ヤマハがスーパースポーツ「YZF-R1」と「YZF-R6」のレースベース車を発売。予約期間限定の受注生産

■ロードレース参戦用マシンの受注を開始

ヤマハは、9月17日、スーパースポーツの1000ccマシン「YZF-R1」と、600ccマシン「YZF-R6」をベースとしたレースベース車を発売することを発表。ロードレース参戦用のベースマシンとして毎年発売されている、各モデルの2022年シーズン分の予約受付を期間限定で開始しました。

ハヤマがスーパースポーツ「YZF-R1」と「YZF-R6」のレースベース車を発売
ヤマハ・YZF-R1レースベース車

●MotoGPマシンの技術を投入

YZF-R1とYZF-R6は、ヤマハが世界最高峰2輪レースのMotoGP参戦などで培った技術を投入したスーパースポーツモデルです。

ヤマハがスーパースポーツ「YZF-R1」と「YZF-R6」のレースベース車を発売
MotoGPマシンのノウハウを注入(写真手前はヤマハワークスのファビオ・クアルタラロ選手)

R1には200psを発揮する997cc・水冷4スト4気筒エンジンを搭載。スタンダード仕様で201kg、よりハイパフォーマンスなR1Mで202kgという超軽量な車体と相まって、トップクラスの動力性能を誇ります。

一方のYZF-R6は、最高出力118psの599cc・水冷4スト4気筒エンジンを採用。こちらはさらに軽量な190kgという車体重量で、キビキビとした俊敏な走りが魅力のモデルです。

ちなみに、R6は、基本的には欧州や北米などの海外専用モデル。日本では逆輸入車のみが販売されていましたが、欧州や北米でも2020年モデルを最後にラインアップから消えてしまっています。

つまり、YZF-R6に関しては、今回発売されるレースベース車のみが手に入るということになります。

●レース向け電子制御システム採用のYZF-R1

受注が開始された2モデルのうち、YZF-R1レースベース車は、2021年モデルのYZF-R1をベースに、レースなどサーキット用途に配慮した仕様です。

ヤマハがスーパースポーツ「YZF-R1」と「YZF-R6」のレースベース車を発売
ベースとなったのは公道仕様のYZF-R1

基本的には、2021年に発売されたレースベース車と同様に、APSG(アクセル開度センサーグリップ)を織り込んだYCC-T(電子制御スロットル)や、EBM(エンジンブレーキマネジメント)、BC(ブレーキコントロール)などの電子制御システムを採用しています。

また、購入特典としてサーキット走行専用部品の「ワイヤーハーネスセット」と「ECU」(F.I.マッチングソフトウェア含む)が付属。

ボディカラーはブラックメタリックXのみで、価格(税込)は225万5000円です。

●欧州仕様がベースのYZF-R6

一方、YZF-R6レースベース車は、公道向け仕様としてが最終となった2020年モデルのYZF-R6(欧州仕様)がベースで、R1と同様にレースなどサーキット用途に配慮した装備を搭載します。

ハヤマがスーパースポーツ「YZF-R1」と「YZF-R6」のレースベース車を発売
ヤマハ・YZF-R6レースベース車

たとえば、トラクションコントロールシステムやクイックシフターなどの電子デバイス、また、上位モデルのYZF-R1レースベース車(2019年モデル)と同型のフロントサスペンション、フロントブレーキなどを採用しています。

こちらのボディカラーはマットダークグレーメタリック6で、価格(税込)は124万3000円です。

購入特典として、サーキット走行専用部品の「ワイヤーハーネスセット」と「ECU」(F.I.マッチングソフトウェア含む)が付属されるのもR1と同様です。

なお、両車ともに国土交通省の認定を受けていないため、ナンバープレートを取得できず、公道走行は不可です。

●2022年シーズンの活躍に期待!

YZF-R1およびYZF-R6の予約受付期間は、2段階で行われます。

まず、第1次が2021年9月17日〜9月30日(車両・キットパーツ納期は2022年2月28日より順次)。第2次は2021年10月1日〜11月30日(車両・キットパーツ納期は2022年4月よ下旬より順次)。いずれも予約数に応じた受注生産になります。

ヤマハがスーパースポーツ「YZF-R1」と「YZF-R6」のレースベース車を発売
全日本ロードレース選手権JSB1000クラスで2021年チャンピオンとなった中須賀克行選手のワークスマシンもYZF-R1がベース

YZF-R1のレース車両といえば、たとえば全日本ロードレース選手権では最高峰のJSB1000クラス、YZF-R6の場合は、ST600クラスなどで多くのライダーが活躍しています。

2022年シーズンも、これらレースベース車を元に製作されたレーシングマシンたちが、大暴れすることが期待できますね。

(文:平塚直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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