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■6576名に聞いた好きなクルマの色ランキング
クルマを選ぶ際に、重要な要素のひとつにクルマのボディカラーがあります。長い付き合いをする愛車を購入するときはもちろん、レンタカーなどを借りるときも、できれば好きな色のクルマに乗りたいのは人情ですよね。
では、多くのユーザーは、どんなクルマの色が好みなのでしょうか? よく、日本では昔から白や黒のクルマがよく売れるといわれますが、実際はどうなのでしょうか?
時間貸駐車場のタイムスやレンタカー事業などを手掛けるパーク24では、同社が運営するドライバー向け会員制サービス「タイムズクラブ」の会員を対象に、「好きなクルマの色」に関するアンケート調査を実施。
その結果、やはり人気が高いのは「白」や「黒」といった定番カラーですが、実際に好きなカラーのクルマに乗っていない人が40%もいることが分かりました。
●「白」「黒」「シルバー」がトップ3
今回の調査は、前述の通り、パーク24が手掛けるタイムズクラブの会員(2021年8月末現在で約896万人)を対象に、2021年8月11日〜8月17日の期間、インターネットによるアンケート形式で行われたものです。なお、有効回答者数は6576名あったといいます。
アンケートでは、まず「一番好きなクルマの色」を質問。結果は以下の通りになりました。
1位:白(26%)
2位:黒(23%)
3位:シルバー(13%)
4位:赤、青(各8%で同率)
6位:紺(7%)
7位:水色(3%)
8位:緑、茶(各2%で同率)
10位:ピンク、黄、オレンジ、紫(各1%で同率)
やはり、定番の「白」と「黒」がトップ2となり、全体の49%を占めました。
また、よく「シルバー」も人気カラーのひとつといわれますが、やはり全体の13%を占め3位に入っています。
●女性には「赤」も人気
また、この結果を年代別にみると、「白」と「シルバー」は年代が上がるほど人気が高く、60代以上では「シルバー」が19%で、「黒」の12%を上回る2位に入っています。
逆に、「黒」は、たとえば20代以下では32%で1位になるなど、若い世代ほど人気が高いようです。色の好みには、年代によって傾向に違いがあるようですね。
さらに、同じ結果を男女別にみた場合、「白」と「黒」がトップ2であることは同じですが、3位については、男性が15%で「シルバー」なのに対し、女性は「赤」と「シルバー」がそれぞれ10%で同率となり、若干の違いがあることも分かりました。
ちなみに、「白」「黒」「シルバー」以外の色を回答した人の割合は、女性が全体の46%だったのに対し、男性は32%という結果に。これにより、女性の方が色の好みにばらつきが見られることも分かります。
●好きな色を選んだ理由は?
アンケートでは、一番好きなクルマのボディカラーに「なぜその色を選んだのか」、理由についても聞いています。
その結果、「白」「黒」「シルバー」のトップ3で最も多かったのは
「白」:「自分が好きな色だから」 40%
「黒」:「かっこいいから」 44%
「シルバー」:「落ち着いた色だから」 45%
となり、好きな理由は、色によってさまざまであることが分かります。
また、調査では、今回アンケート回答者のうちクルマ保有者3542名に、持っているクルマの色も質問。その結果、全体では
「違う」 40%
「同じ」 60%
となっており、好きな色と違うカラーのクルマに乗っている人も、ある程度多いことが分かりました。
●クルマの色は「家族の意見」も反映
さらに、アンケートでは、「好きなクルマの色と保有しているクルマの色が違う理由」も質問。その結果、トップ3は
1位:「家族の意見を反映したため」 34%
2位:「色よりも価格や性能を優先したため」 29%
3位:「欲しい車種に、好きなクルマの色がなかったため」 24%
となりました。
特に、20代以下では半数が「家族の意見を反映したため」と回答しており、他の理由と2倍以上の差があったそうです。
また、「そのほか」の中には、
「そのクルマにはその色が合っていたから」
「汚れが目立ちにくいから」
という回答が多く見られたといいます。これにより、好みだけでなく、クルマのデザインや手入れのしやすさなどを考慮してボディカラーを選ぶ人もいることが分かります。
ちなみに、調査では、クルマ非保有者3034名に、「カーシェアやレンタカーで利用するなら何色のクルマが良いか」も聞いています。結果は、約70%が希望の色を回答しており、クルマを借りる際にも、色もクルマ選びのポイントになっていることが分かりました。
なお、レンタカーを借りる場合、人気だった色は
1位:「黒」16%
2位:「白」「シルバー」(共に14%)
と、やはり定番の3色が全体の4割以上を占めた結果となったそうです。
●世界的にも人気3色がよく売れる
調査を行ったパーク24では、今回の結果について、「好きなクルマの色は年代別、男女別では大きな違いは見られず、ベーシックな色の人気が高いものの、女性には赤色も人気があることが分かりました」と分析しています。
また、「クルマを購入する際には家族の意見などを考慮して、自分の好みとは違う色のクルマを選ぶケースも多い」ことにも言及しています。
なお、今回紹介した調査のほかにも、たとえば、自動車検査登録情報協会が発表した「乗用車の塗装色別保有台数」でも同様の結果が出ています。
2020年度(令和2年3月末現在)の全保有台数3928万408台中、塗装色別のトップ5は以下の通りです。
1位:「白」 1880万387台(47.86%)
2位:「灰(グレー)」 745万5970台(18.98%)
3位:「黒」 637万1028台(16.22%)
4位:「青」 255万3383台(6.50%)
5位:「赤」 185万5605台(4.72%)
こちらでは、パーク24の結果と違い、「シルバー」ではなく「グレー」が入り、「黒」を上回る2位となっていますが、トップ2のカラーは同じ。やはり、全国的にみても定番カラーは同じだといえます。
また、世界的にも、同様の傾向がみられます。アメリカのペイントメーカーである「アクサルタ」が、2021年1月に発表した第68回「2020年度版世界自動車人気色調査報告書」によると、世界市場で購入された新車のボディカラーのトップ5は以下の通りです。
1位:ホワイト(38%・内、ソリッドホワイト27%、パールホワイト11%)
2位:ブラック(19%・内、ソリッドブラック5%、そのほかのブラック系14%)
3位:グレー(15%)
4位:シルバー(9%)
5位:ブルー(7%)
アクサルタによると、ホワイト、つまり「白」は、過去3年間、世界市場全体で38%を維持しており、10年連続で最も購入頻度の高いクルマのボディカラーだといいます。
また、ホワイト以外ではブラック、グレー、シルバーが多く、これら4色が世界の路上を走るクルマのうち81%を占めるといいます。
最近は、たとえば、SUVタイプのモデルには、アウトドアのテイストを強調する「緑」も増えてきたり、ハイブリッド車にはエコなイメージの「青」が多い印象もあります。
でも、やっぱりクルマには、「定番の人気色」というのが、依然として根強い支持を受けているということですね。
(文:平塚 直樹)