ドイツの名門BMWチューナーがトヨタ「スープラ」のエンジンを400psにパワーアップ!

■AC SchnitzerがスープラRZのエンジン出力を60ps増強

トヨタ自動車が技術提携先の独BMWと協業で開発、姉妹車「Z4」と共にオーストリアのマグナ・シュタイア社で生産されている3代目「スープラ」。

シュニッツァー社のスープラ用パフォーマンスアップグレードキット装着車

直6/FR/2シーターに拘って開発された同車の最上級グレード「RZ」の心臓部には、BMW製の3.0L直6DOHCターボエンジン(340ps/51kgm)が搭載されています。

ドイツに拠点を置き、BMWのチューニングを手掛ける「AC Schnitzer(シュニッツァー)」が、トヨタ「スープラ」向けのパフォーマンスアップグレードキットを開発しました。

トヨタ車を手掛けるのは今回のスープラが初とのことですが、そこはBMW市販車のチューニングを得意とする同社だけに、ニュル24時間レースをはじめとする数々のレースで得た豊富な知見を活かし、サーキットのみならずデイリーユースもカバーする高品質を確保しています。

ちなみにトヨタ自動車はスープラRZの2020年発売モデルからエンジンを改良(340ps→387ps)しており、2019年発売モデル比で+14%増となる出力アップを図りましたが、シュニッツァーキットの場合、出力を400ps/61.2kgmにまで引き上げることが可能となっています。

シュニッツァー社のスープラ用パフォーマンスアップグレードキット装着車

■エンジンのパワーアップ手法は?

エンジン・チューニングの主となるのが、点火タイミング、燃料調整、ブースト圧が絡む複合的な作用によりパフォーマンスを向上するサブコンピュータで、エンジン回転数、冷却液温度、オイル温度などの管理により的確なパフォーマンスを発揮。エンジンのアップグレードには、BMW用プログラムと同様に36ヵ月の保証が付帯しています。

シュニッツァー社のスープラ用エンジンカバー

日本ではADVENTが同社のパーツ販売を担当しており、RZ用のサブコンの販売価格は45万円(税抜)と結構値が張りますが、性能面や信頼性では妥当といえるかもしれません。

シュニッツァー社のスープラ用サブコン

またチューニングキットはサブコンのほか、フロントリップスポイラーやカーボン製リヤウイングなどのエアロパーツ、鍛造20インチアロイホイール、エンジンルーム放熱用ダクト、スプリングキット、リヤマフラー、アルミペダルセットなどで構成されています。

シュニッツァー社のスープラ用フロントリップスポイラー
シュニッツァー社のスープラ用カーボン製リヤウイング

ちなみにフロントリップスポイラーは塗装を必要とせず、取り付けも簡単で、ダウンフォースを高めると共に車高を低く見せる効果を発揮。また、アルミステーを備えたカーボン製リヤウイングは高強度と耐久性が確保されており、リヤアクスル付近のダウンフォース増に大きな効果があるそうです。

シュニッツァー社のスープラ用パフォーマンスアップグレードキット装着車

BMWを知り尽くした「AC Schnitzer」社が放つトヨタ・スープラ用のチューニングキットは、もちろん個々に装着が可能で、2019年製のスープラオーナーのみならず、最新のスープラオーナーにとっても気になる存在となりそうです。

Avanti Yasunori・画像/動画:AC Schnitzer)

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【関連リンク】

ADVENT
http://www.advent.jp/html/product/acs/toyota_supra.htm

AC Schnitzer
https://www.ac-schnitzer.de/de/toyota/toyota-gr-supra/toyota-gr-supra.html

TOYOTA SUPRA
https://toyota.jp/supra/
https://toyotagazooracing.com/jp/gr/supra/

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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