ゴリゴリの筋肉質だけどしなやかに舞う? サーキットの操縦性を追求したCBR1000RR-Rの車体【新型ファイアーブレード登場・1】

■ホンダのリッターSSが機動性能さらにアップ!

スリムですっきりした外観にだまされるな。こいつはそんじょそこらの大型バイクとは戦闘力がちがう。

CBR1000RR-R前
これはスタンダードモデルのブラックです。実物は写真で見るよりもゴツくなく、スマートな印象です。

CBR1000RR-Rファイアーブレードがフルモデルチェンジを受けました。まぁ、欧州で11月に発表はされていたのですが、鈴鹿でその撮影会が行われ、メディアに公開されました。

CBR1000RR-R後
スタンダードモデルのブラック。ライン等も入っておらず、全体的にまんべんなく黒い。フレームも黒いです。

で、これね。けっこうスマートでしょ。特にブラックのほうは、シックで大人のスポーツっていう感じ。トリコロールのほうも品がよくて、やんちゃな感じではないですよね。

ところがね。ヤバいんですよ、中身は。排気量は999ccでありながら、最高出力は約218ps(160kw)ですよ! 200psオーバーって、2st時代(20年くらい前)のロードレース世界選手権の最高峰クラスの馬力ですよ。そして、このCBR1000RR-Rももちろんサーキットを意識しています。スーパーバイク世界選手権に参戦するベース車両になるわけですからね。

とうぜんですが、200ps以上も出るようなバイクですから、扱いやすさも非常に重視して作られています。

新型CBR1000RR-Rですが、前モデルと比べるとエンジンクランク位置を、前輪アクスルからの距離を33mm後方に、地上からの位置を16mm高く設定したそうです。これらによって前後輪の重量配分を50:50にし、しかも十分なバンク角も確保しているそうです。

さらに、前モデルよりキャスター、トレールを増やしてセルフステアが働きやすくすることで、安定性も向上させています。また、リヤのスイングアームはトラクション性能の向上のために前モデルより延長し、いっぽうでリヤタイヤの接地性とコーナリング性能の追求のために、縦剛性はキープしたまま横剛性をあえてダウンさせ、剛性バランスを見直しています。

CBR1000RR-R真横
キャスター角は24°00’。トレールは102mm。なお、リヤのスイングアーム長は30.5mm延長し、横剛性を15%ダウンさせているそうです。

新型CBR1000RR-Rは、スタンダードモデル(STD)とSPの2グレードが用意されます。カラーはそれぞれにトリコロールとブラックが設定されます。上に掲載した写真はSTDのブラックです。あ、トリコロールっていうのはフランス語で『3色』っていう意味ですよ。なので普通は青と白と赤です。ホンダでは昔からイメージカラー的に使われているんですよね。そして、下がSPのトリコロールです。

CBR1000RR-R_SP
こちらはSPのトリコロールです。ヘッドライトが細く、目立たなくなり、かなりレーサーっぽい顔になっています。
CBR1000RR-R_SP後ろ
こちらもSPのトリコロールです。トリコロールでもフレームは黒です。
CBR1000RR-R_SP真横
同じくSPのトリコロール。フロントフォークが金色なのが、外観の大きな違いです。なお、サイドスタンドを立てた状態から垂直に起こすときは、重心が低いのか、絶対的に軽いのか、思いのほか軽く感じます。

SPはサスペンションとブレーキがSTDとは異なります。STDのサスペンションは前後ともSHOWA(ショーワ)製。バネ下重量の軽減に寄与しているそうです。

CBR1000RR-R_F_SUS
フロントサスペンションはSHOWA BRFです。上部に調整機構が見えます。
CBR1000RR-R_R_SUS
リヤサスペンションも調整機構があります。タイヤの奥のほうですが、よく見える位置だし、手も入れやすいです。

リヤのサスペンションでは、ダンパーユニット上部がブラケットを介して、フレームではなくエンジンブロック後部にマウントされています。この構造はフレームボディの上側クロスメンバーが不要なので、フレームボディの剛性最適化と軽量化というメリットがあるそうです。

CBR1000RR-R_SUS_Mount
ダンパーユニットをエンジンブロックにマウントすることは、後輪からの入力がエンジンブロックに分散されることで、ステアリング側に伝わる外乱を低減するなどのメリットもあるようです。

またSTDのブレーキは、ニッシンの対向4ポットキャリパーが使われています。ごらんのとおり、キャリパーの上下を支えるラジアルマウントというタイプです。

CBR1000RR-R_F_Brake
フロントブレーキはニッシン製です。新設計で剛性アップと軽量化が図られているそうです。
CBR1000RR-R_R_Brake
リヤブレーキはMotoGPマシンの公道仕様であるRC213V-Sと同じブレンボ製キャリパーを使っているそうです。

