■「ショーファードリブン」として後席の快適性を追求
マイナーチェンジで実施したフロント廻りの意匠変更が奏功し、2020年9月に月販1万台を突破。その後も今年に入り、1月が10,011台、2月が10,107台、3月が13,986台と販売を伸ばし続けるトヨタの人気ミニバン「アルファード」。
押しの強いフロントマスクや、豊富なバリエーション、ゆったりとした室内スペースなどがウケているようです。
一方、海外に目を向けると“ラグジュアリー・ムーバー”を名のる同車の姉妹モデルが存在します。
アジア市場向けに昨2020年2月に投入されたレクサス初のミニバン「レクサス LM」がそれで、アルファードをベースに内外装をレクサス品質化すると共に、ショーファードリブンとして後席の快適性を追求。車内の静粛性についても向上しており、正にリムジン仕様となっています。
同車のフロントマスクには、レクサスのトレードマークである「スピンドルグリル」を装備。ヘッドランプはL字型DRLが印象的なデザインに改められており、リヤドアにはアクセントモールを設定。
またリヤまわりでは横一文字に発光するハリアー風の左右連続したテールランプや、流れるシーケンシャル・ウインカーを装備するなど、魅力的な仕様になっています。
2.5L直4エンジン搭載のHVモデルをラインナップ。車両サイズは全長5,040×全幅1,850×全高1,945mmで、ホイールベースが3,000mmと、外装部品の意匠差により、フロントオーバーハングがアルファード比で90mmほど長くなっています。
基本メカニズムはアルファードに準じていますが、専用のスイングバルプ内蔵式ショックアブソーバーの採用などにより、優れた乗り心地を実現しています。
注目はインテリアで、「ロイヤルエディション」(4人乗り)の場合、前・後席間に設定されたパーテーションに26インチの大型ディスプレイを装備しており、ブルーレイディスク再生のほか、様々なメディアに対応。
マークレビンソン製のハイエンド・サウンドシステムを搭載しており、キャビンには防音ガラスや身体を包み込むようなマッサージ機能付きの大型ハイバックシートを装備するなど、旅客機で言えば正にファーストクラス仕様。
「レクサス LM」にはパーテーション付きの2列シート4人乗り仕様のほかに、3列シート7人乗り仕様も存在。車両価格は2.5L HV仕様のLM300hの場合、パーテーション付きの4人乗り「ロイヤルエディション」が約2,440万円、パーテーション設定無しの7人乗りが約1,940万円と、こちらもゴージャスになっています。
●アルファードをレクサス顔に変身させることは可能?
ラジエターグリルやヘッドランプ等の意匠差により、フロントエンドが90mm長い分、アルファードよりスポーティ度が増しているのが外観における最大の特徴で、リヤドアのBピラー部に設けられたメッキパーツも目を惹きます。
レクサスLMとアルファードはフードパネルとリヤドア(Bピラー部)以外、板金部品は共通で、フェンダーパネルも共通。ランプ類のフィッティングに関しても互換性が有るようで、レクサスLM専用部品は以下となっています。
フロントまわり:フードパネル、フロントバンパー、ラジエターグリル、ヘッドランプ、フォグランプG/N
サイドまわり:リヤドア(Bピラー部)、アクセントモール、サイドステップ
リヤまわり:リヤバンパー、リヤコーナーパネル、テールランプ、センターガーニッシュ
そのほか:前後エンブレム等
日本では外観でトヨタ車がベースと判るレクサス車は取り扱わない方針から、現時点で「レクサス LM」の国内導入の予定は無いようですが、少数の並行輸入車が存在するほか、純正パーツを輸入販売しているプロショップもいくつか存在します。
全長差に伴う車検対応は必要ながらも、アルファードのフロントマスクをレクサス風に変身させることは不可能ではなさそう。来春のフルモデルチェンジが予想されているアルファードですが、まだまだ楽しめる要素を持ち合わせたミニバンと言えそうです。
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【関連リンク】
レクサス LM
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トヨタ アルファード
https://toyota.jp/alphard/compare/