ランボルギー二・ウラカンEVO・RWDスパイダーに清水和夫のニヤニヤが止まらない「NAのV10、良き!」【頑固一徹 和】

■V10 NAエンジンを8500rpm回すとアドレナリン「ドピュッ!」

ランボルギー二 ウラカンEVO RWD スパイダー
ランボルギー二 ウラカンEVO RWD スパイダーを、清水和夫が頑固一徹チェック!

●ハイパワー・ミッドシップをあらためて味わう

国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが今、気になるクルマを辛口試乗&そのアウトラインも語る『頑固一徹 和』。今回はイタリアの暴れ牛、ランボルギー二・ウラカンEVO・RWDスパイダーです。

V型NAが好物の清水さんはどう語ったのでしょうか?

●大排気量多気筒V型NAエンジンは、ゆっくり乗ってもニヤニヤ(ハート)

清水和夫さん
V10 Naにニヤニヤが止まらない清水和夫さん。

さぁ、今日はどんなクルマでしょう!? 顔がニヤニヤしちゃうんだけど、ランボルギーニ・ウラカンのV10 5.2L、610psの560Nm。つまり、NAエンジンです。

プラットフォームは基本的にはアウディのアルミボディのミッドシップ・R8と遠い兄弟みたいな。トランスミッションはツインクラッチの7速です。

ウラカンのエンジン
5L V10 NAエンジンを積むランボルギー二 ウラカンEVO RWD スパイダー
ウラカンのコクピット
座っただけで心が躍るようなコクピットです。

NAエンジンっていうのはトルクの出かたがいいですよね。一番下品(!?)なのはEVで、アクセル踏んだ瞬間に最大トルク。次に下品(!?)なのがキュンとトルクが立ち上がるターボ。

で、NAは回転に比例してリニアにトルクが上がっていくので、急な崖を上る感じはないんですよね。そういう意味でNAエンジンっていうのは非常にリニア感があっていいな!と思うんです。

●V12 NA+48Vの『ゴードン・マレーT.50』にも恋焦がれ…

ゴードン・マレーT.50
ゴードン・マレーT.50は1万rpm回るそう! しかもマニュアル…「乗れるもんなら乗ってみろ!」(笑)

いや~、やっぱりありだね、NAエンジンのスーパースポーツ。

ゴードン・マレーがマクラーレンF1の新しい版、センターシートの3人乗りV12 NAエンジン『T.50』を発表しました。ポルシェ・ボクスターと同じようなサイズで、しかしボクスターよりかなり軽くて1t切っています。

T.50には48Vも付いています。V12+48Vのその意味は、48Vで大きいファンを回して床下の空気を吸い出すような、昔のF1ブラバムでやっていたゴードン・マレーのアイデアそのまま。「48Vをそういう使い方をしたのか!」という、奇才ゴードン・マレーらしいクルマです。

いずれにしろ、V12のNAエンジンというのが良くて、しかもマニュアル。『乗れるもんなら乗ってみろ!』みたいなスーパーカーですよね!

●何回転で乗っても気持ち良さがあるって、いいね!

ランボルギー二 ウラカンEVO RWD スパイダー
メーター、シフト部、シート、ホイール…どれをとってもランボルギー二 ウラカンEVO RWD スパイダーはカッコイイ!

ランボルギー二・ウラカンEVO・RWDスパイダーはV10、アウディの5気筒エンジンをVバンクにし、8500rpmからレッドゾーンです。今の時代、もう8000rpm以上回るエンジンなんてほとんどいません。ゴードン・マレーT.50のV12は1万rpm超えるんですけど。

試乗中の清水和夫さん
飛ばしてもゆっくり走っても気持ちイイ! でもホンネは「カッ飛ばしたい!」(!?)

その昔、ホンダの川本社長が30年前…初代NSXを開発するときに、チーフエンジニアに酔っぱらって言った言葉が印象的で、「オマエ、悔しかったら1万rpm回るエンジン載せてみろ!」みたいなこと言っていましたね。

NAエンジンに対する思い入れというのは、亡くなったピエヒ博士もずっと持っていました。

なんか、こ~いうスーパーカーを50~60km/hでゆっくり走るのも意外にいいもんだね。アンダーステイトメント的に言えば『能ある鷹は爪を隠す』ので、踏めば8500rpm回るけど、2000rpm台で流すのも悪くないね。

総合評価指数は★★★★
総合評価指数は★★★★
評価軸(3項目)&評価ポイント
評価軸(3項目)&評価ポイントは8、7、7点!

(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

ランボルギー二 ウラカンEVO RWD スパイダー
ランボルギー二 ウラカンEVO RWD スパイダーの主なSPEC。

⬛︎SPECIFICATIONS
車名:ランボルギー二 ウラカンEVO RWD スパイダー(LAMBORGHINI Huracán EVO RWD Spyder)
全長×全幅×全高:4520×1933×1180mm
ホイールベース:2620mm
車両重量:1509kg
エンジン:V型10気筒DOHC
排気量:5204cc
ボア×ストローク:84.5×92.8mm
圧縮比:12.7
最高出力:449kW(610ps)/8000rpm
最大トルク:560Nm/6500rpm
トランスミッション:7速デュアルクラッチ(LDF[ランボルギーニ・ドッピア・フリツィオーネ])
駆動方式:後輪駆動(ミッドシップ)
サスペンション: ダブルウイッシュボーン(F/R共)
ブレーキ:F 365×34 mm径・ベンチレーテッドディスク/R356×32 mm径ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:F 245/35ZR19/R 305/30R19
燃料消費率 WLTCモード:7.2km/L
0→100km/h加速:3.5秒
最高速:324km/h
車両本体価格(税込):26,539,635円

【頑固一徹試乗とは?】
国際モータージャーナリスト、清水和夫が斬る試乗インプレッション『頑固一徹テスト』。頑固一徹・清水和夫が独自の目線でチョイスした新型モデルを、パワートレーン、ライドコンフォート、ドライビングプレジャーの3分野で評価、採点し、その合計点によって10段階で評定します(※今回よりミッドシップスポーツの実力を評価するべく、評価項目を変更しました!)。

■頑固一徹 総合評価指数
3〜6点→★
7〜12 点→★★
13〜18点→★★★
19〜24点→★★★★
25〜30点→★★★★★

■頑固一徹テスト 試乗インプレッション評価軸(3項目)&評価ポイント
パワートレーン 10段階評価(1〜10点)
ライドコンフォート 10段階評価(1〜10点)
ドライビングプレジャー 10段階評価(1〜10点)

【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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