スプリントレース予選でモヤっとしたイギリスGP。私の心を癒してくれたのは、あの人!【F1女子のんびりF1日記】

■新たな試み、スプリントレース予選

2021年F1第10戦イギリスGP(7/16〜18)が終わりましたね。今回も楽しかった! けど、なんだかモヤモヤというか、いつもと違う不思議な感覚です。

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さすが母国。ルイス・ハミルトンのファンがたくさん(2021年イギリスGP)

というのも、普段はグランプリウィークは金曜日にフリー走行1&2、土曜日にフリー走行3&予選、日曜日に決勝という流れですが、今回は新たな試みとして決勝のスターティンググリッドを決めるために土曜日に通常レース(305km)の1/3、100kmのスプリントレースを開催。

さらに金曜日には、そのスプリントレースのスターティンググリッドを決めるための通常予選(Q1、Q2、Q3のノックアウト方式)が行われたのです。

●曜日感覚が…

金曜日。スプリントレースのための予選(あぁ、ややこしや)では、イギリス出身のランド・ノリス(マクラーレン)、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)がQ3進出で大盛り上がり! 最近この2人、良い走りしていますよね。

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良い笑顔!(2021年イギリスGP)

そしてイギリスの英雄、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がポールポジションを獲得! ここ数戦マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に良い流れがきていて、どこか元気がなさそうに見えていましたが母国でそれを断ち切ったのはさすが! でした。

予選後のインタビューでは「この光景を待っていたんだ。みんなの応援が後押しになった。チームのドリームワークの結果だね」と久しぶりに笑顔を見せてくれました。

3番手はチームメイトのバルテリ・ボッタス。2番手はフェルスタッペンだったのですが、フェルスタッペンの「これ、まだスプリントレースの予選なんだよね。ちょっと奇妙な感じ」とコメントしているのを聞いて、「そうだ!今日はまだ金曜日だった!!」と我に返りました。

「明日のレース楽しみだなぁ」なんてのんきに思っていたけれど、これはまだスプリントレースの予選。子育てをしていると曜日感覚が分からなくなってF1で確認する日々だっただけに、もう頭の中ぐっちゃぐちゃです(汗)。

●スプリントレーススタート!

土曜日。いよいよスプリントレース予選のスタートです。周回数は17周。タイヤ選択は自由で交換義務はなし。履いているタイヤは結構バラバラで最後までもたせるのか、それともピットストップをするのか、各チームどのような戦略で挑むのかワクワクしてきたぞ〜!

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フェルナンド・アロンソ(2021年イギリスGP)

そういえば、皆さん気づきました? スターティンググリッド紹介のドライバーの写真が通常と違う事を。個人的にはフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)のどや顔がたまりませんでした(笑)。

そんなアロンソは、スタートで11番手から5番手までジャンプアップ! するすると前のマシンを抜いていくワールドチャンピオンの走りに、大興奮でした。

結果はスタートで好加速を決めたフェルスタッペンが逃げ切り、優勝。 2番手ハミルトン、3番手ボッタスとなりました。どのドライバーも最後までタイヤをもたせ、ピットストップもなし。はじめはスプリントレース、意外に面白いかも!なんて思っていましたが、いざ終わってみると、う〜ん。

もし今後もやるのなら全戦ではなく、たまにで良いかな。ハミルトンの暗い表情を見ていたら、「何のための予選だったのだろう?」と思ってしまったんですよね。

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インタビュートラックからファンに手を振るハミルトン。笑顔がありません・・・(2021年イギリスGP)

もちろんスタートのドキドキ感をを2回味わえるのはお得な感じがして(例えて言うなら、ハッピーターンの幸せパウダー増量中みたいな)、プチハッピーにはなれたのですけれどね。

良いなと思ったのは、レース終了後のインタビューをトラックに乗ってコースを一周しながらやっていたこと! ドライバーズパレードみたいで最高!! これは毎戦続けてほしいな、と思いました。

●激しいクラッシュにひやり

日曜日。昨日(土曜日)でレースが終わった感じがしていたので不思議な感覚のままレースが始まったのですが、スタートからハミルトンとフェルスタッペンの激しいバトルが勃発して目が覚めました!

