伝統の「白赤ストロボ」も復刻!ヤマハの1000ccスーパースポーツ「YZF-R1M/R1」に2022年モデルが登場

■WGP60周年の限定車に1980年代ワークスカラー

ヤマハは、1000ccスーパースポーツの「YZF-R1M ABS」および「YZF-R1 ABS」のカラーリングを変更し、2022年モデルとして2022年1月28日に発売することを発表しました。

しかも! 2022年モデルには、ヤハマのWGP(ロードレース世界選手権)参戦60周年を記念した限定モデル「「YZF-R1 ABS WGP 60thアニバーサリー」も設定。

昔からのレースフリークやヤマハのファンには懐かしい「白赤ストロボ」カラーを採用したモデルも登場するのです。

ヤマハのスーパースポーツTZF-R1M/R1に2022年モデル
WGP参戦60周年を記念した特別仕様

●200psを発揮するヤマハのフラッグシップ

YZF-R1は1998年の販売開始からスーパースポーツ市場を牽引してきた、ヤマハ製モーターサイクルのフラッグシップモデルです。

2015年に登場した8代目の現行モデルは、2輪レースの最高峰MotoGPで活躍するワークスマシン「YZF-M1」で培ったテクノロジーを投入。ワインディングなどの公道ではもちろん、サーキット走行でも卓越した走りを体感できる真のスーパースポーツとして生まれ変わりました。

エンジンには、最高出力200psを発揮する997cc・水冷4ストローク4気筒を搭載。ヤマハ独自の「クロスプレーンコンセプト」に基づいて設計されたパワーユニットは、アクセル操作だけで車体の自在なコントロールさえ可能なことが魅力です。

また、より自然なスロットル操作感をもたらすライドバイワイヤー機構の「YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)」、ECUがスロットル開度、点火時期、燃料供給量を制御し、扱いやすいエンジンブレーキ特性を実現する「EBM(エンジンブレーキマネージメント)」など、数々の先進電子制御システムも採用。

ヤマハのスーパースポーツTZF-R1M/R1に2022年モデル
ヤマハ・YZF-R1M(2022年モデル)

車両重量201〜202kgという軽量な車体と相まって、俊敏かつ自在なライディングを可能とするマシンなのです。

●ヤマハ「ブルー」をアップデート

その2022年モデルは、主にカラーリングの変更を行いました。

まず、カーボン素材の軽量カウルなどを採用した上級モデルのYZF-R1M ABSでは、カーボンとアルミの組み合わせによる高い質感をアップデート。

ヤマハのスーパースポーツTZF-R1M/R1に2022年モデル
YZF-R1M(2022年モデル)のサイドビュー

また、MotoGPなどで活躍するワークスマシン「YZF-M1」のカラー、通称「ヤマハブルー」をイメージした青が入る面積を増加。ヤマハのレーシングスピリットをより感じられる色調となっています。

一方、スタンダード仕様のYZF-R1 ABSにはR1Mと異なる色合いで、ヤマハの新世代レーシングスピリットを表現したブルーを採用。

さらに、造形美を際立たせるダークトーンのローコントラストにより、モダンさも演出したブラックの2色を設定します。

ヤマハのスーパースポーツTZF-R1M/R1に2022年モデル
ヤマハ・YZF-R1(2022年モデル)のブラック

価格(税込)は、YZF-R1M ABSが319万円、YZF-R1 ABSが236万5000円で、前述の通り、2022年1月28日に発売されます。

●ワークスマシン「YZR500」がモチーフ

そして、注目の限定モデル「YZF-R1 ABS WGP 60thアニバーサリー」。

これは、YZF-R1 ABSをベースに、前述の2輪最高峰レースMotoGPの前身、WGP(ロードレース世界選手権)参戦60周年を記念したカラーを採用した仕様です。

ヤマハのスーパースポーツTZF-R1M/R1に2022年モデル
通称「白赤ストロボ」カラー採用

ヤマハは、1961年のフランスGPからWGPに初参戦。1963年には初優勝も果たし、その後も長い年月で数々の活躍を披露。バレンティーノ・ロッシ選手、ケニー・ロバーツ選手、ウェイン・レイニー選手など多くの有名ライダーも輩出し、今まで(2021年10月初旬時点)517もの勝利を手にしています。

また、ライダー、コンストラクター、チームの各タイトルを獲得した合計は82回にものぼり、今では2輪モータースポーツ界において最もよく知られ、最も成功したブランドのひとつとして世界中に知られています。

そんなヤマハの2輪最高峰レースにおける栄光を記念した限定モデルでは、1980年のワークスマシン「YZR500」をモチーフとした伝統のカラーリングを採用。

ヤマハのスーパースポーツTZF-R1M/R1に2022年モデル
、WGP参戦60周年記念エンブレムも装備

白地のボディに、ストロボが点滅するかのような断続する赤のラインを入れたグラフィックは、ファンの間で「白赤ストロボ」と呼ばれるほどの人気。

今までも、レーシングマシンだけでなくヤマハ市販車の多くにも採用されており、昔をよく知るヤマハ好きには、まさに垂涎のカラーなのです。

ほかにもこのモデルには、WGP参戦60周年記念エンブレム、ゴールドカラーのホイール、ブラック仕上げとしたブレーキレバー・クラッチレバーなども装備。記念モデルに相応しい、スペシャルな仕様となっています。

なお、この記念モデルは限定生産で、2021年10月8日(金)〜2021年11月8日(月)の期間に受注した台数だけが作らます。発売日は2022年2月28日、価格(税込)は247万5000円です。

ヤマハのスーパースポーツTZF-R1M/R1に2022年モデル
WSBKの第9戦カタルニア大会に参戦した「白赤ストロボ」のワークスマシン

ヤマハは、2021年シーズンのレースでも、同様の「白赤ストロボ」カラーを施したYZF-R1ベースのワークスマシンを投入しています。

市販車で競う世界最高峰レース「WSBK(スーパーバイク世界選手権)」の第9戦カタルニア大会(スペイン)、格式ある耐久レース「EWC(世界耐久選手権)」では、伝統の第3戦ボルドール24時間耐久レース(フランス)で活躍しました。

ヤマハのスーパースポーツTZF-R1M/R1に2022年モデル
全日本ロードレース選手権JSB1000でも白赤ストロボが登場(写真は中須賀克行選手)

また、国内でも、全日本ロードレース選手権の最高峰クラス「JSB1000」シリーズで走らせ、「白赤ストロボ」を駆る中須賀克行選手が、見事に年間チャンピオンにも輝いています。

まさに2021年のレーシングマシンとリンクしたYZF-R1の「白赤ストロボ」仕様。ヤマハや昔からのレースファンには大注目の仕様です。

なお、これらモデルは、YSPおよびアドバンスディーラーのみで販売する「ヤマハモーターサイクル エクスクルーシブモデル」です。購入についてはヤマハWebサイトに掲載されている取扱店まで問い合わせて下さい。

(文:平塚 直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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