日産・GT-R 2020モデルに少しだけ試乗。スムーズな変速と扱いやすい570psで高級車の印象を強化

●デビューから12年、熟成の極み。2020モデルをチェック

日産GT-Rの2020年モデル『プレミアムエディション』(1232万9900円)をチェックすることができましたので報告します。

GT-R 2020 モデル
ボディカラーは新色のワンガンブルー

日産GT-Rは2007年にデビューしました。重量バランスを良好にするため前後長が短いV6エンジンを採用。ツインターボ化したこのユニットをフロントの車軸より後方にセットしました。

GT-R 2020 モデル
最新モデルは570ps

また6速のデュアルクラッチミッションを車体後方に設置した、トランスアクスル方式を採用しています。前後をつなぐプロペラシャフトにはカーボンコンポジット製を採用して単体重量や慣性重量の低減にも努める仕様となっています。

ボディの寸法は全長4710mm、全幅1895mmで全高は1370mmとなっています。車重は1770kgです。

GT-R 2020 モデル
ホイールはレイズ製に変更

搭載されているエンジンの型式はVR38DETT。最高出力570ps/6800rpmで、最大トルクは65.0kg・m/3300~5800rpmです。このエンジンは精度を保つために”匠”と呼ばれる専門の技術者が1台一台手組みをしていることが特徴です。

2020年モデルではターボチャージャーにこれまでGT-Rニスモにのみ採用してきたアブレダブルシールを採用しました。これによって過給の充填効率が高まっています。

また走行モードでRモードを選択した際のシフトコントロールのスケジュールをよりダイレクトなものにしました。たとえばコーナーに入る時のブレーキングではより低い段数のギアを選択して行きます。これによって脱出時のレスポンスも向上するというわけです。

GT-R 2020 モデル
Rモードの制御内容が変更

ボディカラーにはR34GT-R時代をほうふつとさせる、ワンガン(湾岸)ブルーという新色を採用しました。またマフラーにはフジツボのチタン合金マフラーを採用。このエキゾーストフィニッシャーは一つ一つ手作りされたものです。

GT-R 2020 モデル
フジツボ製マフラーになりました

ホイールに関しても2020年モデルで一新されました。レイヤードブラックコートに切削加工を施したレイズ製鍛造です。

インテリアでは新たに、インパネへ高級本革であるナッパレザーを1枚もので使用しています。

GT-R 2020 モデル
ナッパレザーをインパネに採用

実際に乗ってみます。なお今回は短時間の、低速域での限られたレンジでの試乗となっていますことを先に申し上げておきます。

GT-R 2020 モデル
電動調整シートです
GT-R 2020 モデル
マルチファンクションメーター

走り始めてすぐ感じるのは6速DCTの制御が滑らかになっていることです。これは2020年モデルでの変更ではなく、年次改良の積み重ねですでに達成されているものですが、改めてこの効果は大きいと感じます。

2007年モデルではガキガキとかなり骨っぽい感じでシフトチェンジが行われていましたが、最新モデルのそれはかなりスムーズです。またサスペンションも2020年モデルで再セットがなされ、より滑らかに動くようになっています。

GT-R 2020 モデル
後席は2名用

低速からしっかりとトルクを出してくれる3.8L V6エンジンと合わせ、最新のGT-Rはよりスムーズに洗練され、高級車の印象を強めていました。

12年にわたって改良を重ねていくと、ここまで熟成できるんだなあ。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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