任意保険料の決め方とは?規定の保険料をベースに等級や年齢、走行距離などを考慮【バイク用語辞典:保険・税金・維持費編】

■保険料は、事故を起こした、起こしそうなライダーほど高くなる

●交通事故の発生リスクの大きさで区分する様々な保険料制度が存在

任意(バイク)保険の保険料は、補償内容と補償額によって決まるのが基本です。それをベースに、交通事故の発生リスクやバイクの使い方などを考慮して最終的な保険料が決まります。

任意保険に組み込まれているさまざまな保険料制度について、解説していきます。

●ノンフリート等級制度

任意保険の基本保険料は、補償内容と補償額によって決まりますが、その他にもさまざまな条件設定で料金は変わります。

ノンフリート等級制度は、事故実績で決まる1等級から20等級までのどれに該当するかで、年間保険料と割引率が決まる制度です。初めてバイクを買って契約した場合は、6等級からのスタートになります。1年間無事故で保険を使わなければ、次年は7等級となり保険料が下がり、逆に事故で保険を使うと保険料が上がります。加入から15年間無事故で保険を使わなければ20等級となり、割引率は63%になります。

事故を起こさないと安全なライダーと判断され、保険料が下がる仕組みです。軽微な事故なら、保険を使わずに自費で修理代など補償金を払った方がその後の保険料が上がらず、長い目で見て保険料の総額が安くなることがあります。このような場合、保険を使うか、使わないか悩むところです。

●年齢条件と家族限定

次に比較的保険料への影響が大きいのが、年齢条件です。一般的には、以下の4種類の年齢条件に設定されています。

・全年齢補償

・21歳以上補償

・26歳以上補償

・35歳以上補償

年齢条件で若い人を除外すると、保険料は安くなります。若い人は、事故を起こすリスクが高いと判断されるのです。

また任意保険では、運転者の範囲を限定することで保険料を下げることができます。設定は、保険会社によって多少異なりますが、以下の3つに区分されます。

・家族限定特約:記名被保険者とその家族に運転を限定

・本人・配偶者限定特約:記名被保険者とその配偶者に運転を限定

・本人限定特約:記名被保険者のみに運転を限定

運転者の範囲を狭めるほど、保険料は安くなります

●走行距離別保険料

バイク保険では、走行距離が多ければ多いほど、それだけ事故に遭うリスクが高いという考え方で保険料が上がる制度です。したがって、頻繁にツーリングするライダーやバイクで通勤する人は保険料が高くなります。

保険料は、距離で区分するのが一般的ですが、区分の仕方は保険会社によって異なります。走行距離の決め方は、過去1年間の走行距離を基準にする、初年度は保険会社が基準の走行距離によって保険料を決めるのが一般的です。

●排気量別保険料と免許証の色による差

排気量が大きいバイクはスピードが出やすいので、それだけ事故が起きやすいという判断から排気量が大きいバイクの保険料は高くなります。排気量が125cc以下と125cc超で分けるのが、一般的です。

またバイクもクルマ同様、5年間の無事故無違反のゴールド免許を保有しているライダーは、事故を起こすリスクが低いと判断され、基本的には保険料が安くなります。


任意保険は、保険料と補償の範囲のバランスをどう取るかが、悩ましいところです。一方で年齢条件や家族限定は、思い切って運転する人を限定すれば保険料を安くできるので、今一度検討し直す価値はあると思います。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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