レクサスの威信をかけた「Advanced Drive」を新型LSに搭載し、2021年発売予定【新車】

■マイナーチェンジを受けたレクサスLSは、自動運転を含むハイテク装備満載の「走る見本市」

2020年11月19日にマイナーチェンジを受けたレクサスLSについて、ここでは、最新機能、安全装備、自動運転についてチェックします。

「Lexus Safety System +A」が全車に標準装備され、各機能を拡充、進化させています。「Lexus Safety System +A」の進化としては、「プリクラッシュセーフティ」の対応領域が拡大され、交差点右折時に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能になるなど、トヨタ(レクサス)最新の仕様になっています。

レクサスLS
LS500h“EXECUTIVE”(銀影ラスター)のエクステリア

低速時の衝突回避または被害軽減をサポートする低速時加速抑制などの機能も追加され、最上級セダンにふさわしい先進安全装備のアップデートが図られています。加えて、カメラで主要な道路標識を読み取り、メーター内に表示する「ロードサインアシスト(RSA)」が一部の高速道路の最高速度の引き上げに対応し、120km/hまで表示されます。

さらに、2019年8月にマイナーチェンジを受けたレクサスRXで世界初採用された「ブレードスキャンアダプティブハイビームシステム(AHS)」が用意されています。光源であるLEDからの光を高速で回転するブレードミラーに照射され、ブレードミラーに反射した光が、レンズを介して高速移動しながら前方を照らす新機構のAHSとなっています。ほかにも雨天時や夜間でも高い視認性が得られるデジタルインナーミラーに、高解像度でより大きな9.6インチディスプレイが採用されています。

レクサスLS
「交差点右左折支援」機能を搭載する

最大の注目は、高度運転支援技術の「Lexus Teammate」で、人とクルマが気持ちの通った仲間のようにお互いを高め合い、共に走るというトヨタ独自の自動運転の考え方「Mobility Teammate Concept」に基づいて開発されたそうです。「Lexus Teammate」は、乗員に安心感を与える運転支援を実現する上で必要不可欠な車両の高い基本性能を徹底的に磨き上げ、さらにディープラーニングを中心としたAI技術も採用され、運転中に遭遇しうる様々な状況を予測し、対応することを支援。さらに「Lexus Teammate」では、ソフトウェアアップデートの活用が予定されています(2021年以降、Advanced Drive搭載車に実装予定)。オーナーの手に渡った後も機能の追加、性能向上を続け、ユーザーのニーズに応え続けることを狙いとしています。

自動運転を具体的に見ていくと、「Advanced Drive(2021年発売予定)」がまず注目です。トヨタの自動運転の考え方である「Mobility Teammate Concept」に基づいた最新の高度運転支援技術により、高速道路などの自動車専用道路において、ドライバー監視のもと実際の交通状況に応じて車載システムが適切に認知、判断、操作を支援し、車線と車間維持、分岐、レーンチェンジ、追い越しなどを実現するそう。ドライバーはアクセル、ブレーキそしてハンドル操作からも解放され、ロングドライブでの疲労軽減が可能になるとしています。加えて、最新の駐車支援も用意されます。

レクサスLS
縦列駐車にも対応する「Advanced Park」

「Advanced Park」がそれで、最新の高度運転支援技術により、ドライバー監視下を条件に、カメラと超音波センサーを融合し、全周囲を監視することで、適切に認知、判断、操作を支援する機能です。ハンドル操作、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジの全操作を車両が支援し、俯瞰映像に車両周辺の死角や目標駐車位置などを常に表示し、安心、安全でスムーズな駐車が可能になるとしています。

具体的には、操作支援の拡大が盛り込まれています。これにより、ハンドル操作、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジの全操作を車両が支援することで、ドライバーの負担を軽減。操作性では、直感的なシステム操作を実現し、
駐車区画横に停車すると自動的に駐車枠を認識し、スイッチを押すだけで「Advanced Park」が起動します。

複数の駐車区画を認識したケースでは、ディスプレイに候補すべてを表示するだけでなく、最適な区画を提案し、ドライバーが選択をすることが可能です。「360°センシング」の採用により、安心、安全が高まっているのも特徴です。センシングは、カメラと超音波センサーの融合により全周囲の監視が可能。障害物の位置をディスプレイのカメラ映像上に表示することで、ドライバーに周辺状況をわかりやすく伝えます。

レクサスLS
高度運転支援アドバンストパーク「Advanced Park」のメインスイッチ

障害物に接触する可能性がある際は、警告するとともにブレーキ制御で接触回避が支援されます。さらに、駐車支援制御中にアクセル操作があった場合は、踏み間違いの可能性があると判断し、制御を一旦中断することで、ドライバーの意思を確認します。ただしブレーキを踏んだ場合は、減速の意図をくみ取り、制御は継続されます。

ほかにも、スムーズな駐車が可能であるのも特徴です。市場における様々な駐車パターンデータを収集、分析して制御に反映することで、ドライバーや乗員に安心感を与える無駄のない経路とメリハリのある速度コントロールを実現したスムーズな駐車を追求したとしています。また、駐車区画(白線)がない場所でも、カメラで捉えた画像情報をもとに駐車したい位置を事前にシステムに記憶させ、駐車支援を実行することができるメモリ機能も用意。自宅や職場など、使用頻度の高い駐車場での使い勝手が向上しています。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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