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■盗難・防犯対策のひとつとしてロックボルト
クルマの盗難や車上荒らしが多発しています。そのニュースもよく採り上げられ、盗難1位はあのクルマ、2位はこのクルマと報道されますが、悪人がそのニュースを見ていたらヒントを与えることになるからヘタにニュースにしないほうがいいのではと常々筆者は思っています(だから「あのクルマ」「このクルマ」としておきます)。
さて、人気車であろうと不人気車であろうと、クルマに必ずついているのはナンバープレートです。
今回は、このナンバープレートの盗難対策としてロックボルトをつけたお話です。
●記事を読み、「善は急げ」と即行動
昨今、クルマそのものの盗難も去ることながら、ナンバープレートの盗難も増えているのだそうで、確かにクルマの用品オプションカタログには、ナンバープレートロックボルトなる製品が前々から存在しています。
よく目にするのは「McGard(マックガード)」の製品で、同じカタログの別ページに高価なアルミホイールやナビゲーションの盗難を防止するロックナットが掲載されていれば、やはりたいていは同じマックガードの製品になっています。
もしここで「ん? ナンバープレートのロックボルトの記事、最近どこかで見たぞ」という方は、クリッカーの熱烈な読者の方かもしれません。
実は筆者がこのナンバープレートロックボルトをテーマにしたのは、本クリッカーに寄稿されている、佐々木亘さんのナンバープレート盗難と再発行手続きの記事を読んだことが発端です。お読みになった方もいらっしゃるでしょう。
記事中の文章同様、筆者も「ナンバープレートなんか盗んでどうするの」と思っていたクチですが、悪人には悪人なりの思考があるるもので、「クルマを盗んだ際にナンバープレートを付け替える」「Nシステムや街の監視カメラの目を逸らす」「転売する」といった、盗む理由がきちんと書いてあります。
筆者を動かしたのは、「ロックボルト装着は簡単にできる盗難対策。今すぐ行うことが重要となります」の文面。別に高級車や人気車に乗っていなくても、常々クルマのいたずらや盗難を気にしている筆者には、特に「今すぐ行うこと」の7文字が引っかかりました。
この記事を見たのはクリッカー公開前の確認段階でしたが、佐々木さんが「今すぐ」というなら「今すぐやらなきゃ」ということで、読んだ直後、本当にすぐにロックボルトを探しに街に繰り出しました。それをレポートしようというわけです。
●作業はただのボルト締め
佐々木さんは、(ナンバープレート用の)ロックボルトの「価格は数千円程度」と述べています。おそらくマックガードの製品を指したものでしょう。
ところがまわったカー用品店2店舗とも、数千円のものもマックガードのものも扱ってはいませんでした。
で、買ったのがこちら。
星光産業の「EX-143 プレートボルト4 SI サビに強い盗難防止ボルト・ステンレス製&メッキ仕上」という製品で、お値段は「数千円」どころか、1000円をも下まわる税込み948円也。「数千円」の出費を覚悟していた筆者にとって、1000円未満とはうれしい予想外でした。
マックガード同様、特殊工具付きで、通常のナンバープレートボルトなら、そのへんにいくらでも転がっているプラスドライバーや六角レンチで締める&ゆるめることのできるボルトのアタマを、六角レンチが使えないフラット状にし、アタマの「+」部分を特殊な溝に変え、付属の専用レンチでないと外せない形になっています…特殊工具付きと書きましたが、これは当たり前のことで、だからこそ盗難防止になるわけです。
マックガード製は、特殊溝の形状が製品個別に異なっていたと記憶しますが、この品はそこまでの配慮はしていないようです。このへんが価格差を生んでいるような気がしますが、それにしても何の対策も施さないより安心度は高まります。
また、マックガード製が特殊溝を施しただけのボルトであるのに対し、こちらはボルト本体のほか、リングや平ワッシャーとの共締め式になっています。どちらがいい悪いというよりも考え方の違いでしょう。あるいは特許の問題があるのかもしれません。
クルマへの盗難対策というとエンジンセキュリティやイモビライザーなど、電源取り出しや配線といった大仰な作業を伴うイメージがありますが、ナンバープレート盗難対策は簡単です。既存のボルトをはずして特殊ボルトに付け替えるだけ。
ただのつけ外しをするだけですから、日曜大工よりも手軽。筆者の場合も、車両前のプレートボルト2本、後ろ1本の交換作業をものの10分ほどで完了することができました。解説するほどのことは何もありません。作業の様子は写真をごらんください(本記事のすべての写真には画像加工を施しています。)。
幸いなことに、筆者は今日までクルマのいたずらや盗難に遭ったことはありません。しかし、これはたまたま運がよかっただけだからと思っています。
今日まではよかったとしても、明日どうなるか、何をされるかわかりません。いや、今日のたったいまの時点は良くても、今日の夜、何もされないという保証はないのです。それが盗難、事故というものです。
佐々木さんの記事を見かけるや、「善は急げ」「思い立ったが吉日」とばかり、即席で対策をした者が書いても説得力はないかもしれませんが、ナンバープレート盗難を気にしている方、まずは簡単な対策から施してみてはいかがでしょうか。
普通車のリヤのナンバープレートは封印があるため、ボルト交換は1本となりますが、封印のない軽自動車のリヤナンバープレートは2本交換となります。したがって、普通車は1台につき3本、軽自動車は4本が必要ですのでお気をつけください。
(文・写真:山口尚志)
【関連リンク】
ナンバープレートを盗まれた! 盗難された場合の再発行手続きを調べてみた(佐々木亘)
https://clicccar.com/2022/04/01/1173480/
「EX-143 プレートボルト4 SI サビに強い盗難防止ボルト・ステンレス製&メッキ仕上」商品サイト
https://www.seikosangyo.co.jp/exea/subpage10.php?no=3
星光産業株式会社ホームページ
https://www.seikosangyo.co.jp/