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■【2020年5月21日更新】都市型SUV市場を打ち立てた歴代ハリアーを振り返る
2020年6月頃に発売される予定の新型トヨタ・ハリアー。初代ハリアーは、1997年にシティ派SUVの先駆け的な存在として市場を切り拓き、メルセデス・ベンツMクラスやBMW X3など、欧州勢を含めた多くのフォロワーを生んでいます。都市型SUVとしては、1994年の初代RAV4など、もっと早くから出ていますが、欧州勢にも影響を与えたという意味では先駆けといえるでしょう。それまでのSUVは、主にピックアップトラックや軍用に起源を持ち、ラダーフレームを備えるオフロード系から、モノコックボディ(応力外皮構造)への転換は、現在のSUVブームにも寄与しています。
2代目もレクサスRXの兄弟車的存在で、2003年2月に登場。直列4気筒の2.4Lと3.0LのV6エンジンが設定され、FFと4WDが設定されていました。初代よりもボディが大型化され、しかも高級セダンに匹敵する質感や操縦安定性を与えることを目標に掲げられていました。
ミリ波レーダーの搭載により、量産車世界初のプリクラッシュセーフティの採用や電子制御エアサスペンションなどを用意。さらに、2005年登場のハイブリッド(ハリアーハイブリッド)には、3.3L V6エンジンとモーターの組み合わせにより、SUVに圧倒的な速さを盛り込んだモデルに仕上げられました。実際にその走りはパワフルで、「ハイブリッド=エコ」だけではないと印象づけたモデル。さらに、電子制御は、エアサスペンションだけでなく、パワートレーンやステアリング、ブレーキなどを統合制御し、操縦安定性を高める「VDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management)」を用意するなど、 現在につながる走りも手に入れています。
2013年にフルモデルチェンジを受けた3代目ハリアーは、レクサスRXと袂を分かち、国内専用モデルとして登場しました。300万円を切るエントリーグレードを設定しながらも、トヨタらしい質感の高さは、同ブランドへの期待に添う仕上がり。2.0Lガソリン(トランスミッションはSuper CVT-i)、2.5Lのハイブリッドを擁し、引き締まった乗り味を示していました。また、エアサスペンションが設定されないなど、先代のラグジュアリームードからスポーティ路線にスイッチした印象も持っている方も多いはず。ただし、エクステリアは「Elegant Velocity」というテーマで、単なるスポーティ志向ではなく、エレガントさ、スピード感を兼ね備えたデザインが追求されています。一方のインテリアは、「Rich Simplicity」を掲げ、レイヤー状の凝った形状のインパネとハイクオリティを実現。
さらに、2017年のマイナーチェンジでは、2.0L直噴ターボ仕様を追加し、ガソリンターボらしい爽快感ある走りが可能にす。さらに、少しさかのぼると2014年には「G’s」バージョンが設定されたことで、3代目ハリアーが掲げる「ハリアーネス」という世界観がラグジュアリーよりもスポーティネスであることを裏付けたといえるかもしれません。
2020年6月頃に発売される4代目の新型ハリアーは、歴代で初めてクーペフォルムも取り入れ、シンプルながらもエレガントさと逞しさを融合させた流麗さをアピールしています。ボディサイズは全長4740×全幅1855×全高1660mmで、従来型(先代)は全長4725×全幅1835×全高1690mm。先代よりも15mm長くなり、20mmワイドに、全高は30mm低くなっています。後席のヘッドクリアランスなど広さも新型は少し気になるところ。先代のパワートレーンは、2.0L直噴ターボ、2.0Lガソリン(NA)、2.5Lハイブリッドという多彩さを誇っていました。