GT500とスーパーフォーミュラ。最速の舞台に立った大津弘樹選手にプロドライバーとしての意気込みを聞いた!【SUPER GT 2021】

■日本最速のステージに上がった大津弘樹選手

いよいよ岡山国際サーキットで4月10日から開幕するSUPER GT。モータースポーツの中でも話題が豊富なSUPER GTですが、その中でも2021年に注目したいのがホンダのGT500クラスでダンロップタイヤ陣営がModulo NSX-GTの他にRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTが加わり、2チーム体制となったこと。

Modulo NSX-GT
Modulo NSX-GT

その理由の発端の一つともいえるのが、2020シーズンにダンロップタイヤを履きModulo NSX-GTで大活躍を見せた大津弘樹選手。

SUPER GT 2020第3戦の鈴鹿でModulo NSX-GTはポールポジションを得ましたが、Q1を担当した大津弘樹選手はQ1、Q2を含めたベストラップを叩き出しました。また第7戦のツインリンクもてぎでもModulo NSX-GTはポールポジションを得て、そして2位で表彰台に上がるなど、2020年にマシンとともに大津選手は大活躍を見せました。

Red Bull MUGEN Team Goh
Red Bull MUGEN Team Goh

そんな大津選手は2021年、引き続きGT500クラスのModulo NSX-GTでSUPER GTに参戦する他、Red Bull MUGEN Team Gohから念願のスーパーフォーミュラにもシーズン参戦となりました。

SUPER GTでの大津弘樹選手
SUPER GTでの大津弘樹選手

4月3日、4日に富士スピードウェイで開催されたスーパーフォーミュラの開幕戦では、日本のトップレーサーが覇を競う予選をQ3まで進出し、8番グリッドからスタートするというルーキーらしからぬ快挙を見せています。

大津弘樹選手はSUPER GTのGT500クラスとともにスーパーフォーミュラに進出したことで、日本最速のステージに上ったのです。

●大津弘樹選手、プロドライバーとして思うこと

最速のステージで並みいる強豪と戦うことを目指し、SUPER GTでは昨年から、スーパーフォーミュラでは今年からそのステージに立った大津弘樹選手。いよいよ名実ともに第一線のプロドライバーとして活躍していくこととなります。

スーパーフォーミュラでの大津弘樹選手
スーパーフォーミュラでの大津弘樹選手

そんな大津弘樹選手に4月4日のスーパーフォーミュラ開幕戦富士で、スーパーフォーミュラのこと、SUPER GTのこと、そしてプロドライバーとして思うことを聞いてみました。

Red Bull MUGEN Team Goh
Red Bull MUGEN Team Goh

「本格的にスーパーフォーミュラへ参戦したいと思いながら様々な活動をしてきましたが、まさか昨年の今頃はRed Bull体制でスーパーフォーミュラに参戦できるとは思ってもいませんでした。様々な方々にご協力いただいてのシーズン参戦です。こんな機会に恵まれたことはいくら感謝しても感謝しきれないくらいの思いです」と参戦に対しての言葉を語る大津選手。

スーパーフォーミュラでの大津弘樹選手
スーパーフォーミュラでの大津弘樹選手

「スーパーフォーミュラは全部イコールコンディションなんです。シャシーからボディカウル、サスペンション、そしてタイヤと、すべて同じものを使います。そのイコールコンディションの中で如何にマシンを仕上げてレースをするか、が重要な部分です」とスーパーフォーミュラの魅力を語ります。トヨタとホンダでエンジンが違うということはありますが、性能調整などでパワーは同一レベルとなっています。

「開幕戦の予選からQ3に進出できたことはうれしく思いますが、そのQ3のポールポジションは同じチームの野尻智樹選手でした。1分21秒台というハイレベルなタイムの中、もっと言えばQ3のポールポジションから8位のボクまで0.7秒も離れていないという激しい世界が、スーパーフォーミュラの魅力だと思います」。

Modulo NSX-GT
Modulo NSX-GT

「SUPER GTは2回のポールポジションを獲ることができ、2位表彰台もありました。ダンロップタイヤは予選のような一発の速さはあるのですが、その速さをレース距離でも生かせるようにマシンを仕上げていくのが課題です。今年のSUPER GTはMUGENもダンロップタイヤを履くので、MUGENよりも前を走っていなければなりません」と語ります。

SUPER GTでの大津弘樹選手
SUPER GTでの大津弘樹選手

SUPER GTでパートナーとなる伊沢拓也選手について「SUPER GTでの伊沢選手は、経験が培った引き出しの多さがすごいんです。マシンをコースに合わせこむ際の目標のようなものをたてると、そこに向かう集中力もものすごい。コンビを組んで2年目ですが、偉大なる大先輩として尊敬しています」。

Modulo NSX-GT
Modulo NSX-GT

SUPER GTのGT500クラスとスーパーフォーミュラ。第一線のプロドライバーとしてのスタートラインに立った大津選手に、プロドライバーとして思うところを聞いてみました。

SUPER GTでの大津弘樹選手
SUPER GTでの大津弘樹選手

「2021年は結果を出す年だと思っています。GT500もスーパーフォーミュラも参加していればいいというものではありません。プロとして恥ずかしくない結果をお見せできる年にしていきたいので、応援よろしくお願いいたします!」

2021年の決意をうかがった大津弘樹選手。筆者としては大津選手の魅力は、グリッドやパドックで見せる優しそうな表情とは一変したアグレッシブな、というよりも激しさMAXな走りではないかと思います。

その大津選手も参戦するSUPER GT 2021 開幕戦は、岡山国際サーキットで4月11日(日)の13時30分より82周で行われます。

(写真:吉見 幸夫・松永 和浩/文:松永 和浩

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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