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■エンジンオイルはクルマの血液、しっかりチェックして安全なドライブを
自分でできるクルマのメンテナンスの第二弾はエンジンオイルの点検と交換です。クルマの血液ともいえる重要な油脂類の一つがエンジンオイルです。エンジンオイルのチェックは、クルマの健康を保つ第一歩になります。
・エンジンオイルは何のためにある?
クルマの心臓部であるエンジンを動かすために必要なのがエンジンオイルです。
エンジンオイルの役割は、エンジン内部の各部品を円滑に動かす潤滑作用、エンジン内部の気密性を保つ密封作用、燃焼などで発生する熱を吸収して放出する冷却作用、燃焼によって発生した汚れを取り込む清浄作用、サビや腐食からエンジンを守る防錆作用といった、様々な役割があります。
エンジンオイルが汚れたり、長期間の使用により劣化が進むと、これらの役割を果たすことができなくなっていき、トラブルにつながる恐れがでてくるでしょう。
・エンジンオイルの様々な種類
ひとくちにエンジンオイルといっても、様々な種類があります。エンジンオイルの種類としては「鉱物油」「部分合成油」「化学合成油」の3種類です。現在多くのカー用品店やガソリンスタンド、自動車ディーラーなどで取り扱っているのは「部分合成油」がほとんどです。これよりもっと廉価なものが鉱物油、高価で性能が高いものが化学合成油となっていきます。
また、エンジンオイルには0W-20や5W-30といった数字とWの組み合わせたものが記載されています。これは、エンジンオイルの粘度を示します。ハイフンを挟んで左側にあるのが、低温時の粘度、右側にあるのが高温時の粘度です。数値が大きくなれば高性能と言えるわけではないので注意しましょう。クルマの取り扱い説明書の後ろの方に、メーカーが純正指定する各種油脂類の数値が掲載されていますので、エンジンオイルもメーカー指定の粘度のものを使用しましょう。
・エンジンオイルは量と色を確認しよう
エンジンオイルの状態を確認するには、オイルレベルゲージを使用するのが簡単でチェックのしやすい方法です。
多くの国産車では、エンジンルーム内に黄色ないし橙色の丸いフックを確認することができるでしょう。他には赤色のフックや緑色のフックなど、目立つ色のフックが使われていることが多いです。
このフックを引き出すことで、エンジンオイルの量や状態を確認することができるレベルゲージを見ることができます。
点検方法は簡単です。まずはオイルレベルゲージをすべて引き出し、ゲージについているオイルをウエスなどで綺麗に拭きとります。拭き取り終わったらレベルゲージを元の穴に奥までしっかりと差し込み、すぐにもう一度引き出しましょう。
レベルゲージの先にある適切なオイル量を示すマーク(穴が2つ開いているものや、斜線でマークされているものなどがあります)の範囲内にオイルが付いていれば、オイル量は適正に入っています。
そして、ウエスに付着したオイルの色を確認して、オイルの汚れ具合を確認します。調理に使うサラダオイルも何度も揚げ物をすると汚れていきますね。新しい状態では透明感のある黄色や橙色をしていますが、何度も揚げ物をすると黒く汚れていきます。同様にエンジンオイルもエンジンを動かすことで汚れていきます。はじめは明るい茶色のカラメルソースのような色合いですが、汚れてくると黒く濁っていくので、透明感が無く、真っ黒く汚れているようでしたら、交換が必要です。
・エンジンオイルの交換方法
まずは、エンジンオイル交換に必要なものを準備しましょう。準備するものは、新しいエンジンオイル、ジャッキ、メガネレンチ、廃油処理箱、ドレンボルトの交換ワッシャー、じょうご、トルクレンチ、パーツクリーナー、リジットラック(うま)などです。
オーソドックスな方法は下抜きと呼ばれる、クルマの底面にあるオイルパンのドレンボルトから、エンジンオイルを直接抜き出す方法です。クルマをジャッキアップして持ち上げ、固定します。固定できたら、底面のオイルパン部分のドレンボルトの下に廃油処理箱を設置します。
設置できたら、エンジンルーム内のオイルキャップを外してから、ドレンボルトを開け。古いエンジンオイルを抜き出します。全てのエンジンオイルが抜けたら、レンチでドレンボルトを外して、ワッシャーを新品のものに交換します。
交換し終わったら、持ち上げていた車を元に戻して、新しいオイルを注いでいきます。注ぎ終わったら、エンジンを入れて数分待ってから、オイルゲージを確認します。適正量が入っている事が確認出来たら完了です。
まとめ
エンジンオイルのチェックは、日ごろから点検することを習慣づければ、故障やトラブルを少なくできるメンテナンスです。定期的に確認して、クルマの健康状態をしっかりと把握しておきましょう。
(文・写真:佐々木 亘)