■荷室開口部が低くなり、奥行きも長くなったラゲッジスペース
以前お伝えしたように、親しみのあるエクステリアに変身した新型スズキ・アルト。
全高が50mm高くなり、室内高が45mm高くなっています。これにより、前席は39mm、後席は40mm、ヘッドクリアランスの余裕が増しています。
さらに室内幅も25mm拡幅していて、ショルダールームは、前席が21mm、後席が19mm広くなるなど、室内の余裕が増しているのが最大のポイントです。先代よりも後席の開放感が増し、左右席間の余裕もより感じられます。
なお、運転席シートリフターは「HYBRID X」と「L」の「アップグレードパッケージ装着車」に標準装備。
チルトステアリング(残念ながらテレスコピックは未設定)は、「HYBRID X」にのみ標準装備するため、より適正な運転姿勢が取りやすいのは「HYBRID X」になります。リヤシートヘッドレストは、「HYBRID X」と「L」の「アップグレードパッケージ装着車」に標準で、それ以外は未設定です。
ドライバーやパッセンジャーが触れるインパネをチェックすると、ベーシックな軽セダンでも新型らしく「いかにも」といえるチープな印象はほとんどありません。多少、プラスチッキーなダッシュボードではあるものの、乗用にふさわしい質感を備えています。
インパネシフトやエアコンパネルなどの操作性も良好。ポケッテリアは驚くほど多くはないものの、必要十分という印象で、助手席前にインパネトレー、2DINスペースの下にセンターポケット、さらにその下にセンターロアボックスを用意。
前席シート間には、フロアコンソールトレーを配置し、ボックスティッシュや小さめのバッグなどが置けます。
さらに、「HYBRID X」の全方位モニター付ディスプレイオーディオ装着車、全方位モニター用カメラパッケージ装着車には、前席両側から手が届きやすい位置にUSB電源ソケットを2つ備わります。
全方位モニター付ディスプレイオーディオ装着車は、カメラ切替スイッチを画面下(ハザード右隣)に備えることで、操作性の向上が図られています。
ラゲッジスペースも拡大しています。開口部では、荷室開口幅(最大)が先代の1065mmから90mmマイナスの975mmになったものの、荷室開口高は690mmから710mmに拡大し、荷室床面幅は先代と同様の905mmを確保。
荷室床面長はフル乗車時が420mmから425mmに、一体可倒式のリヤシート格納時は1220mmから1225mmに長くなっています。さらに、690mmあった荷室開口部地上高は660mmと30mm低くなり、大きな荷物や重い物も出し入れしやすくなったのも朗報。荷室開口幅(最大時)以外は、いずれも改善しています。
バックドアにはインサイドグリップが用意され、小柄な人でも楽に閉められるようになっています。アルトは、低全高タイプのため、バックドアの開閉操作は楽で、それほど力を必要としません。
ナビ関連では、スズキ国内初のバックモニター用カメラが付ディスプレイオーディオの設定がトピックス。スマホ連携やBluetoothオーディオに対応し、スマホ派の方にオススメです。
(文:塚田 勝弘/写真:小林 和久)