■伝説の名車を現代風解釈でリ・デザインする時代へ
1967年から1970年までの3年間に僅か337台が生産された本格グランツーリスモ「トヨタ2000GT」。
同車は60年代当時に高性能かつ238万円と非常に高価だったことや、スパイ映画007シリーズの5作目にあたる「007は二度死ぬ」にオープンモデルが登場したことで、世界的にも注目を集めました。
トヨタが内外装のデザインや車両レイアウト、ドライブトレインの設計を担当、ヤマハがエンジンのDOHC化やシャシー等の細部設計に加え、楽器製造で蓄積した木工技術を活かし、ゴージャスなインパネやウッドステアリングの実現に寄与したことでも知られています。
車両サイズは全長4,175mm、全幅1,600mm、全高1,160mmでホイールベースが2,330mm。
X型バックボーンフレームに加え、前後にダブルウイッシュボーン式サスペンションを採用しており、2.0L直6DOHCエンジン(150ps/18.0kgm)を搭載。
車両重量は1,120kgと非常に軽量で、0-400m加速15.9秒・最高速度220km/hを誇っていました。
2017年には同車の生誕50周年を祝う一大イベント「トヨタ2000GT 生誕50周年祭」が東京お台場MEGA WEBで開催され、トヨタ2000GTオーナーズクラブ実行委員会による試乗会も併催されるなど、その人気は未だ衰えをみせません。
とは言え、誕生から50年以上の歳月を経ているだけに、駆動系等に磨耗が発生しているため、トヨタ自動車は2020年7月6日、同車のメンテナンスに必要なトランスミッションやデファレンシャル関連部品を、国内外のオーナー向けに復刻して再販売すると発表しました。
●初代シルビアをEVで復刻? トヨタは2000GT後継に水素エンジン搭載か
一方、日産にも「トヨタ2000GT」と同様に伝説的な美しいモデルが存在します。
1965年4月に発売され、3年間に僅か554台生産されただけで絶版となった初代「シルビア」がそれで、2代目ダットサン・フェアレディのシャシーをベースに開発。「Crisp Cut」(クリスプカット)と称するデザインアイテムを採り入れた美しい2ドアクーペでした。
昨2021年9月に、日産の欧州法人がEVでの同車復活を匂わせたことから世界的に注目を集めており、実現すれば初代モデルを強く意識した新型フェアレディZに続く名車復活劇となります。
こうしたライバルの動きにより、以前から噂されている2000GT後継モデルの開発についても土壌が整いつつあり、トヨタは先進性の観点からEVではなく、同社が鋭意開発中とされる水素エンジンの搭載を選択する可能性がありそうです。
気になるのはその外観ですが、肝となるのは“ロングノーズ・ショートデッキ”の伝統的スタイリングと低い車高。他にはパワフルなエンジン、コーナーで粘るしなやかなサスペンションといったところ。
ちなみに初代86や現行スープラも2000GT同様、FR駆動の2ドアハッチバックモデルであり、クオーターウィンドウ形状やドア見切り線などに同車のデザイン要素が織り込まれています。
つまり、トヨタはこれらのFRスポーツモデル開発時、常に「2000GT」を念頭に置いていることが窺え、同車の後継モデルについても、おおよそのスタイリングが予想できそうです。
また、“カーボンニュートラル”に向けて、ガソリン燃料を「水素」に代替することにより、DOHCエンジンが発するスポーティ・サウンドが今後も存続可能となるため、令和の「トヨタ2000GT」についても大いに期待できそうです。
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