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■マックス・フェルスタッペンがF1チャンピオンに!!
2021年F1最終戦アブダビGP(12/10〜12/12)でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がドライバーズチャンピオンシップの頂点に上り詰めましたね!
いや~、泣けた。あの激戦から日が経ちましたが、いまだに興奮冷めやらぬ状態で地に足がついてないようなフワフワした、どこか夢心地な気持ちです。
●実物は100倍かっこいい!?
ご存知の方も多いと思いますが、フェルスタッペンの経歴をササっと振り返ってみましょう。
1997年生まれ、オランダ出身でお父様は元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペン。
2015年にトロロッソからF1デビューを果たすも17歳で運転免許が取得できず、「免許を持たないF1ドライバー」と関係者やファンをざわつかせました。
この騒動により翌年にはFIAのスーパーライセンス発給要件について年齢下限が18歳以上であること、自動車の運転免許証を取得していること、と追加されたためF1デビュー最年少記録は更新されることがなくなりました。
今思うと、この時からF1の歴史に爪痕を残していたんだなぁ。
さらに翌年のシーズン途中でレッドブルへの昇格が決まり、移籍後初戦のスペインGPでF1初優勝! セバスチャン・ベッテルの最年少優勝記録(21歳73日)を大きく塗り替えました。
この時から「只者ではない、いつかチャンピオンを獲るだろう」と思っていましたが、ついにこの日がくるとは! しかもホンダパワーユニット搭載のマシンにのって!! こんなに嬉しいことはありません。
私の中のフェルスタッペンの印象は、ずばり【TVで見るより100倍かっこいい】。
実は私、正直あまりフェルスタッペンに興味がなかったのです。
確かに速いし、チャンピオンを獲りそうだと思っていたけれど、私のかっこいいレーダーが全く反応しませんでした(ファンの方、ごめんなさい汗)。
しかし、本物を目の前で見たらスタイルがめちゃくちゃいい! しかも気さくで優しいんです!! 名前入りの応援ボードを見せると笑顔でボードについて話してくれ、あっという間に心を奪われました(単純)。
●チャンピオンへの重圧か。マックス、どうちゃったの(涙)?
チャンピオン獲得までの今シーズンの道のりを振り返ると様々なドラマがありましたが、前戦のサウジアラビアGP(12/3-12/5)はフェルスタッペンの事が心配になるレースでしたよね。
ライバルのルイス・ハミルトン(メルセデス)にDRSを使って並びかけられ必死に抵抗するもコースオフしながらポジションをキープしてしまったフェルスタッペンに、チームからポジションを譲るように指示が出ます。
この様な時ポジションを譲るドライバーがレコードラインから外れてゆっくりと減速するものだと思っていたのですが、素人の私からするといきなり急ブレーキをかけたように見えました。
もちろん止まれるはずもなく、接触。幸いレースを続けることはできましたが、「危険すぎる」とハミルトンはご立腹です。
さらにフェルスタッペンはハミルトンを前にいかせるも、すぐに仕掛けてポジションを取り戻したではないですか! え?それってありなの…?
結局この行為は認められず、5秒加算ペナルティが科せられてしまいました。これにはレッドブルチーム代表のクリスチャン・ホーナーから「やる必要なかったのでは?」と注意されるほど。
今シーズンのフェルスタッペンを見ていると、このような行動は信じられないというか、どうしちゃったの?と心配になったのが私の率直な気持ちでした。
表彰式では終始暗い顔をしていたし、シャンパンファイトをせずに戻ってしまうしで精神状態が心配すぎる(涙)。やはりチャンピオンへの重圧は計り知れないものなのでしょうか。
ハミルトン優勝によりドライバーズチャンピオンシップポイント同点で最終戦を迎えることになりましたが、楽しみなはずなのに「とにかく2台ともしっかりゴールしてほしい。同士討ちだけはやめてほしい」とどこか怖い気持ちもあって、なんとも複雑な心境でアブダビGPまでの1週間を過ごす事になりました。
●勝利の女神が舞い降りた!
さて運命の最終戦アブダビGP。先にゴールしたほうが勝ちという、なんとも分かりやすい展開はいつも以上にドキドキしますね。
3戦連続優勝と流れがハミルトンにきているような気がしていましたが、その流れをフェルスタッペンが予選ポールポジションという形で断ち切りました!
