●クルマ内に潜む「猫」を気づかず起こる「最悪のシナリオ」とその対策
新型コロナウイルス拡散防止のための外出自粛により、普段よりクルマに乗る機会が減った方も多いでしょう。
でも、どうしても買い物などの用事でクルマに乗る必要も出てくるはず。そういった久々にクルマに乗る時に注意したいことのひとつが、エンジンルームなどの見えない車内に、猫などの動物が入り込んでいることです。
気づかずにエンジンをかけてしまったら、動物の命もクルマも一大事! そんなトラブルを未然に防ぐ方法をご紹介します。
ロードサービスを展開するJAFによると、動物がエンジンルームに入り込んだために起こるトラブルで出動する件数は、毎年一定数あるそうです。
例年2月21日(2月22日の「猫の日」前日)にJAFが発表しているデータによると、2019年1月の1か月間でそういったケースは27件。そのうち25件が猫ですので、全ての動物の中で圧倒的に猫が多いことが分かります。
また、翌2020年1月の1か月間では、エンジンルームに猫が入り込んだために出動した件数が42件と増加。そのうち9件はエンジン始動後に発覚しています。
では、なぜ猫はエンジンルームに入ってしまうのでしょう? JAFによると「猫は暖かい場所や狭い場所を好む」からだといいます。
エンジンルームは狭くて暗い空間ですし、駐車場は人の往来も少ない所が多いため、警戒心が強い猫にとっては安心できる場所なのです。また、雨風が入りにくく、特に寒い冬や春先などの寒い朝晩には、外よりも「暖かい場所」であるため快適でもあるのです。
猫がエンジンルームに入り込むトラブルは、寒い季節に多いイメージもありますが、JAFに要請がきた同様のトラブルは、沖縄でも発生しているため、必ずしも冬だけだとは限りません。一年を通して起こる可能性があります。
ちなみに、JAFに要請が来た過去の例では、猫だけでなく、ネズミやヘビ、鳥が巣を作ったといった例もあったそうです。
動物がエンジンルームに入っていることに気づかずにクルマを始動してしまうと、エアコンやパワーステアリングなどのベルト周辺にいる場合は、そのまま回転部分に巻き込まれることもあります。
また、気づかずにクルマにしばらく乗り続けると、エンジン音の異変や異臭がして、故障などの原因となるケースもあるのです。
●ボンネットを叩くことで猫に注意喚起
では、そういったトラブルを防ぐにはどうしたらいいでしょうか? その対策のひとつが、日産自動車が提唱した「猫バンバン」です。
これは、クルマに乗り込む前にボンネットを「バンバン」と数回叩くことで、猫などの動物がエンジンルーム内に入り込んでいないか確認するアクションのことです。
ついでに、例えばタイヤ周辺で昼寝している猫がいないかなど、クルマの周囲や下まわりに異変がないかもチェックするとよりいいですね。
特に、外出自粛などでしばらくクルマに乗っていなかった時には、長い期間車両が動かないため、「ここは安心だにゃ〜」と猫も入り込みやすくなるはず。自宅敷地以外の野外に駐車場を持っている方は、特に注意が必要です。
動物の尊い命はもちろん、クルマにも悪影響が出るという「最悪のシナリオ」を防ぐためにも、ぜひ実践してみて下さい。
(文:平塚“猫大好き”直樹)
【関連リンク】
日産:#猫バンバンプロジェクト 猫も人も安心して過ごせる社会のために。
https://www.nissan.co.jp/SOCIAL/CAMP/NEKOBANBAN/