■リーダーとフォロワーという関係を築き、関係を拡大
日本時間・2020年5月27日16時に、ルノー・日産自動車・三菱自動車の3社は協同記者会見を開催し、今後のアライアンスに関するアナウンスを行ないました。
新型コロナウィルスの影響もあり会見はオンラインで公開され、電話回線などを使っての質疑応答が行われました。
今回の記者会見は3社の関係と、それぞれの役割分担を関するものでしたが、興味深い内容が数多く含まれていました。
まず、各社はリーダーとフォロワーという関係を築くということです。これは商品のセグメントごとに、リーダーを務めるメーカーを設定、残りの2社がフォロワーメーカーにあたるというもの。
リーダーメーカーの作る「マザービークル」を元として、フォロワーメーカーが「シスタービークル」を製造するという考えです。
従来はプラットフォームを共有するという方式がメインの手法でしたが、今後はアッパーボディも共有していくことになるというもの。
つまり、ルノーブランドのA車、日産ブランドのB車、三菱ブランドのC車がプラットフォームも外板も同一になる可能性があるということです。この方式はすでに一部の小型商用車(LCV)で採用されていますが、それを多くの車種に拡大しようというものです。
さらに生産においても集約を行い、競争力を高めていく予定です。プラットフォーム、エンジン、アッパーボディなどを共有することで、各社のモデルへの投資額は最大40%削減できると見込まれています。
また各社が特定の地域を担当する「レファレンス地域」という枠組みも採用されます。
「レファレンス地域」では地域ごとにリーダー役となる会社を定めるもので、日産は、中国・北米・日本、ルノーは欧州・ロシア・南米・北アフリカ、三菱自動車は、ASEAN・オセアニアでそれぞれリーダー役となります。
この「リファレンス地域」のもと、2025年以降のC-SUV刷新については日産がリードし、欧州市場でのB-SUV刷新についてはルノーがリード。南米市場で使われている4つのプラットフォームは1つに集約。東南アジアと日本では、軽自動車における日産と三菱の協業のように枠組みを生かしていくとのことです。
リーダーとフォロワーの関係は単にプラットフォームやパワートレインに限定されません。
運転支援技術、中国市場向けコネクテッドカー技術開発は日産が担当。Androidベースのコネクティッドカー技術開発、eボディ(電気電子アーキテクチャのコアシステム)はルノーが担当。電気自動車のパワートレインについては、セグメントを分けてルノーと日産が分担で担当。C/Dセグメント向けのPHEVは三菱が担当します。
(文/諸星陽一)