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■いろいろあって、ホントに大変だったけど…結果、初優勝!
●優勝にはなったけど、でも、素直には喜べない…戦って勝ちたかった(井出有治)
2021年7月31日(土)~8月1日(日)に大分・オートポリスにて行われた『スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook』第4戦TKUスーパー耐久レース in オートポリス。クリッカーのテストドライバーで元F1レーサー・井出有治さんが参戦する最高峰クラスST-X「Floral Racing with ABSSA/#290 Floral UEMATSU FG 720S GT3(マクラーレン 720S GT3)」は結果、初優勝を飾ることができました!
マクラーレン720S GT3としてもS耐初参戦ということで詳細データのない中、第1戦もてぎは2位、第2戦SUGOは3位、そして第3戦富士24時間も3位と、全戦表彰台に上がってはいます。が、唯一、優勝だけがありません。
では、最後に最高の「オチ!?」があったオートポリス戦を振り返りましょう。
●困難を乗り越え、予選は2位!
2位、3位、3位と続いた#290 Floral UEMATSU FG 720S GT3のスーパー耐久レース挑戦。今度こそ!と挑んだ第4戦オートポリスでした。が、レース前からチームにいろいろなことが起こり…。
Aドライバー・植松忠雄選手がコロナウイルスに感染してしまい、不参加に。Dドライバー・井出選手も数週間前にカートで痛めた肘が完治せず、レーススピードでの連続走行は不可と判断。ドライバー登録はせずアドバイザーに徹することになってしまいました。
Aドラ・植松選手の代役には、2018年&2019年のST-Xクラス2年連続シリーズチャンピオンの浜野彰彦選手を起用し、Bドライバー・澤圭太選手と挑んだ予選は、#16ポルシェセンター岡崎911GT3Rに続き2位というまずまずな好位置につけました。
●スタート直後、天候に泣かされた波乱のレース展開
山間部に位置するオートポリスといえば、雨と霧とは切っても切れない、天候に左右されるコースとして有名です。実際、私も3回に2回は雨&霧でDRAGレース中止…なんて経験も。
さて、レース戦略は2ストップ作戦! タイヤマネージメントをし、ガソリンもセーブして走れば十分、可能です。そしてスタートドライバーは若手のエース、Cドラ・川端伸太朗選手に託します。
しかし、大方の予想どおり、スタート時からの雨&霧はだんだんと強くなります。2周めでトップに立った川端選手ですが、早くもその2周めでセーフティカー(SC)出動。7周目で解除になったものの、翌周には再度SCが。11周めには赤旗中断、1時間強のコース上待機に。
12時49分ごろ、SC先導で再スタート! と同時に、2&3番手を走るライバルの#81 DAISHIN GT3 GT-Rと#777 D’station Vantage GT3はピットに入りドライタイヤへ交換。乾きつつある路面を考えればドライに換えたいところですが、#290 Floral UEMATSU FG 720S GT3はそのままトップで走行を続行。
●3番手の澤選手、ファステストラップも出しながら追いかける!
