これまでは各社のフラッグシップモデルを紹介しました。ここからは特徴のある個性派SUVを紹介しましょう。最低地上高を高めたSUVながら、都市部に多い立体駐車場に対応した全高1550mmに抑えた個性派SUVがマツダCX-30です。
2019年に登場したばかりのフレッシュなモデルですが、すでに約260台の中古車が流通しています。流通台数はこれまで急激に増えていましたが、最近になってやや頭打ちとなっています。流通している中古車の平均走行距離は約1000kmと少なめです。注目の平均価格の推移ですが、多少の上げ下げはありますが、約295万円付近で横這いとなっています。気に入ったグレードやボディカラーが見つかれば新車よりも割安な価格で手に入ります。
全高を1550mmに抑えた優れたパッケージングのSUVからもう1台、スバルXVを紹介しましょう。
現行型XVは2017年に登場。当初はガソリンエンジンのみでしたが、e-BOXERと呼ばれるマイルドハイブリッドを追加。現在は2Lのマイルドハイブリッドと1.6Lガソリンというエンジンバリエーションとなっています。
販売開始から3年という新しいモデルですが、中古車の流通台数は3カ月前が約420台で、今月は250台と大幅に減少しています流通している中古車の平均走行距離は約8000kmから約1万5000kmへと延びているにも関わらず、平均価格は約215万円付近を横這いで推移しています。
三菱のSUVラインアップの中で2018年登場という最もフレッシュなモデルが流行のクーペフォルムを採用したエクリプスクロスです。
当初は1.5Lガソリンターボエンジンのみでしたが、2.2Lディーゼルターボを追加しているのが特徴です。エクリスプスクロスの中古車の流通台数もつい最近まで300台以上で安定していましたが、8月末になって300台を割り込むまで減ってしまいました。中古車の平均走行距離は約5000kmと横這いで推移していますが、平均価格は3カ月前の約258万円から約265万円へと値上がり傾向となっています。
そしてココからは、高い悪路走破性が魅力のモデルです。販売開始が2009年とすでに登場から10年が経過したロングセラーモデルが、トヨタランドクルーザープラドです。
先日、搭載するディーゼルターボエンジンをパワーアップする改良を行ったばかりです。10年以上販売しているモデルらしく、現行型ランドクルーザープラドの中古車の流通台数は約1000台と豊富です。
中古車の平均走行距離は3カ月前の時点では約2.9万kmでしたが、一部改良を機に走行距離の少ない中古車が市場に出回り、現在は約1.6万kmまで減少しています。この動きにリンクするかのように、平均価格は3カ月前の約340万円から現在は約374万円まで値上がりしていて、この動きは現在も進行中となっています。
ここからは生産終了となりもう中古車でしか手に入れられないモデルを紹介しましょう。まずは2010年〜2018年の間販売されていた個性派SUVのトヨタFJクルーザーです。
ランドクルーザー40をオマージュした外観デザインそして観音開きのドアを採用しているのが特徴です。生産終了して間もなく2年を迎えますが、中古車の流通台数は約200台。3カ月前の時点では約400台も流通していたので、半減となってしまいました。中古車の平均走行距離は約5.1万kmから約5.6万kmまで延びているにも関わらず、平均価格は3カ月前の約260万円から約270万円へと値上がり傾向となっています。
続いては2019年に生産終了となった三菱パジェロです。
最終型パジェロの中古車の流通台数は約90台。3ヵ月前の約180台から半減となっています。中古車の平均走行距離は約7.1万kmから約7.4万kmまで延びていますが、平均価格は約153万円で横這いとなっています。高年式のディーゼルターボを搭載したロングボディの中古車はすでに値上がり傾向となっていますので、今後値上がりに転じる可能性は高いです。
フラッグシップ、3列シート、立体駐車場には入る優れたパッケージングという様々なSUVの最新中古車事情を見ましたが、現在のところ大半の車種が値上がり傾向となっていて、値落ちしたのはランドクルーザー200だけという厳しい状況となっています。
(文:萩原文博/写真:トヨタ自動車、三菱自動車、萩原文博)