シェアリングか、所有か? 電動モビリティは楽しさにあふれることを実感【週刊クルマのミライ】

■原付ナンバーをつけた電動自転車、ミニカー登録の3輪モビリティ

ファットタイヤの自転車に電気だけで走行できるだけのモーター(500W)をプラスした「キントーン・エックス」は、今回の試乗会が初披露という開発中の電動折りたたみ式自転車。モーター出力からもわかるように原付レベルですから、公道を走るには原付ナンバーをつける必要があります。そのためにウインカーなど保安部品もしっかり装着されています。

Kintone X
保安部品を装着、原付ナンバーで公道走行可能な電動自転車「キントーン・エックス」

電動走行時にはペダルを回す必要はありません。前後にサスペンションが付いていますし、ブレーキも前後ディスクですから、走りのトータルバランスを考慮していることは、その姿からも理解できるでしょう。20km/h程度からのブレーキングでもしっかり減速しますし、折りたたみ式ながらフレームが電動パワーに負けている印象もありません。

Kintone trike
ミニカー登録の小型電動三輪車「キントーン・トライク」

さらに上級モデルといえるのが三輪型の「キントーン・トライク」。こちらはミニカー登録となりますから公道走行には普通四輪免許が必要となります。出力は3段階から選べ、前進・後退も手元のスイッチで簡単に切り替えることができます。

カタログスペックの最高速度は30km/hが噓偽りないことは、今回の試乗でも確認できました。航続可能距離も30~40kmといいますから、休日のレジャーユースで楽しめること請け合いです。販売予定価格は24万8000円(税抜き)となっています。内容を考えれば、十分に妥当な値付けという印象です。

Kintone Offroad
「キントーン・オフロードモデル」は様々なカラーリングを用意する

同じくレジャーユースで楽しめそうなのが、バランスタイプの「キントーン・オフロードモデル」。両足を載せ、体重移動で移動する向きや速度をコントロールするというのはスポーツ感覚。こちらも、初めてでもなんなく乗ることができました。その場で回転したりするのも楽しく、老若男女問わず誰でもファンを感じられる電動モビリティ。メーカー直営サイトでの希望小売価格は5万3790円(消費税込み)となっています。

最近では電動キックボードの人気に押されているというバランスタイプのモビリティですが、レジャーユースでいえば、独特のおもしろさがありますし、その魅力はまだまだ色あせていないと感じます。

とはいえ「今回の中で、どの電動モビリティが楽しかったのか」と聞かれれば、電動キックボードのキントーン・アルファと即答したくなるのも事実。とくに肉体との一体感があるのが魅力です。乗り物というよりはパワードスーツのような手足の延長的な感覚があるから不思議です。

こうして電動キックボードを体験することで、未来のモビリティの姿が少し見えてきた気がします。多くの人に、その世界を感じてほしいと思うばかりです。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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