16周めにピットイン、Bドラ・澤選手へ交代、タイヤも交換です。ピットアウト後はクラス6番手へ下がったものの、毎周順位を上げ、22周めには3位へ。このとき、トップは#81、2番手は#777。先を行くこの2台は、赤旗解除と同時でのピットインだったため、1分ほどの差をつけられながらも、そこは想定内。
26周め、澤選手はこの日のファステストラップとなる1分52秒021を記録しながら、54~58秒差で#777を追います。後続は#31 LEXUS RCF GT3、27秒から50秒へと差を広げていきます。
51周めあたりになるとさすがにタイヤがキツくなってきたのか、#777との差は1分以上に…。57周めに#81と#777のピットインにより59周めには暫定トップへ。62周めにフルコースイエロー(FCY/全車50km/h制限)、同周に解除。FCY前には15秒差をつけていた後続#81に、8秒544差にまで詰められたところの64周めで#290ピットイン。再度、川端選手へとドライバー交代です(赤旗により時間短縮となったため、「ジェントルマンドライバー要走行縛り」がなくなった!)。
時間は14時32分、残り1時間半をノンストップで走り切る作戦です。赤旗解除後には天候も回復、気温は…雨上がりで蒸しムシ暑い! トップを走る#81との差は1分以上…ウ~ン。
しかし! 2番手#777とは、57秒差からほぼ毎周0.5秒ずつ詰めていき、41秒差までに縮まった88周めに#777がピットインして2番手へ浮上! その後、後ろに回った#777が余裕のガソリンで20秒、15秒、5秒、3秒…と攻めてきます。タイヤはツラいわ燃費も気になるわ…。それでも川端選手は1分54~57秒台で周回、トップの#81と19秒差までは詰めた…というか、諦めない熱い走りをみせ、そして16時07分、5時間レースGOAL! #290 Floral UEMATSU FG 720S GT3はST-Xクラス&総合で2位となりました。
●2位でゴールも、暫定→正式結果で1位確定へ!
コロナ療養中のAドラ・植松選手にも報告し、2位表彰式も終わり、ピットを片付け、井出さん他、彦田訓昌監督も帰路についていた、その時!
「繰り上げで優勝です!」との連絡が。
1位でゴールした#81 DAISHIN GT3 GT-Rが「Super Taikyu Series 2021 BULLETIN NO.2021-18(車両規定違反:ウェイトハンデ重量不足)」で失格になってしまったとのこと。スーパー耐久YouTubeでレースを見守っていた私も、あら、まぁ!な感じ。それでも#290は念願の初優勝!! おめでとうございます(嬉)!
速報を送ってくれた井出有治さんに聞いてみました。
●1位になったのは嬉しいけど、戦って勝ちたかった…
「2位おめでとう!」と、連絡を取り合っていた井出有治さんから再度連絡が。
「優勝になりました」(井出)と。は? どーした? 何があった??
「もちろん、優勝になったのはシリーズポイント的にも嬉しいんですけど。
でも…ボク、嬉しくないです。人の不幸(#81の失格)があっての優勝なんて…。
それに、勝負には負けたわけですし。あくまでもコース上でレースを戦って、そして勝ちたいです…」(井出)。
井出さんらしいコメントで、なんだかとても考えさせられました。#81は井出さんも可愛がっている後輩、藤波清斗選手がドライブしているマシン。ライバルとはいえ、失格という最悪な判定での繰り上げ優勝では、レースを「戦って」勝ったとは言えないという井出さん。
「ボクは今回、怪我の影響でレースを走らず、アドバイザーとしての参戦。レース後半は燃費との戦い。ラスト5分はドキドキで、走ってもいないのにクタクタ。あと1周あったらガス欠ストップでしたね(汗)。それでもチームのみんなが最後まで諦めずに本当に頑張りました。
次の鈴鹿ではウェイトハンデも大きくなりますが、『本当の勝利』を手に入れられるようにみんなで頑張ります!」(井出)。
それでも、今回の初優勝という結果は、コロナ療養中の植松選手にとって、復帰へのパワーに繋がったのではと思います。
今年のスーパー耐久レースも残すところあと2戦。第5戦 SUZUKA S耐[三重県・鈴鹿サーキット/9月18日(土)~19日(日)]と、第6戦 スーパー耐久レース in 岡山[岡山県・岡山国際サーキット/11月13日(土)~14日(日)]です。
ST-X「Floral Racing with ABSSA/#290 Floral UEMATSU FG 720S GT3(マクラーレン720S GT3)」のシリーズポイントは第4戦オートポリス終了時で2位に浮上(手計算)! シリーズ優勝だって見えてきましたね!!
そして、下の動画は3位となった前戦の第3戦・富士24時間のもの。長く熱いレースを振り返ってみて下さい!
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【関連リンク】
井出有治オフィシャルwebサイト
https://www.yuji-ide.com/
Floral Racing channel
https://www.youtube.com/channel/UCQqPHs5ia7ehJ2Pg4udHt7Q