■Kintoneの最新ラインナップを一気試乗。電動キックボードは所有したくなる楽しさがある
欧州や中国など世界的に、電動キックボードが都市のモビリティとして人気が高まっています。地域によってはシェアリングがビジネスとしてスタートしているというニュースを目にする機会も増えています。また、古くはセグウェイに代表されるバランスタイプの歩行以上・車両未満といったジャンルのモビリティが観光地などで使われているケースもあります。
では、そうしたモビリティはなぜ人気なのでしょうか? そうした小型の電動モビリティを企画・販売している日本企業であるキントーンが製品ラインナップの試乗会を開催するという話を聞きつけ、このカテゴリーのモビリティが人気を集めている理由を探ろうと、参加してきました。
バランスタイプ、電動キックボード、電動自転車やミニカー登録となるトライクなど様々な電動モビリティを用意していますが、最初に乗ったのは電動キックボードです。「キントーン・アルファ」とネーミングされた、この製品は見るからに典型的な電動キックボードで、駆動輪はフロントとなっています。
操作は非常に簡単で、最初はけり出してステップに足を載せたら、そこからはハンドル部分のアクセルレバーによって電気で駆動するというもの。停止するときはハンドル左側にあるブレーキレバーでモーターを使った減速、最後はリアタイヤを物理的に押さえつけるブレーキを使うという2段構えになっているのも安心です。
実際、運転操作はとても簡単で、練習不要と感じるほど。キックボード未経験の筆者ですが、10mも走ればコツをつかめました。折りたたみ式ですが、ハンドルとステップの一体感は高く、まっすぐ走るだけでなく、車体を傾けて曲がるのも自然に行なえます。出力は3段階で、ハイモードにするとメーター読みで20km/h近い速度を出すこともできるのです。
こうして電動キックボードに乗っていると、非常に爽快で単なる移動手段ではなく、ダイレクト感があってファンを感じられるモビリティであることが実感できます。とくに電気モーターのレスポンスは、運転の楽しさにつながっていると感じます。電動キックボードが世界的に流行っているのも納得の、楽しいのりものなのです。もちろん、スペック上の最高速度は25km/hといいますから、生身で乗るにはある程度の危険を伴う面もありますし、このパフォーマンスで歩道を走るのは危ないと感じるのも正直なところ。日本ではクローズド限定というのも納得です。
海外ではシェアリングビジネスも増えている電動キックボードについて、キントーンの渡邊代表に話を伺いました。少なくとも日本で公道を走るには原付ナンバーをつけなくてはいけないこと、つまり乗車時にはヘルメットが必須になること、車両の回収コストがかかってしまうことなどから、すぐにシェアリングビジネスが主流になるとは考えていないということです。
むしろ、現実的には趣味のモビリティとしてのニーズのほうが高いといいます。
そこで、キントーンが開発しているのが「キントーン・アルファ ゴー」です。
ウインカーやバックミラー、ブレーキランプなどを追加したキントーン・アルファ ゴーであれば公道を走ることが可能になります。とはいえ、最高速度は23km/hといいますから、幹線道路を走るには力不足。30km/h制限の市街地で使うのがベターと感じます。徒歩に比べると移動時間は短縮できますし、本体重量は10kgと軽く、折りたたば邪魔にもなりません。
実際、独自にキントーン・アルファを改造してナンバーを付け、通勤などで使っているユーザーがいるそうです。
ちなみに、キントーン・アルファのメーカー希望小売価格は5万4780円(税込み)、ナンバーを付けられるキントーン・アルファ ゴーは税抜き本体価格9万9900円での販売を予定しているということです。