■Subaru Performance Transmission搭載車には「VTD(Variable Torque Distribution)」も用意
スバル新型WRXがアメリカで2021年9月10日(現地時間)に世界初公開されました。初代はインプレッサWRXとして1992年に日本に投入され、アメリカへのWRX導入は2001年になってから。新型は、車名からインプレッサの名が外れてから2代目、インプレッサ時代も含めると5代目を数えます。
初代以来、4世代が受け継いできたWRXらしさを新型WRXも継承。次なるステージに進むべく、パフォーマンスカーとしての価値、そして実用的なセダンとしての価値を革新的に進化させたとしています。世界的にセダン市場がシュリンクする中でもBMW M3セダンやメルセデスAMG C63などのモンスターモデルは根強い支持を集めています。
まず、気になるのはパワーユニットでしょう。新世代の「SUBARU AWDパフォーマンスカー」を名乗る新型WRXには、優れたレスポンス、鋭い加速性能を実現したという2.4Lの水平対向4気筒直噴ターボエンジンが積まれています。プラットフォームはもちろん、「SGP(スバルグローバルプラットフォーム」で、最新のスバル各モデルと同様に、フルインナーフレーム構造により高剛性化されたボディとシャシーを採用。持ち前のスポーティな走りと動的質感が大きく進化したそう。
さらに、新制御のソフトウェアで変速レスポンスが大幅に高められたという「Subaru Performance Transmission(スバル パフォーマンス トランスミッション)」、好みに応じてクルマのキャラクターを大きく可変できるドライブモードセレクト、新世代「アイサイト」なども新たに用意されています。
画角を拡大した新世代アイサイトは、「Subaru Performance Transmission」搭載車に標準装備。電動ブレーキブースターを組み合わせることで、プリクラッシュブレーキの作動領域をさらに拡大し、交差点での衝突回避をサポートします。さらに、ステレオカメラの広角化によって認識範囲が拡大され、従来型では先行車を捕捉できなかった急なカーブでも追従走行を継続する他、割り込み車両もより早いタイミングで認識できるそう。
また、この2ペダルの「Subaru Performance Transmission」搭載車には、走りの楽しさをさらに引き出すスポーツ変速制御が採用され、Dレンジでの走行中も、加減速の操作に応じて素早い変速レスポンスが得られるそう。さらに、Subaru Performance Transmission搭載車のAWDシステムは、AWDならではの高い走行安定性とスポーティなコーナリングを両立する「VTD(Variable Torque Distribution)」も備わります。
さらに、ドライブモードセレクト機能を備えたグレードでは、LSDトルクを制御することで、さらに回頭性を高めるAWDスポーツモードも設定されます。刺激的な走りはもちろん、安心して運転を楽しめる高い安全性、普段使いしやすい使い勝手などを兼ね備えたハイパフォーマンスセダンに仕上がっているのは間違いないでしょう。
新型WRXの米国仕様車は、2022年に販売が開始される予定。気になる日本導入時期のアナウンスはまだありませんが、日本にも2022年中に投入されるのを期待したいところです。
(塚田勝弘)