■ボディの汚れをキャンバスにキャラクターを指で描いた痛車
アニメやゲームのキャラクターをボディに表現するというクルマ文化のジャンルである「痛車」。黎明期のエアブラシペイントやカッティングシートの単色に始まり、現在ではレーシングカーのような印刷フィルムのラッピングが主流となっています。
そんな中、4月6日のSNS上に突然現れたダイハツ コペンの写真は、痛車を知る人々にとって大きな衝撃となりました。世界初の痛車誌を著作した筆者でもこの痛車には目を魅かれます。
4月6日付のtwitterに「お金が無いので指で描きました」とのコメントともに突如投稿されたコペン。一見すると同系色でキャラクターを表現する「ステルス痛車」という手法にも見えたこのコペンの痛車は、実はクルマについた汚れを使って描かれたもの。
オーナーのさなきちさんお話をうかがうと「汚れてたので描いてみたくなった感じです」とのこと。
さなきちさんは続けて「せっかくだから大好きなアイカツ!(カードゲームとアニメのメディアミックス作品)の大好きなキャラクターを描いてみました」と語ります。
普段からイラストをSNSに掲載しているさなきちさんはイラストのレベルも非常に高く、指で描いたとされるこのコペンのイラストもかなりのクオリティ。さぞや時間がかかったのではないかと推察すると「指に少し水をつけながら1時間くらいで描きました」とのこと。この大きさでこのクオリティのイラストを線画だけとはいえたった1時間!何という手の早さでしょう。
■イラストが洗車のきっかけとなった?
この素晴らしきアートカーのコペンも4月11日には洗車後の写真が掲載され、指で描いたイラストは消えてしまいました。SNSのリプライ欄に「汚れが酷くて大変だった」とあるように、このイラストが洗車のいいきっかけとなったのかもしれません。
なおボディに汚れのついた状態でクルマをこするなどすると塗装に傷がついてしまう場合がありますが、今回は傷になることなく洗車が完了したそうです。さなきちさんのtwitterには洗車の様子の動画も掲載されています。
思い出は未来のなかに pic.twitter.com/QFTRP6IVTF
— さなきち🍮 (@sanakithir6) April 11, 2020
いつかは散って消えてしまうという桜の花のような儚さも「指で描いた痛車」と尊いところであるのでしょう。
(写真提供:さなきちさん 文:松永和浩 ※写真はオーナーの方の許諾を得て転載しております)
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