全国8万人に聞いた!愛車は新車を一括購入が最多、分割払いする人の53.7%が「家計的にきつい」

■クルマの購入方法や支払いの実態を調査

2月に入り、暦の上では春を迎えますが、この時期、特に3月は1年の中で最もクルマが売れる時期だといわれています。

すでに、クルマの乗り換えなどを考えている人も多いかと思いますが、クルマを購入する場合に重要なことには、新車中古車か? 一括購入かローンか? ローンの場合は支払いを月々幾らに設定するか? など、さまざまなことを悩みますよね。

クルマの購入方法や支払いの実態調査
全国8万人に聞いたクルマの購入方法や支払いなどの実態調査

では実際に、一般のユーザーが愛車を買う場合、最新の新車と価格が比較的安い中古車のどちらを選ぶ人が多いのでしょうか? また、どういった支払い方法を選択しているのでしょう?

定額カーリース「おトクにマイカー 定額カルモくん」を運営するナイルでは、全国の自家用車を所有する男女8万77名に調査を実施。

その結果、新車でクルマを購入した人は64.3%、クルマをローンで購入した人の半数近くが家計が厳しいと回答していることなどが分かりました。

●九州では中古車の割合が40.4%

今回の調査は、2021年12月24日〜12月31日の期間、インターネットのアンケートにより行われたものです。

まず、調査では、「自家用車は新車で手に入れましたか? 中古車で手に入れましたか?」といった質問を実施。その結果は以下の通りで、新車で購入した人が過半数を超えています。

・「新車」 64.3%
・「中古車」 35.7%

クルマの購入方法や支払いの実態調査
自家用車は新車か中古車か(出展:ナイル)

なお、この結果を地方別に集計してみると、次のようになります。

・東北:「新車」 61.7%/「中古車」 38.3%
・関東:「新車」 64.4%/「中古車」 35.6%
・中部:「新車」 64.9%/「中古車」 35.1%
・近畿:「新車」 68.3%/「中古車」 31.7%
・中国:「新車」 67.4%/「中古車」 32.6%
・四国:「新車」 66.5%/「中古車」 33.5%
・九州:「新車」 59.6%/「中古車」 40.4%

クルマの購入方法や支払いの実態調査
自家用車は新車か中古車かの調査結果を地域別に分類(出展:ナイル)

九州地方のみ中古車の割合が40%を超えた一方、新車率が高いのは近畿地方の68.3%、次いで中国地方の67.4%となっています。

●分割払いをしている人は37.6%

次に調査では、「クルマをどのようにして手に入れましたか? 」という質問をしています。結果は以下の通りです。

クルマの購入方法や支払いの実態調査
自家用車は新車か中古車か(出展:ナイル)

1位:「一括購入」 57.9%
2位:「ローン」 34.7%
3位:「もらった」 3.9%
4位:「カーリース」 2.9%
5位:「そのほか」 0.6%

一括購入が過半数を超えた一方で、分割払いをしている人は、「ローン」や「カーリース」を合わせると37.6%になっています。

なお、一括購入した人が多い地方別ランキングのベスト5は以下の通りです。

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一括購入が多い都道府県ランキング(出展:ナイル)

1位:「徳島県」 69.0%
2位:「愛知県」 66.6%
3位:「和歌山県」 65.6%
4位:「福岡県」 64.3%
5位:「香川県」 64.0%

一方、ローンで購入した人が多い地方別ランキングのベスト5は以下の通りになっています。

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ローンが多い都道府県ランキング(出展:ナイル)

1位:「青森県」 46.3%
2位:「北海道」 45.0%
3位:「岩手県」 43.4%
4位:「宮崎県」 43.0%
5位:「山形県」 41.4%

一括購入の全国平均は57.9%ですが、徳島県は約7割となっており、特に高い割合を示しています。

また、ローンを組む割合が高い都道府県では、青森県、岩手県、山形県の東北3県がベスト5にランクイン。北海道も2位になるなど、寒い地方ほどローンを組む割合が高い傾向にあるようです。