しかしチャンピオンへの道はそう簡単ではありません。スタートでハミルトンに抜かれ、どんどん引き離されてしまいます。しかもソフトタイヤスタートで(ハミルトンはミディアムタイヤ)、誰が見ても厳しい状況でした。
そんな時、救世主セルジオ・ペレス(レッドブル)が現れたのです! ステイアウトするペレスにタイヤ交換を終えたハミルトンが近づくも、抜きつ抜かれつの大接戦!! 古いタイヤで懸命に戦うペレスから「マックスのために絶対抜かせない」という熱い想いが感じられ、涙なしでは見れませんでした。
この素晴らしいブロックにより、2分弱あったギャップが1.7秒に! ペレス、最高にかっこよかった!! チャンピオンまでの物語を語る上では絶対にはずせない、キーパーソンになりましたよね。
ペレスのナイスアシストがありましたが、それでも中々縮まらない差。フェルスタッペンは新しいタイヤに履き替え猛アタックするも、ゴールまでに近づけるのかどうか微妙なところ。
「このままハミルトンが勝つのかなぁ。やっぱり強いなぁ」とさえ思っていました。
すると53周目、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)がクラッシュしセーフティカーが導入! フェルスタッペンは再びタイヤ交換をし、リスタートでの大逆転を狙います。でも残り周回数は5周。
コースをキレイにしてマシンの隊列を整えるとなると、時間がかかるのではないか…。刻一刻と刻まれる周回数をドキドキしながら見ていました。
こんなにも面白いシーズンをセーフティカーで終わるなんて嫌だ! 赤旗中断にして周回数をストップさせてーーー!!
赤旗中断にはならなかったものの、57周目にハミルトンとフェルスタッペンの間にいる周回遅れのマシンのみを先にいかせ、隊列が整わないまま残り1周でレースが再開しました。
新しいタイヤを履いたフェルスタッペンは猛プッシュし、ターン5でハミルトンの前に! その後も並びかけてくるハミルトンを抑え、トップでチェッカーを受け見事ドライバーズチャンピオンの座をつかみ取ったのです!!
ハミルトンの気持ちを思うと何とも言えない切ない気持ちになりましたが(チーム代表のトト・ウォルフ、ブチ切れていましたね)、いちF1ファンとしては最高に面白かったし興奮しました! 地上波で放送していたらF1ファン増えたのになぁ。
正直、レースが始まる前はどちらがチャンピオンを取っても良いかなと思っていたんです。
しかしフェルスタッペンがトップに立ってから不思議と涙が止まらず、絶賛寝かしつけ中だった娘の頭上で大号泣。すすり声を出さないよう、そして涙が娘に落ちないようにするのに必死でした。
なぜこんなにも涙が止まらなかったのか。それは長年ホンダの戦いを見てきたというのもありますが、何より私自身がホンダとの思い出がたくさんあったからです。
●F1を好きになったのはホンダのおかげ!?
私がF1の沼にはまるきっかけとなったのは、2006年ハンガリーGP。そう、ホンダが第3期初優勝を果たした日本のF1ファンにとって思い出深い1戦です。
レースはもちろん、表彰式で涙する日本人のチームクルーを見て大感動。あの日父の隣でハンガリーGPを見ていなかったら今の私はいないと断言できるほど、運命的な出来事でした。
そこから大好きなジェンソン・バトンがホンダと繋がりが深かったこともあり、我が家の愛車はずっとホンダ。第3期、第4期と苦しいシーズンをたくさん過ごしてきたホンダを家族で応援していました。
第4期では、マクラーレンと歯車が合わずフェルナンド・アロンソから「これはGP2のエンジンか!」と無線でキレられるなんてこともありましたよね。
私はその時「日本メーカーとして恥ずかしい。F1に対する熱意が足りてないのではないか。ドライバー達は遊びで乗っているんじゃない」とさえ思っていました。
しかし2018年からレッドブルグループとジョイントすると徐々に力を取り戻し、翌年にはコンストラクターズ選手権で3位に! そこからは見る見るうちに速さと信頼性を取り戻していきました。いつかチャンピオンを、と思い始めていた2020年。2021年シーズン限りでF1から撤退すると発表されたのです。
なぜ今?とショックでしばしボーっとしてしまいましたが、チャンピオン獲得のチャンスはあと1シーズンしかない! でも今までのホンダを見てきているだけに、どこかで「本当にチャンピオンになれるだろか…」と半信半疑だった私を怒りたい!!
あの強敵メルセデスを苦しめ、毎戦興奮させてくれる素晴らしい走りを見せてくれ、最後はドラマティックな形で夢にまでみたチャンピオンを獲得してくれたのですから。
苦しいことが続いても最後まで諦めない、強い信念を持ち続けて入れば夢は叶うと教えてくれたホンダ。F1撤退は残念でたまりませんが、長い間感動をありがとう! いつの日かF1に戻ってきてくれることを、首を長ーくして待っています!!
(yuri)