■ステーションワゴンの使い勝手の良さと、SUVの走破性を備えたモデル
メルセデス・ベンツの主力モデルであるCクラスは、2021年6月に日本でもセダンとステーションワゴンが発表され、8月下旬には先行予約も開始されます。
ドイツ・ダイムラーは、新型Cクラスに、ロードクリアランスを高めて「4MATIC」四輪駆動を標準化したワゴン派生型クロスオーバーモデルの「Cクラス・オールテレイン」を追加すると発表しました。
従来型のステーションワゴンではオフロード走行に向かず、一方でSUVでは車高が高すぎると感じている層のために投入されるモデルです。
ワゴン派生型クロスオーバーモデルは、ややニッチなマーケットではあるものの、メルセデスではEクラス・オールテレイン、海外勢では先駆者的存在のアウディ・オールロードクワトロ(A4、A6)、ボルボ・クロスカントリー(V60やV90)、そして新型が間もなく登場する老舗のSUBARUレガシィ・アウトバックなど、過去も含めていくつかのモデルがあります。
新型Cクラス・オールテレインは、最新のデザインや走り、装備を用意するのはもちろん、日本にも導入されれば、Eクラス・オールテレインよりもボディサイズ、価格の面でもより日本市場にマッチしそう。
なお、欧州仕様の全長は4mm長くなり4755mm。また、ホイールアーチライニングにより、全幅は21mm拡大して1841mmになっています。ロードクリアランスが約40mm高くなったことで、車高は1494mmになっています。
タイヤサイズは225/55R17(7.5Jx17)が標準で、オプションとして245/45R18(8Jx18)と245/40R19(8Jx19)を設定。
このように、新型Cクラス・オールテレインは、ステーションワゴンよりも約40mm高いロードクリアランスが与えられ、「4MATIC」の4WDの標準化、2つのオフロード走行モードを備えています。大径タイヤにより、未舗装路などでも軽快な走りが可能になるそう。
荷室容量は490〜1510Lが確保され、後席バックレストは「40:20:40」の分割可倒式を採用。
標準装備になる「EASY-PACK」テールゲートは、イグニッションキーのスイッチ、運転席ドアスイッチ、またはテールゲートのリリースハンドルを使って、ボタンひとつで簡単に開閉することができます。
エクステリアには、特徴的なラジエーターグリル、専用バンパー、前後アンダーガード、マットダークグレーのホイールアーチライニングなどを装備。さらに、新型Cクラスと同様に、48Vマイルドハイブリッドを使った効率的な4気筒エンジン、適応性と直感性に優れた対話型インフォテイメントシステムの「MBUX」、最新世代の運転支援システムなど、新型Cクラスのハイライトが盛り込まれています。
オプションの「デジタル・ライト」には、専用オフロードライトも含まれています。パワーユニットはガソリンエンジン、ディーゼルエンジンが搭載されています。
前者には、第2世代の「スターター・ジェネレーター(ISG)」が内蔵された新しい「M254」型の4気筒ガソリンエンジンを採用されています。短時間であれば、内燃機関の出力を電気的に最大15kWまで上げることが可能。後者にもマイルドハイブリッドを搭載。
「OM654M」型の4気筒ディーゼルエンジンにも第2世代のスタータージェネレーターと48Vの電気システムが内蔵されています。
新型「Cクラス・オールテレイン」は、2021年9月にミュンヘンで開催されるモーターショーでワールドプレミアを迎え、今年後半にヨーロッパに導入される予定となっています。
(塚田勝弘)