ハイブリッド車もバッテリーが上がる?なぜ?上がったときはどうする?【クルマ豆知識・2022年版】

■なぜハイブリッド車でもバッテリーがあがるのか? 仕組みを理解すれば、対処法もわかる

ハイブリッド車
拡大し続けるハイブリッド車には、ガソリン車とは少し違う操作方法があります

「燃費が良い」「静か」「環境に優しい」といったイメージが広がり、日本ではハイブリッド車を選ぶ人が増えています。普通のガソリン車と大きな違いも少なく、簡単に運転操作ができる反面、ハイブリッド車特有の機能や仕組みを理解しておかないと、いざというときに対処ができないということもあるでしょう。

今回は、ハイブリッド車でも起こりえる「バッテリーあがり」の仕組みと対処法について、解説していきます。

●ハイブリッド車には2種類のバッテリーがある

ハイブリッド車には、大型の駆動用バッテリーが搭載されています。ニッケル水素やリチウムイオンを使用した電池を積み込み、駆動用のモーターを動かすことに加え、電動コンプレッサーを使用して、カーエアコンの稼働も担っています。

補機バッテリー
30系プリウスの補機バッテリーの搭載場所はトランクルームの下で、普段は見えない場所に搭載されています

対して、クルマの装備の中で電気を使って動いているライト類やワイパー、電動ロックやスライドドア、カーオーディオなどは、駆動用のバッテリーではなく補機バッテリーから電気をもらって動いているのです。補機バッテリーとは、ハイブリッド車以外でも使われている12Vのカーバッテリーのことを指します。補機バッテリーは、エンジンルーム内ではなく、トランクルームやシート下などに配置されていることが多いです。

ハイブリッド車のエンジンがかかった状態にするにも、この補機バッテリーの電気を使っており、補機バッテリーが上がってしまうと、エンジンがかからなくなってしまうのです。

●駆動用バッテリーと補機バッテリーは相互で充電を行わない

ハイブリッド車の駆動用バッテリーと補機バッテリーでは、使っている電圧が異なります。補機バッテリーは12Vを使用しますが、駆動用バッテリーでは高電圧の200V以上の電圧を使っています。

例えば、駆動用バッテリーが少なくなってきたから、補機バッテリーから充電する、または補機バッテリーが少なくなってきたから駆動用バッテリーの電気を分けてあげようという仕組みは取られていません。したがって、どちらかのバッテリーが弱っていても、助け合うということはできないのです。

●ハイブリッド車のジャンピングスタート方法

それでは、ハイブリッド車の補機バッテリーが上がってしまった場合の対処方法を紹介していきます。バッテリーが上がったハイブリッド車に対して用意するのは、救援車(ガソリンエンジン車)とブースターケーブルです。

救援用端子
ヒューズボックス内の救援用端子は、赤いカバーがついていて「+」の文字が書かれています

多くのハイブリッド車では、エンジンルーム内のヒューズボックス内に、救援用端子が設置されており、この救援用端子にブースターケーブルを繋げます。

1、救援車とバッテリーが上がったクルマ同士を近づけます。

2、救援車のエンジンをかけます。救援中もかけっぱなしにしておきます。

救援用端子2
救援用端子のカバーを外して、出てきた金属に、ブースターケーブルの赤を取り付けます

3、ブースターケーブルを準備し、バッテリーが上がったクルマの救援用端子に、ブースターケーブルの赤い線を取り付けます。

4、救援車側のバッテリーのプラス端子に、ブースターケーブルの赤い線の反対側を取り付けます。

5、救援車のバッテリーのマイナス端子に、ブースターケーブルの黒い線を取り付けます。

エンジンマウント
マイナス端子はエンジンルーム内のしっかりとした金属部分に接続します

6、ハイブリッド車のエンジンルーム内の金属部分(エンジンフレーム等)に、ブースターケーブルの黒い線の反対側を取り付けます。

7、すべて装着が完了したら、ハイブリッド車のエンジンをかけます。

8、エンジンがかかったのを確認したら、ブースターケーブルを外していきます。取り付けた時の逆の手順で、ハイブリッド車の黒いケーブルから外していき、救援車の黒いケーブル、救援車の赤いケーブル、ハイブリッド車の赤いケーブルの順に外せば作業は完了です。

救援を受けてエンジンがかけられるようになったハイブリッド車は、しばらく走行をするか、エンジンをかけたまま置いておきましょう。走行したり、エンジンをかけ続けておけば、補機バッテリーへの充電が行われていきます。

なお、基本的にハイブリッド車は、救援を受けることはできますが救援することはできません。エンジンルーム内に配置された救援用端子では、電気を受けることはできますが、外に出すことはできません。

また、トランクルームなどにある補機バッテリーから直接電気を取る場合でも、アイドリングストップ制御が入り、常時エンジンを回し続けることができないハイブリッド車では、ジャンピングスタートをしてあげることはできないので注意が必要です。

●まとめ:ハイブリッド車は救援用端子を繋ぐ場所が異なる

ハイブリッド車でもバッテリー上がりは発生します。直接バッテリー同士をつなぐのではなく、救援用端子を使用してジャンピングスタートを行うところが、普通のガソリン車と違うところになります。救援される側になってしまった時に、スマートに対処できるように、ハイブリッド車ユーザーは、この方法を覚えておきましょう。

(文・写真:佐々木 亘)

※この記事は2022年2月1日に再編集しました。

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この記事の著者

佐々木亘

佐々木亘 近影
大学卒業後、銀行員になるも3年で退職し、大好きだったクルマの世界へ足を踏み入れました。自動車ディーラー営業マンへ転職し、レクサス・セールスコンサルタントとして自動車販売の現場に7年間従事します。現在はフリーライターとして独立し、金融業と自動車ディーラーでの経験を活かして活動中です。クルマにまつわる金融・保険・法規などの、小難しいテーマを噛み砕き、わかりやすい情報へと変換して発信することを心がけています。常にエンドユーザーの目線に立った、役立つ情報を届けていきたいと思います。