クルマでWi-Fiが使い放題になる! パイオニア・カロッツェリアの車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」を試してみた

■パケット超過や繋りにくさといった不安を解消

パイオニアの車載Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」
パイオニアの車載Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」

いまやWi-Fiは電気やガスに次ぐライフライン。かくいうclicccarも、Wi-Fi経由で楽しんでくださっている読者が大勢いらっしゃると思います。

そんなWi-Fi、ドライブ中にも使いたいと思ったことはありませんか。クルマでWi-Fiが使えると、映画やオンラインゲームを楽しんだり、テレビ会議だって可能になるので、クルマの可能性が1万倍くらいに高まるわけです(当社比)。

すでにスマホでテザリングしたり、モバイルWi-Fiルーターをクルマに持ち込んでいる方もおられると思うのですが、それだとこんなことで悩みませんか?

・パケット使用量に制限があって超えると帯域制限がかかる
・山間部やトンネルで繋がりにくいことがある
・携帯ショップなどに出向いて契約するのがめんどう(モバイルルーターの場合)
・2年目以降に利用料が値上がりするなど料金体系が複雑

しょっちゅうクルマを利用する者として、筆者もクルマのWi-Fi化で悩んでいたのですが、やってくれましたよパイオニアさんが。ものすごく使い勝手のいい「車載用Wi-Fiルーター」を発表してくれたのです。それが新商品「DCT-WR100D」。その魅力をご説明しましょう。

パイオニアの車載Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」
パイオニアの車載Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」。希望小売価格:2万5000円(税別)

【魅力その1】車内でLTE通信が使い放題!

「DCT-WR100D」最大の魅力が、docomoのLTEデータ通信が使い放題なこと。気になる速度制限もないので、動画やゲームが思い切り楽しめます。もちろんクルマの特性を考えたサービスなので、移動中でもYouTubeのフルHD動画だってまったく問題ありません。

【魅力その2】圧倒的に繋がりやすい

多くのモバイルルーターが使っているのは「WiMAX」という通信規格。もともと高速通信が困難なエリアの代替手段として登場したので、山間部や高層ビルに隠れると電波が途切れることがありました。いっぽう「DCT-WR100D」は、携帯電話網の主規格であるdocomoのLTEデータ通信を採用。日本全国どこでも繋がりやすいうえ、山間部やトンネルでも電波が回り込みやすく、ストレスなく利用できます。

パイオニアの車載Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」
センターコンソール側面などに固定することもできます。

【魅力その3】車内環境を考慮した専用設計

極寒の冬から酷暑の夏まで、車内は過酷な状況にさらされます。電子機器を車内に放置するのは不安ですが、「DCT-WR100D」は-10~60℃での動作を保証する車載専用設計という点が心強い。さすがカーエレクトロニクスの雄パイオニアですが、万一の際には1年の保証が受けられます。一般のモバイルルーターでは保証費として月300円とか取られますからね。

【魅力その4】利用料金がシンプル

「DCT-WR100D」を利用するには、2万5000円(税別)で本体を購入し、「docomo in Car Connect」という車内向けインターネット接続サービスに加入します。パイオニアのサイバーナビにも採用しているサービスですが、この料金が実に明快。1日プラン500円、1ヵ月プラン1500円、1年プラン1万2000円という3通りから、使い方に応じて選べるわけです(*すべて税別)。頻繁にクルマに乗らない人でも「乗るときだけ使う」という使い方ができるので無駄な出費を抑えられますよ。

【魅力その5】利用手続きはネットで完結

「DCT-WR100D」の利用を開始するのは実に簡単。ネットでdocomoの「dアカウント」を発行して、インカーコネクトサービスサイトにアクセスして必要情報を記入するだけ。モバイルWi-Fiルーターのように携帯ショップなどに出向く必要もないので、「DCT-WR100D」を買ったその日から「愛車Wi-Fi化計画」が実現します。おっと、スマホがdocomoじゃない人だって加入できるからご安心ください。

ちなみに「DCT-WR100D」でdocomoのLTEデータ通信が使い放題になる秘密は、同機がクルマの移動を検知できる点にあります。「DCT-WR100D」が活躍するのは「ドライブとその前後」。具体的には走行中に加えて、走り出すまでの最大30分、走行後停車してからエンジンを切るまでの最大60分に使用可能です。「docomo in Car Connect」の使用を自動車メーカー以外で認めたのはパイオニアのサイバーナビが初めてですが、「DCT-WR100D」も対応となると、パイオニアの車両移動検知技術がそれほど信頼が置けるということを証明でもあるわけですね。

「DCT-WR100D」の作動範囲
「DCT-WR100D」の作動範囲

●YouTubeもZOOM会議も自宅同様の快適さ

シガーソケットに接続
シガーソケットに繋ぐだけで車内がWi-Fi化!