STDのサスペンションも十分に高性能なのですが、SPはさらにすごいものが装着されます。2輪車用高性能サスペンションの代名詞ともいえるオーリンズ製。そして、電子制御機構を備えるものです。

オーリンズ製電子制御サスペンションは、前モデルのSPにも使われていましたが、さらに加圧ダンピングシステムを追加することで、キャビテーションを最小限に抑えて安定した減衰力などを実現しているそうです。

CBR1000RR-R_SP_F_SUS
SPのフロントサスペンションはオーリンズ製電子制御NPXフロントフォーク。トップ部分に配線が通っています。
CBR1000RR-R_R_SUS
SPのリヤサスはオーリンズ電子制御TTX36リヤサスペンション。なお、サスペンションの設定はユーザーがきめ細かく調整できます。

SPはサスペンションだけでなく、フロントブレーキも異なります。これまたレース等ではよく知られているブレンボ製の対向4ポットキャリパーが装着されるのです。なお、リヤブレーキはSTDもSPも同じです。

CBR1000RR-R_SP_F_Brake
SPはフロントのブレーキキャリパーがブレンボ製になります。ブレーキローターやその配置等はSTDもSPも同じです。

現代の高性能バイクには車体の姿勢等を検知してさまざまな電子制御を使ってライディングをアシストする機構が備わっていますが、CBR1000RR-Rでは、ボッシュ製の6軸IMUで、ピッチ、ヨー、ロール、前後、上下、左右方向の加速度を検知しています。

BOSCH製6軸IMU
これがボッシュ製6軸IMUです。IMUというのは(イナーシャル・メジャーメント・ユニット)の略。車体姿勢の推定精度も前モデルより上がっているそうです。

たとえば、そういった車体姿勢情報をもとに、減衰力特性を最適に制御できる電子制御ステアリングダンパーも搭載しています。そうすることで、サーキット走行を含めて幅広いシチュエーションでステアリングの挙動の乱れを抑えて、ライダーの意志にそったステアリング特性を実現しているそうです。

CBR1000RR-R_HESD
フロントフォークの前に装着されているのがショーワ製電子制御ステアリングダンパー『HESD』です。

それから、このCBR1000RR-Rの大きな外観上の新しい装備がこのウイングレットです。MotoGPが好きなかたはニヤッとされたんじゃないでしょうか。近年MotoGPマシンでも重要になっていて、またいろいろ物議も醸しているデバイスです。高速域でのダウンフォース発生に効果があるそうです。

CBR1000RR-R_WING
正面からの写真を見ると、かなり出っ張っているように見えてしまうウイングレットですが、じっさいはそうでもなく、横から見るぶんにはあまり目立ちません。
CBR1000RR-R_WING_CG
ウイングレット周辺の空気の流れを表したCGです。車体旋回時の左右のダウンフォースのバランスも考慮されています。

また、STD、SPともにタンデムシートは標準装備され、タンデム用のステップも装備されています。

CBR1000_RR-R_SEAT
かなり薄く、短く、コンパクトなシートカウルですが、いちおう2人乗りはできるようになっています。ただロングツーリングには向かないでしょう。

メーターはフルカラーのTFTです。画面は5.0インチと大型です。なお、スマートキーを採用しているためエンジンの始動に物理キーを使う必要はありません。

CBR1000RR-R_Meter
メーターパネルは表示デザインを変えることもできます。

メーターの表示切り替えや各種設定切替のために、左手グリップ部分のスイッチが充実しています。前モデルは上下スイッチのみだったところ、左右方向の操作も加わった4way方式になりました。

CBR1000RR-R_Switch
4wayスイッチは、上下方向がライディングモードを構成する各パラメーター設定用。左右スイッチがメーターの画面、表示情報選択用だそうです。

特に回転計は指針式、バーグラフ式など、表示を切り替えることができ、好みのデザインを使うことができます。また、さまざまな表示項目の選択や設定もできます。

CBR1000RR-R_Meter02

CBR1000RR-R_Meter03

CBR1000RR-R_Meter04
周辺のインジケーター以外は完全に液晶表示なので、さまざまなメーター表示が可能になっています。

なんかもう、本気と究極のカタマリみたいなバイクだということがわかっていただけましたでしょうか。次は第2弾として、999ccで約218psを叩き出す脅威のエンジンをご紹介いたします。

(撮影:澤田優樹/ホンダ)

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