■伊IEDとのコラボで具現化されたタンデム・スポーツ
スズキが伊IEDと共同開発した2シーター・オープンスポーツ、「ミサノ(Misano)」を公開しました。
同車のネーミングはイタリアの名サーキットであるミサノ・ワールド・サーキット(Misano World Circuit)に由来しており、その最大の特徴は乗員席がタンデム仕様になっているところ。
4輪車と2輪車双方を手掛けるスズキならではコンセプトモデルで、車体の左側にドライバー席と同乗席がバイクのように縦一列に配置されており、右側には、パワートレーンのバッテリーパックやラッゲージスペースを配置。足元にはブラック&ブロンズで彩った大径のOZ製アロイホイールを装着。
オープンモデルの運転席前方にはバイク風のウインドシールドが設けられており、スズキをイメージしたS字に発光するLEDヘッドライトや、後席背後に設けられたロールバー、車体側面のダイナミックな面構成やドア下半分のクリア構造、車体後部の放熱が目的とみられるメッシュ状のグリルなど、斬新なデザインが目を惹きます。
ちなみにボディサイズは、全長4,000mm、全幅1,750mm、全高1,000mm、ホイールベース2,600mmと、ほぼスイフトクラス。
スズキがヨーロッパ・デザイン学院「IED(Istituto Europeo di Design)」に依頼して製作されたもので、昨秋にプロジェクト着手後、スズキのデザインセンターとIEDの取組みにより半年間ほどで完成。
同モデルは5月15日から6月6日まで、イタリア・トリノの国立自動車博物館に展示されるそうです。
IEDは、1966年に伊ミラノに設立されたヨーロッパ最大級のデザイン専門学校で、イタリア国内の他、スペインやブラジルなどに7つの分校を持っており、世界70ヵ国以上の国から7,000名/年の学生が集まるそう。2年間に渡る企業とのコラボレーションでトレーニングを終えた学生は1:1スケールモデルを完成させた後、プロデザイナーへの道を歩むことになります。
スズキはそんなIEDの若いデザイナー達に、1960年公開の伊映画La dolce vita(ラ・ドルチェ・ヴィータ)に描かれた大人のアバンチュールをイメージしてデザインするよう依頼。製作にはイタリアのほか、フランスやスペイン、ベルギー、インドなど多国籍の修士学生24人が参画。
スズキの「ミサノ」に対する本気度は不明ながら、90年代にはボディにアルミニウム材を採用した本格派軽量オープンスポーツ「カプチーノ」を世に送り出した同社だけに、現在も復活を望む声が絶えない次期モデル登場に向けた前兆の可能性も。
世界的な環境規制強化を背景に電動化が進む中、EV版オープン・スポーツ登場の可能性も含め、スズキの今後の動向が注目されます。
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