歴代レガシィを清水和夫が特別試乗!「初代は平成元年生まれ。このコは運命を持って生まれたんだね」BF5編【SYE_X】

■歴代レガシィツーリングワゴンを清水和夫が一気乗り!

●初代は平成元年生まれ、新時代の幕開けとともに生まれた運命のクルマ

いよいよ発売目前となったスバル・新型レヴォーグ(10月15日発売予定)。新エンジンや新スバルグローバルプラットフォーム、また自動運転レベル2も可能とするアイサイトXなど話題は尽きません。

BF5レガシィツーリングワゴン
初代BF5レガシィツーリングワゴンを清水和夫が再確認!

唯一無二のツーリングワゴンとしてその名を確立するレヴォーグですが、そのルーツはもちろん、レガシィツーリングワゴンにあります。

国際モータージャーナリストであり、スバリストのアニキ的存在のスバル・スペシャリストでもある清水和夫さんが、レヴォーグのルーツを再確認するべく歴代のレガシィツーリングワゴンを全車試乗。当時の思い出を語ってくれました。

まずは初代BF5型から!

●ビジネスシーンではなく、アクティブなライフスタイルを提案した初代レガシィ

歴代レガシィ
歴代レガシィに清水和夫が一気乗り!

試乗車は、初代BF5型レガシィツーリングワゴンのMC後モデル、1993年式GT typeS2(専用サスペンションチューン/BBS社製ホイール等)。

「初代レガシィが生まれた1989年と言えば、ベルリンの壁が崩壊して冷戦が終わり、昭和天皇が崩御され昭和から平成に変わった時代。まさに時代が変わった瞬間にレガシィは登場しました」(清水)。

世界が大きく変化した時代に登場したレガシィに、清水さんはこう思うそうです。

「このレガシィというコは、ある種の運命を持っていたんだな、と思いますね」(清水)。

EJ20水平対向4気筒エンジン
試乗車はターボ仕様の1993年式GT typeS2。

1989年2月に発売した当時のツーリングワゴンはNAのみだったEJ20水平対向4気筒エンジンでしたが(セダンにはターボのRSがあった)、同年10月にターボバージョンのGTグレードが登場しました。

BF5レガシィツーリングワゴンのコクピット
初代BF5レガシィツーリングワゴンのコクピット。いたってシンプル。

「レガシィといえばツーリングワゴンが印象的ですが、ただ荷物を運ぶクルマではなく、ドライバーズカーとして人と荷物を載せてロングツーリングに行く。ビジネスシーンというよりもアクティブなライフスタイルを提案したクルマでしたよね。

初代BF5レガシィツーリングワゴン
高速ツアラーとしてだけではなく、ワインディングでも楽しさを発揮。

水平対向エンジン+4WDの組み合わせで揺るぎない高速安定性…、それが初代レガシィの大きな特徴です。高速移動が非常に楽で、遠くまで安心して走って行ける。さらにワインディングでもハンドリングが楽しいよ!というクルマでしたよね」(清水)。

10万km耐久高速テスト
1989年1月には、レガシィセダンRSがアメリカ・アリゾナ州フェニックスで『10万km耐久高速テスト』を行い、19日間・平均速度223.345km/hの記録を樹立。

発売前の1989年1月には、レガシィセダンRSがアメリカ・アリゾナ州フェニックスで『10万km耐久高速テスト』を行い、19日間・平均速度223.345km/hの記録を樹立し(当時)、高速走行の優位性、スバル水平対向ボクサーエンジンの耐久性を証明しました。

清水和夫さん
発売当時を振り返りつつ、初代BF5レガシィツーリングワゴンを再確認する清水和夫さん。

「今乗っているこのコは、もう30年も前のクルマ。それでも現役で使えるんだよね。

30年経ってもこれだけのドライバビリティを持っているなんて、スバル買うと人間の一生とまでは言わないけど、『スバル車を2台買えば人生全うできる』、そんなイメージ。耐久性はいいし、凄いクルマ作ったなという感じがしますよね!」(清水)

「規模の小さいスバルが生んだレガシィ、そのツーリングワゴン市場には、トヨタなどのライバル大メーカーでさえ食い込むことが出来なかった」と語る清水さん。

初代BF5レガシィツーリングワゴン
試乗当日はあいにくの雨…。が、フルタイム4WDは強い味方です。

1993年のWRCニュージーランド戦では優勝したこともあるレガシィ(※セダン)。開発段階から技術スタッフと議論を重ねていた当時を振り返っての貴重なお話なども盛りだくさん! そのすべては動画でドーゾ!

(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX)/文:永光 やすの

■SPECIFICATIONS

●スバル レガシィ2.0 VZ(BF5/1989年2月)
全長×全幅×全高mm:4600×1690×1500
ホイールベース mm:2580
トレッド F/R mm:1460/1450
車両重量 kg:1350(4AT)/1310(5MT)
エンジン:EJ20 水平対向4気筒DOHC
排気量 cc:1994
圧縮比:9.7
最高出力ps/rpm:150/6800
最大トルクkgm/rpm:17.5/5200
駆動方式:フルタイム4WD
サスペンション:ストラット式独立懸架(F/R共)
ブレーキ F/R:ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ:185/65R14 85H(F/R共)
車両本体価格:206万円

BF5レガシィツーリングワゴン
初代BF5レガシィツーリングワゴン諸元表。

●スバル レガシィ2.0 GT(BF5/1989年10月)
全長×全幅×全高mm:4600×1690×1500
ホイールベース mm:2580
トレッド F/R mm:1460/1455
車両重量 kg:1440
エンジン:EJ20 水平対向4気筒DOHC16バルブインタークーラーターボ
排気量 cc:1994
圧縮比:8.5
最高出力ps/rpm:200/6000
最大トルクkgm/rpm:26.5/3600
駆動方式:フルタイム4WD
サスペンション:ストラット式独立懸架(F/R共)
ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F/R共)
タイヤサイズ:205/60R15 89H(F/R共)
車両本体価格:265万円

【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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