加えてカーリースを利用する人が多い地方別ランキングのベスト5は次の通りで、2位の東京都を抑え、沖縄県が1位になっています。

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カーリースが多い都道府県ランキング(出展:ナイル)

1位:「沖縄県」 6.6%
2位:「東京都」 4.8%
3位:「山形県」 4.1%
4位:「秋田県」 3.7%
5位:「熊本県」 3.6%

●分割払いは月「1万円〜2万円未満」が最多

調査では、「ローン」「カーリース」を利用する人に、「月々いくら支払っていますか? 」といった質問も実施。結果はこのようになりました。

1位:「1万円〜2万円未満」 32.3%
2位:「2万円〜3万円未満」 32.1%
3位:「3万円〜5万円未満」 22.3%
4位:「1万円未満」 7.1%
5位:「5万円〜7万円未満」 4.3%
6位:「7万円〜10万円未満」 1.1%
7位:「10万円以上」 0.8%

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分割払いする人の支払い月額(出展:ナイル)

全国平均では「1万円〜2万円未満」が最多ですが、調査を実施したナイルによると、この傾向は地方でも同様なのに対し、「大都市圏ではクルマの支払額が大きくなる傾向が見られました」といいます。

都市部に住む人の方が収入なども比較的高く、価格が高いクルマをローンなどで買うケースが多いのでしょうか? 具体的要因は明らかになっていませんが、面白い結果ではあります。

●分割払い額が「家計的にきつい」と思う人は地域で違う?

調査では、「カーリース」「ローン」の利用者に、「月々の支払いは家計的にきついですか?」といった質問も行いました。結果は次の通りです。

・「はい」 53.7%
・「いいえ」 46.3%

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分割払いは家計的にきついか(出展:ナイル)

ちなみに、都道府県別の場合、調査を行ったナイルによると「はい」と答えた人、つまり月々に払う分割払い額が「家計的にきつい」と思っている人は「秋田県(60.7%)や福岡県(60.4%)は60%を越えており、全国平均の53.7%を7%近く上回る結果」になったといいます。

分割払いの場合、月々の支払い額が家計に占める負担感は地域によって多少違うようですが、全国平均でも「はい」と答えた人は53.7%と半数以上。ローンやカーリースなどの支払い額を負担と思う人は多い傾向にあるようです。

●新型車ほど安全装備が充実しているのも要因?

いずれにしろ、この調査をみる限りでは、愛車の購入には「新車を一括支払いで購入する」人が多い傾向にあるようですね。

クルマの購入方法や支払いの実態調査
調査では新車を一括購入が最多だった

特に、最近は、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備が年々進化し、新しいモデルほど機能の充実や向上が図られています。そのため、どうせ買うのであれば、より新型車の方がいいという人が多いことで、新車を買う人が多いのかもしれません。

また、EVやプラグインハイブリッド車、FCV(燃料電池車)などについてには、購入金額を補助するCEV(クリーンエネルギー)補助金などもありますから、環境に優しい新車を購入しやすい傾向にもありますよね。

クルマの購入方法や支払いの実態調査
新型車になるほど先進安全装備も進化(写真はトヨタの新型ノア&ヴォクシーに搭載されたプロアクティブドライビングアシストの機能図)

ただ、購入方法では、一括購入する人が多いというのはちょっと驚きです。近年は、クルマの値段が徐々に高くなり、軽自動車でも200万円を超えるモデルも増えてきていますから。

確かにローンなどには金利がかかりますので、一括払いの方が総支払い額が少なくなり、結局はお得ですけどね。

ちなみに、筆者はローン派です。これは、新車と中古車どちらを買う場合も同じで、購入代金の数百万円を一括で払うより、手元にできるだけ現金を残しておきたいためです。その方が不測の事態が発生し、急な出費が必要な時に安心なので。ちょっと貧乏性なのかもしれませんけどね。

ともあれ、クルマ購入に関する考え方や方法などは人それぞれではありますが、今回の調査により、ざっくりとした最近の傾向は出たといえるでしょう。

(文:平塚 直樹 *写真はイメージです)

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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