■苔を育てて酸素を発生させるタイヤ!
オールシーズンタイヤの草分けとして日本でも人気のタイヤブランド、グッドイヤー。東京モーターショーでは、電動化や自動化、持続可能性などを見据えた未来のタイヤ技術として、3つのコンセプトタイヤを披露しました。
まず「オキシジェン(=酸素)」。なんとタイヤのサイドウォール部分に苔を生息させ、開放的なトレッド面から水分を吸収、光合成を行わせて酸素を放出させるというなんともエコロジカルなタイヤです。うーん、その発想はなかった!
次が「エアロ」。将来実現するという空飛ぶクルマのために設計されたタイヤで、空気の代わりにフィン状のスポークを備えています。飛行時はこのスポークが浮力を発生することでエネルギー抑制に貢献するそうです。タイヤ内部には各種のセンサーもあり、トラブルを事前に察知・解決することもできるとのこと。
そして最後のタイヤには見覚えがありました。あ、同じ会場で前日発表されたレクサスLF-30 Electrifiedに装着されていたタイヤです! 内側に駆動用モーターも備えたこのタイヤは、グッドイヤーがレクサスと共同開発したものなのだそうです。
特徴は車両と一体化したエアロダイナミクスです。ボディとタイヤの隙間を極力狭めたうえで、アウト側のショルダー部分をスクエアに成型、これでフェンダーと一体化したような優れた空力を獲得しました。
さらに、普段は隠れて見えないトレッド面のイン側にフクロウの羽のような微細なフィンを作ってノイズを低減、同時にモーターの冷却にも一役買う仕組みとなっているのです。
最近のタイヤはインテリジェント化しているとは聞いていましたが、こうやって具体的なモデルをみると、その先進性には驚かされますね。
ちなみにグッドイヤーの現実的なニュースとしては、EAGLEシリーズのフラッグシップ「EAGLE F1 ASYMMETRIC 5」が11月5日に発売開始となります(オープン価格)。ハイパフォーマンスタイヤにも関わらず低燃費性能にも優れ、全16サイズ中13サイズがAグレードを獲得しているとのこと。
皆さんも東京モーターショーでは、足元のタイヤを気にしてみてください。
(写真と文:角田伸幸)