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■コロナ禍での移動手段に関する最新調査
新型コロナウイルス感染症が流行し始めてから約2年。現在もオミクロン株の猛威による流行「第6波」が続いていますが、流行の前と後では、電車やバスなど公共交通機関の利用が減り、自家用車などクルマの利用が増えていることがよくいわれます。
では、実際、現在多くの人は主にどのような移動手段を使うことが多いのでしょうか?
定額カーリース「おトクにマイカー 定額カルモくん」を運営するナイルでは、全国の自家用車を所有する男女2170名を対象に「コロナ禍での移動手段に関する調査」を実施。
その結果、新型コロナ禍の前と後では、クルマで移動する人が3.7%増加した一方、公共交通機関を使う人は5.5%減じていることが分かりました。
●コロナ流行前の移動手段は?
今回の調査は、2021年12月27日〜2022年1月10日の期間、インターネットによるアンケート形式で実施されたものです。
調査では、まず、「新型コロナ流行前に主に利用していた移動手段」について質問。結果は以下の通りです。
1位:「自家用車」 40.2%(872人)
2位:「公共交通機関」 31.9%(692人)
3位:「自転車」 11.9%(258人)
4位:「徒歩」 11.5%(216人)
5位:「バイク」 2.1%(46人)
6位:「そのほか」 2.4%(52人)
流行前から「自家用車」を使う人が多く、次に「公共交通機関」「自転車」「徒歩」といった順位になっています。
なお、「そのほか」の回答には、カーシェア、レンタカー、タクシーなどがあったそうです。
●コロナ流行後はクルマと徒歩が増加
次に、調査では「(コロナ流行後の)現在、主に利用している移動手段」についても質問。結果は次の通りです。
1位:「自家用車」 43.9%(952人)
2位:「公共交通機関」 26.4%(573人)
3位:「徒歩」 13.8%(300人)
4位:「自転車」 10.9%(237人)
5位:「バイク」 2.4%(53人)
6位:「そのほか」 2.6%(56人)
1位と2位の順位は、コロナ禍の前と後でも同じですが、「自家用車」は40.2%から43.9%、「徒歩」は11.5%から13.8%とそれぞれ増加。逆に「公共交通機関」が31.9%から26.4%に減少しています。
これらにより、感染症の流行に伴い、多くの人が人混みや他人との接触を避ける移動手段へ変更していることがわかります。
ちなみに「そのほか」には、カーシェア、レンタカー、タクシーといった回答があったのも、流行前と同様です。
●公共交通機関の利用が減った理由
調査では、さらに、「公共交通機関の利用が減った理由」について聞いており、結果は以下の通りです。
1位:「感染予防のため」 47.3%
2位:「外出自粛のため」 27.3%
3位:「テレワーク・オンライン授業のため」 13.1%
4位:「移動手段を変えたから」 5.4%
5位:「そのほか」 6.9%
1位の「感染予防のため」には、「電車だと密着するから」「人との接触を最小限にするため」などの意見があったそうです。これにより、公共交通機関を利用する人の減少は、感染リスクを避けるためであることが裏づけられたといえるでしょう。
ちなみに「そのほか」には、感染症の拡大により「利用していたバスの便数が減ったため」といった理由もあったそうです。コロナ禍の影響は、公共交通機関に乗る機会自体の減少もまねいているようですね。
●クルマ利用は「感染予防のため」が77.0%
一方、「自家用車の利用が増えた理由」には、どんなことが多いのでしょうか? 調査では、そのことについても質問し、以下のような結果が出ています。
1位:「感染予防のため」 77.0%
2位:「会社指示、またはクルマ通勤になったから」 6.7%
3位:「近場での移動が増えたから」 4.2%
4位:「便利だから」 1.2%
5位:「そのほか」 10.9%
やはり、「感染予防のため」が77.0%と圧倒多数ですね。なお、感染予防を理由に挙げた人の中には、「密を避けるため」「1人になれるから」「電車をなるべく使わないようにしたから」などの回答があったそうです。
また、「そのほか」の中には、「マスクなしで移動できるから」「車を新たに購入したから」といった回答があったといいます。
●運動のために徒歩を利用する人も多い
調査では、最後に、クルマと同様、コロナ禍の後で増加した「徒歩」の利用が増えた理由についても聞いています。結果は次の通りです。
1位:「感染予防のため」 57.7%
2位:「運動のため」 9.6%
3位:「転職・通学・引っ越したから」 9.6%
4位:「会社指示、または出勤のため」 5.8%
5位:「近場での移動が増えたから」 5.8%
6位:「便利だから」 1.9%
7位:「そのほか」 9.6%
自家用車の場合ほど多くの割合を占めてはいませんが、やはり「感染予防のため」が最も多い結果となっています。
また、クルマと違い、2位に「運動のため」が入っており、その中には「健康的だから」「運動不足だったから」といった意見もあったそうです。健康を意識している人も多いということですね。
いずれにしろ、今回の調査では、「密」になりやすい公共交通機関の利用を避け、より感染リスクの低い自家用車や徒歩を選んでいる人が多いことが分かりました。
ちなみに、調査を行ったナイルでは、コロナ禍での移動手段に関する調査を2020年の4月から継続して実施しており、こうした傾向は「これまでと同様だ」といいます。
きっと、通勤や通学などはもちろん、近場での買い物などでも、以前よりもクルマを使う人が増えたのでしょうね。
また、テレワークによる運動不足の解消などのため、徒歩で移動する人も増えるなど、長引くコロナ禍が多くの人の生活スタイルに変化をもたらしていることは確かなようです。
(文:平塚直樹 *写真はイメージです)