圧縮比が14.0に高まったMAZDA2(1.5Lガソリンエンジンの高圧縮比仕様)の走りはどう変わった?

■圧縮比が高くなり実燃費への効果はいかに?

マツダは二桁車名のCX-30を皮切りに、MX-30をリリースしています。

さらに、以前お伝えしたように、米国向けのCX-50のほか、ラージ商品群として、CX-60、CX-70、CX-80、CX-90を2022年から2023年にかけて投入する計画を発表ずみです。

そうなると、CX-3、CX-5などの一桁車名のSUVだけでなく、MAZDA2MAZDA3、MAZDA5などのSUV以外のモデルもどうなるか気になるところ。

MAZDA2 
MAZDA2の特別仕様車「Sunlit Citrus」

筆者は最後期型といえるデミオ(現MAZDA2)に乗っていますが、日本の道路や駐車場事情の点からもボディサイズの大型化は、諸手を挙げて賛成とはいえません。なお、日本の道路の約84%が、道幅平均3.8mの狭い道路だそう。

Aセグメント、Bセグメントのコンパクトカーは、軽自動車も含めた日本における欠かせない選択肢になっています。

MAZDA2
「Sunlit Citrus」のリヤビュー

MAZDA2も例に漏れず、5ナンバー枠に収まるサイズに加えて、1.5Lのガソリンとディーゼル、6ATと6MTを設定し、パワートレーンの選択肢の多さが魅力のひとつです。

登場から時間が経ちましたが、2021年6月の一部改良と共に発売された特別仕様車「Sunlit Citrus(サンリット・シトラス)」に試乗する機会がありましたので、ご報告します。

MAZDA2
「Sunlit Citrus」のインテリア

同特別仕様車は、一部改良を機に追加された上質な「プラチナクォーツメタリック」をまとっています。内・外装の見どころは、明るい雰囲気のインテリア。メインカラーの「グレージュ」に、「シトラス」をアクセントカラーとして採用されていて、ブラックやグレーをベースとしたカタログモデルや特別仕様車とは異なった演出が施されています。

MAZDA2
専用シート表皮の「グランリュクス」を採用する

シート素材は、上質な「グランリュクス」が採用されているほか、同仕様とのカラーコーディネイトが施された「専用キーシェル&フロアマット」も備わっています。

ほかにも、狭い駐車場や住宅街などでも取り回しを楽にする「360°ビューモニター」も標準装備されています。一部改良におけるメカニズム面での目玉は、1.5Lガソリンエンジンに14.0の高圧縮比が採用された点です。

MAZDA2
圧縮比14.0の1.5Lガソリンエンジン

試乗車は、1.5Lガソリンエンジン車で、この特別仕様車「サンリット・シトラス」をはじめ、「15S Proactive S Package」「15S White Comfort」「15S Black Tone Edition」などに高圧縮比エンジンが搭載されています。

圧縮比14.0の1.5Lガソリンエンジンは、レース仕様(レースも見据えたベース車)の「15MB」にも以前から採用されていました。「15MB」は、116PS/6000rpm・149Nm/4000rpmというパワー/トルクを実現する一方で、プレミアムガソリンを指定します。

一部改良を機に設定された今回の1.5Lガソリンは、レギュラーガソリン仕様で、110PS/6000rpm・142Nm/3500rpmというエンジンスペック。従来から設定されている圧縮比12.0の1.5Lガソリン(筆者のデミオと同じ)は、110PS/6000rpm・141Nm/4000rpmという数値になっています。

狙いは燃費の向上で、圧縮比が12.0から14.0と高まったことで、WLTCモード燃費は従来のガソリンエンジンから最大6.8%向上したとしています。最大トルクの発生回転数こそ異なるものの、スペック的には同等ですので、実際の加速フィールに大きな差があるわけではありません。

MAZDA2
「サンリット・シトラス」のアルミホイール

しかし、筆者も従来の12.0圧縮比の1.5Lエンジン仕様(MT)に乗っていますので、新しい高圧縮比エンジンのアクセルのツキの良さが実感できました。同エンジンには、「e-SKYACTIV X」の開発で培われたというエンジン制御技術が採用されていて、レスポンスの向上が盛り込まれているのが感じられます。

また、デミオからMAZDA2に替わった際にも実感したのが、背骨がS字カーブを描くように座らせる(骨盤を立てて座らせる)新しいシートで、背中全体のフォールド感が高まっています。座った瞬間に分かる差で、長時間での疲れもより少なそうです。

MAZDA2
「サンリット・シトラス」のリヤシート

そのほかの走りの要素であるNVHに関してはほとんど変わっていないようです。なお、今回の試乗では291kmを走行(高速道路7割、一般道3割)し、ガソリンを15.46L消費したため、満タン法による実燃費は18.82km/Lとなっています。

筆者のデミオの実燃費は、17km/L台後半〜18km/L台前半が多く、若干高まっている印象です。

●価格

「MAZDA2 15S サンリット・シトラス」:198万6600円

(文/写真 塚田勝弘

この記事の著者

塚田勝弘

塚田勝弘 近影
1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。クルマ、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。