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マックス・フェルスタッペン(2021年イギリスGP)

何度もサイドバイサイドになる中、1周目のターン9でまさかの接触。フェルスタッペンがコースオフし、バリアに激しくクラッシュしてしまいました。

自力でマシンから降りるも、フラフラしてる…。51Gの衝撃だったそうです。即病院に搬送されましたが、大丈夫と本人のSNSで報告があって一安心でした。

どちらも「トップは譲れない」という強い気持ちが相まって起きてしまったアクシデントかなと思いましたが、スプリントレース予選がなければハミルトンも、もう少し冷静にいられたのではないかとも思ってしまいました。たらればの話なんですけどね。

●メルセデスのチームオーダー

このクラッシュによりハミルトンは2番手まで順位を落とし首位シャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手ボッタス、4番手ノリスとなりました。

さらにハミルトンに10秒加算ペナルティが科せられ、28周目のタイヤ交換時にペナルティを消化。私たちの生活する上ではあっという間に終わる10秒が、永遠に続くかのように感じたなぁ。コンマ1秒を争うF1にとって10秒加算は致命的。ノリスの後ろで復帰しました。

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決勝スタートシーン(2021年イギリスGP)

それでも諦めないのがハミルトン。31周目にノリスをパス! 前の2台を追いかけます。一方、ボッタスはルクレールとの差が縮まらず「このペースだとタイヤが持たないのでは」と、不安そう。

すると40周目にチームオーダー発令。ターン15でボッタスに追いついたハミルトンを前にいかせました。いや、分かる。ハミルトンのほうがペースは良いし(母国だし)、ルクレールを抜くにはこの戦略が最適だったと。

でも、すぐ目の前にルクレールがいれば理解できるのですが8.8秒前方にいたし普通にバトルさせてはダメだったのかなぁ。ボッタスが可哀想と思ったのは私だけでしょうか?

●ボッタス、良い人すぎない?

その後、ハミルトンはファステストラップを記録しながらルクレールにどんどん近づいていきます。そしてラスト2周となった50周目のターン9で、ルクレールが縁石に乗って挙動を乱しコースオフ! ハミルトンが首位に躍り出ました!! これにはスタンドのファンも総立ちで、拳をあげて大喜びです。

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決勝後、お互いを讃え合うハミルトンとボッタス(2021年イギリスGP)

ルクレールは追いつくことができず、ハミルトンが第4戦スペインGP以来の優勝! スプリントレース予選でフェルスタッペンに負け、決勝スタート時に接触しペナルティを科せられたとは思えないくらい、素晴らしい走りでした(正直勝てるとは思わなかった)。

レース終了後、マシンを降りたボッタスがタイヤに座ってハミルトンを待っているではありませんか! チームオーダーを出されて悔しかっただろうに…。

さらにインタビューでは「ロングスティントになって大変だったけど、優勝につなげられて良かった」とコメントするし、どれだけ良い人なの〜。メルセデスさん、ぜひ来シーズンもボッタスをよろしくお願いします(切実)。

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シャルル・ルクレール(2021年イギリスGP)

結果は優勝ハミルトン、2番手ルクレール、3番手ボッタス。ルクレールもよく頑張りましたよね。

レース後の無線では放送禁止用語連発でめちゃくちゃ悔しそうでしたが、最後にチームに「良いクルマをつくってくれてありがとう」と言うところがス・テ・キ☆ インタビューでは「楽しめた。200%出し切れたし、優勝争いができて良かった」とやりきった顔をしていたのも印象的でした。

●大好きなジェンソン・バトンがきた〜!!

と、ここまで色々書きましたが個人的イギリスGPのハイライトは、何と言っても大好きなジェンソン・バトンがインタビュアーとして活躍していたこと!

声は聞こえてもTVに映るのは後ろ姿だけということが多いのですが、今回は顔も映って大興奮!! スーツ姿、最高にかっこよかったなぁ。

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大好きなジェンソン・バトンと(2019年SUPER GT富士)

スプリントレース予選でモヤっとしたイギリスGPでしたが、その姿が映る度、心が癒されました。ありがとう、バトン。ありがとう、カメラマン!

F1ドライバーはみんなかっこいいけれど、やっぱりバトンは格別。私の永遠のヒーローですっ!!

(yuri)

この記事の著者

yuri 近影

yuri

2006年のF1日本GPを観に行ってから、どっぷりF1&ジェンソン・バトンにはまってしまったF1女子。F1が大好きですが、車の運転は下手(小林編集長お墨付き)、メカニズムも苦手、だけどドライバーの知識と愛だけは自信あり! もっと気軽にF1を楽しんでもらいたい、好きになってもらいたいという気持ちで執筆活動をしています。
趣味はバトンの追っかけと、F1海外観戦。現在は新米ママとして子育てに奮闘しながら、のんびり記事を更新中。あたたかーい目で見守っていただけると嬉しいです。
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