野尻選手が5年ぶりのスーパーフォーミュラ優勝。気になるドライバーズタイトルの行方は?【スーパーフォーミュラ最終戦鈴鹿】

●スーパーフォーミュラ2019シリーズチャンピオンがついに決定!

10月最後の週末となった27日、三重県は鈴鹿サーキットでJAF GRAND PRIX SUZUKAが開催され、スーパーフォーミュラの今シーズン最終戦決勝が行われました。

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決勝は快晴の空の下行われました

フリー走行の行われた午前中は曇り空だったものの天候は徐々に回復し、決勝レースの行われる14時には汗ばむほどの陽気となったサーキットには、この日だけで22,500人以上のファンが訪れ、今シーズンのチャンピオンを決める大一番を固唾を呑んで見守りました。

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ポールポジションからスタートのパロウ選手

スリックタイヤではソフトとミディアムの2種類のタイヤコンパウンドの決勝中の使用義務があるスーパーフォーミュラですが、前回岡山大会に続き、今大会では先頭車両が7周完了から最終周回に入るまでにタイヤ交換義務を終えなければならないという規定が適用されました。

ただしこのタイヤ交換義務規定は、決勝レース中にウェットタイヤを使用した場合は適用されない事になっており、これが今回のタイヤ選択の一つのポイントとなります。

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キャシディ選手はソフトタイヤを選択

上位陣では、ポールポジションスタートの#64 TCS NAKAJIMA RACING アレックス・パロウ選手と4、5番手からスタートのDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの2台、#5 福住 仁嶺選手と#1 山本 尚貴選手がミディアムタイヤ、2番手からスタートの#16 TEAM MUGEN 野尻 智紀選手と3番手スタートの#50 B-Max Racing with motopark ルーカス・アウアー選手、そして山本選手をシリーズポイント1ポイント差で追いかける#37 VANTELIN TEAM TOM’S ニック・キャシディ選手がソフトタイヤでのスタートを選択します。

ミディアムタイヤ勢はミニマムの7周でタイヤ交換を行い、ソフトタイヤで追い上げる作戦、ソフトタイヤ勢はとにかくタイヤのグリップと燃料がもつ限り先行し逃げ切る作戦です。

前者の場合、路面コンディションなどによっては2ピットになるためタイムロスが発生するリスクがある反面、後者の場合は万一セーフティカー(SC)が出てしまうと、それまでに築いた後続とのギャップがリセットされてしまい、SCの出動周回によってはその時点で勝負権を失ってしまう事が考えられます。

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ウェットタイヤでスタートした小林選手

そしておそらく多くの方が驚いたのが、16番手スタートの#18 carrozzeria Team KCMG 小林 可夢偉選手がなんとウェットタイヤでスターティンググリッドについたことです。小林選手はこのままスタートし1周目でソフトタイヤに交換後レースを続けましたが、これは先程のタイヤ交換義務規定の裏を突いた作戦だったようです。

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14時に決勝レースがスタート!
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山本選手をオーバーテイクしたキャシディ選手

そんな大胆な作戦を敢行したチームもある中、スケジュールどおり14時にフォーメーションラップからのスタンディングスタートで43周の決勝レースがスタート! ここで3番手のアウアー選手が出遅れ16番手まで後退してしまいますが、上位陣はポジションをキープしたままオープニングラップを終えます。

3周目にはソフトタイヤのキャシディ選手がミディアムタイヤの山本選手をオーバーテイクし、チャンピオン争いを優位に進めます。

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パロウ選手を捉える福住選手

ポールポジションスタートのパロウ選手が7周目に入るとミディアムタイヤ勢がピットになだれ込み、9周終了時にはコース上の全車がソフトタイヤでの走行となります。しばらく各車が単独走行となる中、タイヤ交換義務完了組のトップを走るパロウ選手に福住選手が近づいて来ます。そして迎えた17周目にパロウ選手は福住選手にオーバーテイクを許してしまいます。

その後もパロウ選手のペースは上がらず21周目にはチャンピオン争いをしている山本選手にも先行を許し、28周終了時には再びピットイン。これで残念ながらルーキーイヤーでのシリーズチャンピオンの夢は絶たれてしまいました。

この28周目では6位までがソフトタイヤスタートで逃げ切る作戦ですが、レースも2/3を過ぎた30周目で、まずは#19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 関口 雄飛選手がピットイン、ミディアムタイヤに交換しタイヤ交換義務を消化します。その翌周には#38 JMS P.MU/CERUMO・INGING 石浦 宏明選手もタイヤ交換を行いピットアウトしていきますが、どちらもミディアムタイヤスタート組トップの福住選手の前には出られません。

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福住、山本亮選手の前でコースに復帰したキャシディ選手

残り11周となったところでそれまでトップを快走していた野尻選手、そしてその翌周にはキャシディ選手もピットインしタイヤ交換を行い福住選手の前でコースに復帰。37周目にアウアー選手が最後のピットインを終えると見かけ上の順位がそのまま実際の順位になり、トップから野尻、キャシディ、福住、関口、山本のトップ5となります。

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チーム移籍後初勝利の野尻選手

その後は大きな順位の変動もなく、終わってみると18周目の2コーナーで#36 VANTELIN TEAM TOM’S 中嶋 一貴選手と#51 B-Max Racing with motopark ハリソン・ニューウェイ選手の接触以外は大きな事故もなくクリーンなレースを、野尻選手が制する結果となりました。

野尻選手はスーパーフォーミュラ参戦初年度となる2014年の第6戦SUGO大会以来、そしてチーム移籍後初めての勝利をこの鈴鹿での最終戦で掴むことになりました。

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キャシディ選手が逆転でシリーズチャンピオンを獲得!

また、気になるシリーズチャンピオンは、2位表彰台を獲得したキャシディ選手が5位入賞の山本選手を再び逆転し、昨年の雪辱を果たして初のスーパーフォーミュラチャンピオンに輝きました!

チェッカー後のインタビューでキャシディ選手は「なんて言って良いのか言葉が見つからない。TOM’Sは(F3時代から)僕の日本でのキャリアを一緒に歩んできた素晴らしいチームだ。こうしてチャンピオンという形でお返しができて本当に嬉しい」と話してくれました。

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チームタイトルを獲得したDOCOMO TEAM DANDELION RACING

チームタイトルは、山本選手と今回スーパーフォーミュラ初表彰台を獲得した福住選手の所属するDOCOMO TEAM DANDELION RACINGが、そしてルーキー・オブ・ザ・イヤーには最終戦までドライバーズタイトルを争ったパロウ選手が獲得し、新型車両SF19初年度、そして8人以上のルーキーが参戦したスーパーフォーミュラ2019シーズンは無事閉幕しました。

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ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したパロウ選手

果たして来シーズンはどんな選手たちがどんなアツい戦いを見せてくれるのか、今から楽しみに来年の開幕を待ちたいと思います。

(H@ty)

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