WRC第2戦スウェーデン1日目。ヤリスWRCのエバンス選手が首位に立つ!

■雪を求めて北側ステージへ。これぞスウェーデン!

スウェーデンからこんにちは! カメラマンの高橋です。

ただいま2020年2月14日。WRC第2戦スウェーデンラリーの本格的競技がはじまりました。相変わらず雪は降る気配もみせず、ここ数年このラリーに来ているカメラマンに聞いて見ても、これほど雪の少ない年ははじめてとのこと。あぁ、一面の銀世界を世界最高峰のラリーカーが疾走するスウェーデンラリーは何処へ。と嘆いてみても仕方ないので、雪が路面に残っていることが確認できている北側のステージに向かいました。

ステージに向かう途中、森と湖が多く豊かな自然に囲まれた地域にも関わらずなんだか埃っぽいのに気づきます。これ、おそらくスパイクタイヤによる粉じんです。スウェーデンでは今でもスパイクタイヤが使用されていて、この地域を見る限り街を走るほとんどの車に装着されていました。ちなみにラリーでも競技用スパイクタイヤが使用されています。

WRC第2戦スウェーデン
なんだか埃っぽい道路。スパイクタイヤによる粉じんだと思います
WRC第2戦スウェーデン
ちなみにラリーは全てスパイクタイヤが使用されます。

そんなわけで、ちょっぴり埃っぽい道を走り、まだ雪が残っているステージへ向かい撮影開始。残雪とはいえ雪を舞い上げ疾走するラリーカーの走りはやっぱりカッコイイ!これが見たかったのです!あぁ、来てよかった!とやっと思えた瞬間です。よく見ると雪をフロントタイヤからまきあげたり、リアタイヤからまきあげたり、前後の駆動力が連続的に変化する4WDシステムを持つラリーカーを視覚的に感じられたりもします。

WRC第2戦スウェーデン
フロントから雪をまきあげるトゥエリー・ヌービル選手のヒュンダイi20クーペWRC
WRC第2戦スウェーデン
リアから雪をまきあげるセバスチャン・オジェ選手のトヨタヤリスWRC

あと、日本との大きな違いの1つにカメラマンの撮影位置があります。危険なため立ち入れない場所ももちろんありますが、撮影位置に関しては自己責任の元に大きな自由度が与えられています。世界最高水準のラリーカーの走りの迫力はもちろんですが、こんな風景も海外ラリーならではかもしれません。

WRC第2戦スウェーデン
至近距離から撮影する様子も日本では見られない風景

撮影といえば、空撮も流行りのドローンではなくヘリコプターが使われています。WRCのロゴが入ったヘリコプターってちょっとカッコイイですね。

WRC第2戦スウェーデン
WRCを空から撮影するヘリコプター

暖冬で雪のない今年のステージには岩肌むき出しの独特の風景を見せるステージもありました。雪のない年ならではの風景もそれはそれで面白いものです。それにしてもラリーカーのジャンプシーンを見下ろしながら楽しむというのはなかなか珍しいですね。時間があればボクも行って見たかった場所の1つです。

WRC第2戦スウェーデン
独特な表情を見せる岩の上からラリーカーを見下ろすのも楽しそうです

さて競技の1日目が終わりました。

現在のトップはトヨタヤリスWRCのエルフィン・エバンス選手。続いてヒュンダイi20クーペWRCのオット・タナック選手。3位には19歳のカッレ・ロバンペラ選手がつけています。日本の勝田貴元選手は9位。
大幅にスケジュールが短縮された今年の大会ですがこの先どんなドラマが待ち受けているのでしょう。明日からがまた楽しみです。

(レポート&画像:高橋 学)