●自分でやってみるのも良い経験!? 手軽にできるバイクの基礎メンテナンス
季節はそろそろ冬。ライダーにとっては憂鬱すぎる季節ですが、バイクに乗れないときはメンテに限ります。
来たるべきバイクシーズンに向け、愛車を万全の状態にしておきましょう。今回は手軽にできるバイクのチェーン掃除についてご紹介します!
こちらが汚れきって油も切れかけのチェーン。元は金色のチェーンでしたが、走行中に付いたであろう泥と汚い油によりどす黒くくすんでいます。
一般的にチェーン掃除・注油をしたほうが良いと言われているのは500km〜1000km走ったタイミング。しかしそれ以下でも画像のように汚れていたら掃除しても損はありません。
このように途中にサビっぽい汚れが付いていたら要注意。その部分は油が切れて水に濡れ、少しづつ錆び始めている証拠です。
拭いて取れるレベルだったら問題ありませんが、拭いてもサビが根強く残ってしまっていたら、バイク屋さんに相談するか交換してしまったほうが良い場合もあります。
チェーンの掃除に使うのはチェーンクリーナー、チェーンオイル、ブラシ、ウエスです。クリーナーとオイルは色んなメーカーから出ていますが、僕はDIDのチェーンなのでDIDのケミカルを選びました。
このブラシは専用品ではありませんが、チェーンの間に入っているゴムを傷めなければ専用品じゃなくても一般的なブラシでOK。今回はかなり汚れていたので、掃除中汚れが下に垂れないよう受けを用意しました。
専用品ブラシは同時に3面掃除できるスグレモノ。
チェーン掃除ではリアタイヤを回しながら作業します。普通のバイクだったらセンタースタンドを使えば楽なんですが、特にカスタム車とかだとセンタースタンドは邪魔なので取ってしまう場合も。
なのでそういう場合はメンテナンススタンドを使います。しかしこれ、買うと結構高いし同じスタンドでもバイクによって幅が調整しきれずかからない場合もあります。
最悪スタンド無しでも作業はできますが、チェーンを動かすのに車体を移動させなければいけないので中々面倒。このときだけセンタースタンドを付け直す、というのもアリだと思います。
流れとしては掃除→注油の順番。
チェーンの汚れはほぼ油なんだからパーツクリーナーでいいか!というのは大きな間違い。パーツクリーナーはゴムを痛めるのでチェーン掃除用のケミカルを使いましょう。
まずは汚れや油がタイヤにつかないよう、ウエスで養生します。タイヤにこの手の油が付くと滑ったり、変な跡がついてしまったりするので養生は絶対必要です。
チェーンクリーナーが全体にかかるよう、タイヤを少しづつ回しながら吹き付けます。この時、チェーン側面ではなくリンクに染み込ませるように吹き付けます。
チェーンにはこの画像のようなゴムの輪っか(通称:シール)が全部の可動部に入っていて、これが切れたり汚れで固まるのを防ぐのがチェーン掃除の意味でもあります。
リンクはチェーン一個一個のコマのことを言いますが、クリーナーを吹く時にリンクに染み込ませれば自然とこのゴムにも行き渡ります。見た目的な汚れ落としではなく、このような内部パーツを洗浄するのがチェーン掃除なんです。
クリーナーを全体に吹き付けたら今度はブラシでゴシゴシ擦って掃除します。無理に力を入れる必要はなく、側面とリンクの隙間がキレイになっていればOK。
真鍮ブラシでやる人もいますが、シールが入っているチェーンではゴムが傷んでしまうのでNG。ゴムを傷めない柔らかい素材のブラシで擦りましょう。
一通り掃除したらウエスで拭き上げ。
今回は汚れが激しかったのでブラシの後もう一度クリーナーを吹きました。するとかつての輝きを取り戻し、ギラギラと光るチェーンが登場!
この瞬間めっちゃ気持ちいいです…。
ここでの注意点はスプロケの近くでやらないこと。
万が一タイヤを回しながら拭いていてスプロケに巻き込まれでもしたらめっちゃ怪我します。考えるだけでも恐ろしいので絶対巻き込まれない位置で拭き上げてください。
キレイになったチェーンに注油していきます。油だから556とかでいいか!というのも大きな間違い。
チェーンは走行中常に回っているので556などのサラサラした油は走り出した途端に遠心力でほぼ吹き飛びます。チェーンオイルはそういう面も計算されて作られているので専用品を使いましょう。
タイヤを回しながら全体に吹き付けていきます。
ここでも側面だけでなくリンク内部まで行き渡るように吹くのがポイント。慣れればどれくらい吹けばいいかわかってくると思いますが、わからないうちはこれでもか!ってくらい吹いても後でウエスで拭くので大丈夫。
余分な油は走行中飛んでしまうのでウエスで拭き上げ。
ここまで拭けば更にビカビカに光ります。これでチェーン掃除・注油は終了。慣れれば5分くらいでできる簡単な作業なので、ツーリングの前日や雨で暇な時などやってみてください!
せっかくチェーンを掃除してリアタイヤがフリーに回る状況であれば同時にチェーンの張り調整もしておいたほうが良いでしょう。
一般的にチェーンのたるみは指で押して2cm〜3cm動くくらい。もしそれより動く場合は張り調整する必要があります。
リアホイールを固定しているシャフトのボルトを緩めて調整できるようにします。要はリアホイールをほんのちょっとだけ後ろに移動させ、チェーンの張り具合を調整するもの。
ここはバイクによって違いますが、スイングアームの一番うしろに調整機構が付いているので、ゆるい場合は締め込み、張り過ぎな場合は緩めます。
これは左右両側同じだけ調整しないとホイールが斜めになってしまうので注意が必要です。張り過ぎの状態から緩めてもチェーンは張ったままの状態になってしまったら、リアホイールを前側に軽く蹴るか叩くかすれば緩むはずです。
こういう作業ってバイクメンテの基礎と言われています。そんなに難しいことじゃないし、作業も短時間なんですが、だからこそ面倒くさくなる気持ちもわかります。
バイク屋に頼んでしまうのも全然OKだし、自分でチャレンジしてみるのも面白い経験になるはず。自分の手でやらなくても要はバイクがどんな状態なのか自分がわかっていればOKだと思います。
チェーンはノーメンテで走り続けると走行中に切れたりすることも。いくらエンジンが快調でもチェーン無かったら前に進みさえしません。来たるべきバイクシーズンに備えてメンテしておきましょう!
(ライター:佐藤 快/Moto Be 20代にバイクのライフスタイルを提案するWEBマガジン)
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