MAZDA3、CX-30のリヤバンパーステーは植物由来のひまし油から作られる

■ドイツのBASF社の「Ultramid Balance」を使った新しいリヤバンパーステー

ドイツのBASF社は、同社の「Ultramid Balance(ウルトラミッド・バランス)」を使った新しいリヤバンパーステーがMAZDA3、CX-30に採用されていると明らかにしました。

「Ultramid Balance」の原料となるバイオ系セバシン酸は、植物由来のひまし油から作られていて、リヤバンパーステーはスポーツ用品と自動車部品のグローバルサプライヤーであるモルテン(本社:広島)が製造しています。

MAZDA3
「Ultramid Balance」を使った新しいリヤバンパーステーを採用しているMAZDA3

クルマの車体下部を保護するリヤバンパーステーは革新的なポリアミド樹脂(PA)ソリューションによるもので、マツダの新型車MAZDA3、CX-30に採用されています。

BASF モルテン リヤバンパーステー
MAZDA3、CX-30に採用されているリヤバンパーステー

モルテンのボディ部品開発課 参事である保本氏は、「リヤバンパーステーは、冬場に路上で使われる融雪剤や凍結防止剤に含まれる塩化カルシウムだけでなく、サイレンサーによる高熱にもさらされます。ポリプロピレンや一般的なポリアミドなど、従来の素材で作られた部品は、時間の経過とともに劣化や変形を起こしますが、BASF社の高性能素材ソリューションである「Ultramid Balance」を使うことで、高い耐熱性のほか、オイルや様々な溶剤、アルカリ水溶液などに対する高い耐久性をリヤバンパーステーに持たせることができました。このグレードには、植物由来のひまし油が使用されているため、より持続可能なソリューションといえます」とコメント。

Ultramid Balanceの原料となるバイオ系セバシン酸は、ひまし油から作られているため、サステナブルな素材を求める顧客からの高まる需要にも応えることができるとしています。さらに、再生可能素材をベースにしているだけでなく、標準的なポリアミドPA6やPA66と比較して優れた特性を備えていて、市場で高く評価されているそう。

この革新的な素材ソリューションにはガラス繊維が30%含まれているため、より長期にわたる耐熱性と安定剤、ポリマー技術による耐薬品性があるそう。ほかのポリアミドに比べて吸湿性が低く、湿度の高い環境下でもリヤバンパーの寸法安定性を維持します。

MAZDA CX-30
CX-30のリヤビュー

BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部 アジア太平洋地域 シニアバイスプレジデントのアンディ・ポスルスウェイト氏は、「そのクルマが意図する価値を実現すべく、あらゆるパーツには求められる要件があります。自動車産業におけるOEMとBASFが緊密に連携することで、ソリューションをカスタマイズし、顧客の特定ニーズに応えることができます」と述べています。

また、BASFジャパン パフォーマンスマテリアルズ事業部 執行役員 事業部長 山本勇氏は、「顧客にとって付加価値のあるソリューションを提供するために、私たちの専門性を最大限に生かすことに注力しています。BASFの高性能な素材を使ってデザインされた、MAZDA3とCX-30が “2020 ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー” のファイナリストに選出されたことをうれしく思います。今後もお客様と協力し、進化するニーズに対応していきます」 とコメントしています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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