●2020年3月から欧州で「GR Supra GT4」が販売開始。日本・アジアは2020年10月から
TOYOTA GAZOO Racingは、レース専用車両「GR Supra GT4」の販売を2020年3月から欧州から開始し、同年8月から北米、10月から日本・アジアと順次販売地域を拡大していくと発表しました。なお、同仕様はレース参戦者に向けた販売車両であり、一般道の走行はできません。
メーカーから市販車をベースに改造したレース車両を購入し、レースに参戦するプライベートチームが気軽にレースを楽しめるのを目指していて、カスタマーモータースポーツにより力を入れていくと表明しています。
GR Supra GT4は、TOYOTA GAZOO Racing初のグローバルモデル「GRスープラ」をベースとしたレース専用車で、トヨタモータースポーツ(TOYOTA Motorsport GmbH:TMG)が開発と製造を担当しています。
エンジンは、3.0L直列6気筒ターボエンジンで320kW(430hp)までチューンナップされ、7速スポーツAT(パドルシフト付)と機械式リミテッドスリップデフを介して後輪を駆動します。さらに、排気システムにはアクラポヴィッチ製を採用し、出荷時にはラベノール製オイルが充填されています。
フロントスポイラーとリヤウイングには天然繊維コンポジットを採用し、車両重量は1,350kgまで軽量化。サスペンションは量産のGRスープラと同様に、フロントにマクファーソンストラット、リヤにマルチリンクを採用し、前後共にレース用調整式ダンパーが装着されます。
ブレーキシステムはレースにおいて十分な性能を確保するためにフロントに6ポット、リヤに4ポットのレース用キャリパー(ブレンボ製)が採用され、タイヤはピレリ製タイヤを装着。レースでの安全性を確保するため、軽量スチールボディには高剛性ロールケージを装着し、レーシングバケットシートと6点式シートベルトを装備。インテリアは、カーボン製インストルメントパネルを採用し、GT4車両のために最適化されたステアリングホイールとディスプレイを装備しています。
各地域でGT4車両の販売及びカスタマーサポート(スペア部品の販売やユーザーへの技術サポート)を担当するのは、欧州はTMG、北米はTRD U.S.A., INC.、日本・アジアはトヨタカスタマイジング&ディベロップメントになります。購入の申し込み方法については、各地域の販売担当会社に要問い合わせとなっています。
車両販売価格は、175,000ユーロ(消費税、関税、輸送費等は別)が予定されています。2019年10月29日時点での日本円では約2111万円です。
ボディサイズは、全長4460×全幅1855×全高1250mm。車両重量は1350kg。エンジンECUはマニエッティ・マレリ製レーシングECUを採用。ディファレンシャルは、レース用機械式リミテッドスリップデフを搭載。ドライブシャフトは、GKN製ドライブシャフトが使われています。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リヤがマルチリンクで、ダンパーはKW製のレース用調整式。タイヤはピレリ製でサイズは、フロントが305/660-18、リヤが305/660-18。組み合わされるホイールは、OZ製の5穴 11×18インチとなっています。
ボディ構造には、高剛性ロールケージ付スチールボディ(FIA規則に準拠)が採用され、フロントスポイラーとリヤウイングには、天然繊維コンポジットが使われています。燃料タンクは120L FT3安全タンク(ATL製)、ドライバーシートはレーシングバケットシート(OMP製)、6点式シートベルトが用意されています。
(塚田勝弘)