目次
●センターラインを越えないミニバンを作ろう
土屋圭市さんによれば、コーナリング性能については「街中の40-50km/hでもフロントノーズが入るような」開発を目指したとのこと。「市街地以外の50-60km/h制限でも曲がりにくいところ、これは世界中にいっぱいある。Modulo Xではセンターラインを超えない(カットしないで走れる)ミニバンをつくろうって考えてるんだよ」と土屋さん。ちなみに私がタイヤ1本分と感じたコーナリングのライントレース性を、土屋さんいわく「タイヤ2本分」と表現されていました。
フリード Modulo Xをさらに洗練させるべく開発テストは行われていたそうで、足回りについては100g単位でスプリングを変更し、バンプ側もリバンプ側もテストを行ったそうです。その結果、マイナーチェンジ前のモデルと同じセッティングが最適という結果になったのだとか。
土屋さんは、2列目の乗り心地を一番気にしているというお話もうかがいました。Modulo Xの足回り開発はそこから始まる、とも。
Modulo Xが目指す1ランク上を目指したクルマづくり。4ドア以上のモデルは2列目の人も普通に寝られるモデルを目指す。「S660はハンドリング優先だけど、他のモデルに関しては2列目に納得いくようになってからハンドリングのチューニングに入る」のだそうです。
●ドライビングに向き合う楽しさが強まる
全長4265mm×全幅1695mm×全高1710mmとコンパクトなミニバンのフリードは、走りも操作も軽々としていて、乗り心地はしなやかで万人に優しい、実用的かつ手頃なモデルです。マイナーチェンジ後のベース車を試乗した際も、高速走行中の路面の継ぎ目やコンビニに入る際の段差などを乗り越えるときのサスペンションの上下運動が衝撃を緩和する際、「うん、(やっぱり)優しいなぁ」と度々思いました。
が・・・、すると、もう少し引き締まった足腰や手元の操作フィールにも、ドライビングに向き合う愉しさが強まる手応えが欲しいと思う方、よりドライバーズカー的なモデルに目が向く方がいても不思議ではありません。ちょっと価格がプラスされるのには、しっかりした意味があるのです。