大人気の「普通のヤリス」のキビキビした走りをミニサーキットで試してみた【トヨタ ヤリス 試乗記】

■コンパクトカー初採用のTNGAが実現した走りとは?

2月10日の発売開始から1ケ月で3万7千台を受注して話題のトヨタ ヤリス。前回はインテリアを中心に紹介しましたが、今回は走りをチェックしてみましょう。

トヨタ ヤリス ハイブリッド
トヨタ ヤリス ハイブリッド

ヤリスはトヨタのコンパクトカーでは初めて新設計思想の「TNGA」を採用しています。

クルマのベースとなる基本骨格、いわゆるプラットフォームやエンジンやミッションなどのパワートレインを刷新し、走行性能においては乗る人の感性に訴える「ダイレクト&スムース」をテーマとしているとのこと。

プラットフォームやパワートレインはグローバルにおいて柔軟に対応できるような共通化が図られており、その量産効果でローカライズされたクルマのコストを大きく引き下げることも可能としています。

トヨタ ヤリス ハイブリッドのエンジンルーム
トヨタ ヤリス ハイブリッドのエンジンルーム

エンジンもそのTNGAの思想で新規に作られたもので気筒数は3気筒!特に1500クラスのM15Aエンジンは1気筒当たり496.4ccで、これは1気筒での最適な燃焼効率をもたらすと言われる数値です。また3気筒はクランク角度が120度ずつ均等に割り振られるために排気の行程で他の気筒に干渉しないため排気がスムーズとなり、その分吸気もフレッシュな空気を取り入れやすくなるとのことです。

しかし3気筒エンジンの場合は中央の気筒を軸にして両脇の気筒につながるクランクシャフトが特に低速域で偏心し振動が出やすいというデメリットがあります。そのためガソリンエンジン車ではバランスシャフトを装着して振動を打ち消しています。またハイブリッド車では振動の出やすい低速域はモーターが走行を補助するために振動が出にくいということでバランスシャフトを入れていないとのことです。

トヨタ ヤリス ハイブリッド
トヨタ ヤリス ハイブリッド

実際に運転してみると3気筒っぽい振動など微塵も感じさせません。特にハイブリッドは本気でスタートダッシュを決めると痛快な加速を見せてくれますし、そこでもエンジンの嫌な振動などは全く感じることはありません。

トヨタ ヤリス ハイブリッド
トヨタ ヤリス ハイブリッド

正直な話、普通のヤリスのハイブリッドは速い!と言ってもいいでしょう。システム出力で16馬力も向上している上に0km/hからフルトルクがかかるモーターのアシストも聞いて低速から中速域までの加速はかなり鋭いと言えます。

■新型のボディはコーナーリングに効く!

TNGAプラットフォームをコンパクトで初採用したヤリスですが、乗ってみればボディの作りはヴィッツに比べると格段に進歩しているのがすぐにわかります。ヤリスはハイブリッド同士で比べるとヴィッツに比べて20kg軽量化されていますが乗った感じの剛性感は格段に違い、ヤリスのボディの良さが光ります。

トヨタ ヤリス ガソリンエンジン車
トヨタ ヤリスのガソリンエンジン車

ヴィッツに比べてハイブリッドで16馬力、1500のガソリン車で20馬力も出力が増えたパワートレインで発信フル加速をしてもまっすぐ前に向かって走っていき、タイヤが逃げるような感触がありません。

トヨタ ヤリス ガソリンエンジン車
トヨタ ヤリス ガソリンエンジン車

そして、明らかに違いが判るのがコーナーリング。ボディ剛性が高まりたわみや歪みが減っているのでステアリングの切込みに対して素直にクルマの向きが変わります。またステアリングを切った時の操舵系統の剛性も格段に向上しているので、ステアリングを回した分だけクルマが曲がってくれる印象が強く、またステアリングを回したまま保持するような長いコーナーに対しても必要以上の切り増し等の修正がほぼ無いといった感触です。

トヨタ ヤリス ガソリンエンジン車
トヨタ ヤリス ガソリンエンジン車

試乗車はメーカーオプションの185/55R16のタイヤとアルミホイールを装着してはいますがタイヤ自体はいわゆるエコタイヤと分類されるものです。そんなタイヤを履いていながらスポーツタイヤを履いているかのように振舞う普通のヤリス。コーナーリングフォースの強いスポーツタイヤを履いたらどれだけすごいのでしょう。

トヨタ ヤリス ガソリンエンジン車
トヨタ ヤリス ガソリンエンジン車

実際にこれだけよく曲がるコンパクトカーならレンタカーで借りてワインディングロードを走らなくてはいけない場合でも苦も無くこなせます。筆者の場合は阿蘇くまもと空港から阿蘇山の峰を通るミルクロード経由で大分県のオートポリスへと向かう時にレンタカーを利用しますが、この道中のキツ目のワインディングロードでもヤリスなら楽しんで走ることが出来そうです。

またそんなワインディングロードでも余計な動きやステアリングの切り増し等が少ないヤリスなら同乗者の乗り物酔いの心配もかなり軽減することでしょう。

■運転のしやすいカラーヘッドアップディスプレイ

最新のトヨタ車であるヤリスは自動ブレーキや追従式クルーズコントロールなど安全装備も搭載しています。ただしクルーズコントロールに関してはレバー式サイドブレーキを採用したことで30km/h以下ではクルーズコントロールがオフとなり全車速追従式にはなっていませんが、それでも無いよりはかなり楽に運転をすることができます。

カラーヘッドアップディスプレイ
カラーヘッドアップディスプレイ

そして運転のしやすさと言えば視線移動を大きく減らしてくれるカラーヘッドアップディスプレイも見逃せません。最上級グレードのZにメーカーオプションで装着するカラーヘッドアップディスプレイですが、フロントウインドウに車速やエンジン回転数、シフトポジションやカーナビユニット装着車の場合は矢印などで経路を示してくれます。

これまでは高級車の単なるギミックのようなヘッドアップディスプレイでしたが、コンパクトカーに搭載の上で情報量をかなり増やしていることで実用に足るものとなっています。

トヨタ ヤリス ハイブリッドに乗る中村比菜さん
トヨタ ヤリス ハイブリッドに乗る中村比菜さん

TNGAによる新型プラットフォームやパワートレインなどで一気に運転しやすくなった感のあるトヨタ ヤリス。運転のしやすさは助手席などの同乗者への負担も減らしてくれます。ちょっと乗り物酔いしやすいというレースクイーンの中村比菜さんも安心して助手席に乗ってくれそうな普通のヤリスは、東京都区内ではトヨタモビリティ東京での販売となります。

お近くの試乗車の配車状況は「ご試乗ガイド」のサイトで確認できます。試乗の際はこのサイトで予約をしてからディーラーにお出かけになることをおすすめします。

(写真・文:松永和浩)

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【関連リンク】

トヨタモビリティ東京 ご試乗ガイド
https://www.toyota-mobi-tokyo.co.jp/carlineup/testdrive

中村比菜さんtwitter
https://twitter.com/mu_nakamu127

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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