不可です)。
そんな原付二種バイクの中でも、特に豊富なラインナップを揃えるのがホンダのバイク。
なかでも、新型が出たスーパーカブ110やクロスカブ110、ダックス125などは、昭和の時代に活躍したモデルたちのフォルムを継承。昔を知るベテランライダーはもちろん、街をおしゃれに走りたい若い世代にも注目度が高いモデルばかりです。
ここでは、そんなホンダの原付二種バイクの中でも、昭和の雰囲気を持つレトロなスタイルのおすすめモデル5機種を紹介します。
●スーパーカブ110
まずは、2022年型が出たばかりの「スーパーカブ110」。大阪、東京、名古屋のモーターサイクルショーで初披露され、2022年4月14日に発売された注目モデルです。
スーパーカブとは、ホンダが1950年代から生産し、世界中で大ヒットしたロングセラーのビジネスバイクです。
その110cc版として2009年に登場したのがスーパーカブ110。長年生産されたスーパーカブ90の後継として発売されたモデルで、エンジンには109cc・空冷OHC単気筒エンジンを搭載。
レッグシールドや丸目ヘッドライトなど、昭和の雰囲気を残したスタイルはもちろん、クラッチレバーがなく、シフトペダルを前後に操作して変速する4段リターン式シフト機構を採用するなど、伝統の装備に今の技術を盛り込むことで、高い燃費性能と優れた実用性を兼ね備えます。
その新型では、最新の排出ガス規制に対応させると共に、最大トルクと燃費性能の向上も実現した新エンジンを搭載しています。
ボア×ストロークを従来型の50.0×55.6mmから47.0×63.1mmへとロングストローク化。最高出力は8.0psで同じですが、最大トルクは従来型の0.87kgf-mから0.90kgf-mにアップ。
さらに、燃費性能もWMTCモード値で従来型67.0km/Lに対し67.9km/Lと、若干の向上を図っています。新型の燃料タンク容量は4.1Lですから、1回の満タンにおける数値上の航続距離は278km以上を達成。街乗りから郊外のバイク旅まで、幅広い用途に対応します。
ほかにも、足まわりでは、ABS付きの前輪ディスクブレーキを採用。前後キャストホイールやチューブレスタイヤを新たに装備することで、メンテナンスのしやすさも向上しています。
加えて、メーター内にはギアポジションや時計、平均燃費などを表示する機能を追加し、より実用性もアップ。
価格(税込)は、30万2500円です。
●クロスカブ110
「クロスカブ110」は、スーパーカブ110をベースに、アウトドアレジャーをイメージした装備を持たせたバリエーションモデルで、2013年に登場しました。
そのフォルムは、1980年代に人気を博したトレッキングモデルの「CT110」を彷彿とさせるもの。ヘッドライトまわりの丸パイプ製ステーやアップライトなハンドルなどを採用することで、タフなイメージを演出しているのが特徴です。
また、2019年には、ホンダの工場がある熊本県とコラボして、同県のPRマスコットキャラクター「くまモン」をイメージした「くまモン バージョン」も登場しています。
クロスカブ110も、スーパーカブ110と同様、新型が2022年4月14日に発売されたばかり。変更点も同様で、前後キャストホイールやチューブレスタイヤを装備、前輪にはABS付きのディスクブレーキも採用しています。
また、最新の排出ガス規制に対応させながら、最大トルクと燃費性能の向上を図った新エンジンを採用している点も同じです。
価格(税込み)は、クロスカブ110が36万3000円、クロスカブ110・くまモン バージョンが37万4000円です。
●CT125・ハンターカブ
「CT125・ハンターカブ」も、クロスカブ110と同様に、アウトドアテイストが満点の装備と、レトロな雰囲気を持つスタイルが人気のモデルです。
初登場は2020年で、ベースとなったのはスーパーカブ・シリーズの125cc版「スーパーカブC125」。クロスカブ110やスーパーカブ110が109ccの単気筒エンジンを搭載するのに対し、CT125・ハンターカブやスーパーカブC125では、排気量が124ccとより大きく、最高出力8.8ps、最大トルク1.1kgf-mを発揮。