実際に「DCT-WR100D」をお借りして、都内ドライブに出かけてみました。取り付けはシガーソケットに繋ぐだけでOK。エンジンをかければすぐ使えます。同時に接続できるデバイスは5台ですから、友達や家族と出かけても余裕ですね。

さまざまなデバイスを使って「DCT-WR100D」の繋ぎっぷりを試してみます。まずはAmazonの「Fire TV Stick」。Wi-Fi経由で「Amazon Prime」や「NETFLIX」「YouTube」などさまざまな動画が高画質で楽しめるストリーミングデバイスです。特にお子様などがいるご家庭では、車内で「アマプラ」が見られる効果は大きいんじゃないでしょうか。

「DCT-WR100D」からWi-Fiを飛ばして動画を楽しむ
「DCT-WR100D」からWi-Fiを飛ばしてAmazonのFire TV Stickを起動、HDMI経由で綺麗な動画が再生できた!

クルマには楽ナビの新製品「AVIC-RQ911」が装着されていたのでHDMI接続してみると、これがいい感じ。従来比2.4倍の2,764,800画素もの高解像度を誇るHDパネルの美しさも相まってコントラストのしっかりした動画が再生できました。ビル影などで画像が乱れることも皆無です。

リアモニターTVM-PW1000
取材車にはリヤモニター「TVM-PW1000」が。HDMI接続できるので、後席だけで動画を楽しむこともできます。音声はヘッドフォン端子から出力

続いて携帯モードのニンテンドースイッチ。「DCT-WR100D」から「Nintendo Switch Online」に繋いで、編集部の同僚と「マリオカート8」を試しました。操作フィールはリビングルームと変わらぬ快適さ。処理落ちなども一切なく、バトルに熱中できました。

ニンテンドースイッチ
初老2人でマリオカートを遊ぶの図。遅延などはいっさいなし!

遊んでばかりもいられません。海沿いの公園に着いたのでZOOMを繋いで、仕事の会議に参加します。ZOOMはサクサクと接続され、他の参加者とのやりとりもスムーズに進行。原稿の間違いも指摘されましたが、出社して怒られなかったのでよしとしましょう。

助手席からZOOM会議
助手席からZOOM会議に参加。家の食卓よりはるかに快適でした。

「DCT-WR100D」にあれこれとデバイスを繋いでみて改めて実感しましたが、Wi-Fi使い放題の車内は無敵です。筆者は家族に疎まれつつ食卓でテレワークしているので、正直こっちのほうがはるかに快適だと思いました。

*Amazonの「Fire TV Stick」、ニンテンドースイッチのオンライン機能などをお楽しみいただくには、別途それぞれのサービスへの加入が必要な場合があります。

(文:角田伸幸/写真:塩谷佳史)

この記事の著者

角田伸幸 近影

角田伸幸

1963年、群馬県のプロレタリアートの家庭に生まれる(笑)。富士重工の新米工員だった父親がスバル360の開発に立ち会っためぐり合わせか、その息子も昭和期によくいた「走っている車の名前が全部言える子供」として育つ。
上京して社会人になるも車以上に情熱を注げる対象が見つけられず、自動車メディアを転々。「ベストカー」「XaCAR」で副編集長を務めたのち、ポリフォニー・デジタルにてPlayStation用ソフトウェア「グランツーリスモ」シリーズのテキストライティングに携わる。すでに老境に至るも新しモノ好きで、CASEやパワートレインの行方に興味津々。日本ディープラーニング協会ジェネラリスト検定取得。大好物は豚ホルモン(ガツとカシラ)。
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