クロスカブ110などのエンジンは最高出力8.0ps、最大トルク0.90kgf-mですから、より余裕ある走りを実現します。
スタイルは、やはり1980年代のCT110を彷彿とさせるもの。オフロード走行にも対応するアップタイプのマフラーや、アップライトなハンドルバー、丸型一灯のLEDヘッドライトなどを装備します。
また、リヤキャリアは、横幅409mm×前後477mmの大型サイズ。荷掛フックを4ヵ所に備えるなどで積載性が高く、キャンプなどアウトドアでのレジャーにも十分対応する装備が光ります。
価格(税込み)は44万円です。
●ダックス125
「ダックス125」も、2022年のモーターサイクルショーで発表された新型モデル。1960年代後半から1970年代に一世を風靡したレジャーバイク「ダックス」シリーズをモチーフにしたスタイルを持つ125ccモデルです。
元祖は、1969年に発売された初代モデル「ダックスホンダ」です。空冷4サイクル単気筒エンジンを搭載し、排気量には50ccと70ccを設定していました。
大きな特徴は、折りたたみ式のハンドルやステップにより車体をコンパクトにできること。乗用車のトランクにも入れられることで、当時流行したレジャーバイクというジャンルを確立した立役者でした。
ちなみに、車名の「ダックス」は、低くて長いフォルムが、胴長の愛らしい犬種ダックスフントに似ていることから付けられたとか。新型でもそのイメージを踏襲し、車体には、胴が長いT字型の鋼板プレス製バックボーンフレームを採用。
しかも、新型は、より車体が大きくなったことで、2人乗りが容易なロングタイプのダブルシートも装備します。
エンジンには、最高出力9.4psを発揮する123cc・空冷4ストロークOHC単気筒を搭載。最新の平成32年(令和2年)排出ガス規制に対応させながらも、力強い出力特性を両立しています。
また、自動遠心クラッチと4速トランスミッションを採用することで、スーパーカブ・シリーズと同様にクラッチレバーの操作は不要。AT小型限定普通二輪免許でも乗れますから、より幅広いユーザーに対応します。
さらに、足まわりには、シンプルかつ高剛性なキャストホイールに、12インチサイズのチューブレスタイヤをセット。倒立フロントフォークや前後輪ディスクブレーキなどの装備で、高い走行安定性や安全性に貢献します。
価格(税込み)は44万円で、2022年7月21日に発売予定です。
●モンキー125
「モンキー125」は、2017年に惜しまれつつも生産中止となった50ccの「モンキー」の後継機種ともいえるモデルで、2018年に登場しました。
元祖となるモンキーは、元々、1961年に多摩テック(東京都日野市)という遊園地の遊具として誕生したミニバイクを、市販化の声に応えて販売したもの。
市販モデルの初代は、1967年に登場。ダックスホンダと同様に、乗用車のトランクなどに積載できるほどコンパクトになることで、同じくレジャーバイク・ブームをけん引したモデルです。
その後は、車体が拡大し車載はできなくなりましたが、手軽な原付バイクとして長年人気を博し、今でも125cc版が残るロングセラーモデルとなりました。
そんなモンキーの後継であるモンキー125は、50cc版をそのまま拡大したような愛らしいスタイルが大きな特徴です。
エンジンは123cc・空冷4ストローク単気筒で、最高出力9.4ps、最大トルク1.1kgf-mを発揮。WMTCモード値で70.0km/Lという優れた燃費性能も誇ります。
また、2021年9月のモデルチェンジでは、5速トランスミッションを採用。今回紹介する機種のうちで、唯一シフトチェンジ時にクラッチ操作をするモデルで、よりスポーティな走りが楽しめます。
足まわりでは、倒立式のフロントフォークとリヤ2本ショックを装備。街乗りはもちろん、郊外へのツーリングなど様々なシーンで快適な走りを楽しめるバランスが追求されています。
さらに、ブレーキには、フロントに2ポッド、リヤにシングルのキャリパーを装備したディスクタイプも採用。前輪にはABSも標準装備することで、安定した信頼感の高い制動能力を発揮します。
なお、価格(税込み)は44万円です。
(文:平塚 直樹)