YAZAKIの次世代メーターは、ドライバーの目が向いたほうにHUDの表示が動く!【東京モーターショー2019】

■未来すぎなくて待ち遠しい、統合コックピットコンセプト

そうか。近い未来、クルマのコックピットはこんなふうになるのか…。そんなことをリアルに感じさせてくれたのがYAZAKI(矢崎総業)の統合コックピットコンセプトでした。

YAZAKIはすでに総グラフィックスのメーターパネルを市販車に供給しているそうですが、これは、コンセプトモデルなので、そこから一歩進めたものです。

Yazaki_Cockpit
写真は手前のメーターにピントを合わせているので、HUDの表示がボケていますが、奥にピントを合わせれば鮮明に見えます。

メーター自体も総グラフィックスなのですが、フロントウインドウにはHUD(ヘッドアップディスプレイ)で車速が表示されています。そして、その車速の表示がやや左に寄っているのがわかると思います。じつはこのメーター、本体の脇にドライバーに向けたカメラが内蔵されていて、ドライバーの視線をチェックしています。そして、ドライバーの目が向いたほうに、HUDの表示も動くのです!

ということはですね、これ、カメラを構えると、ちゃんと表示されないんです。けっきょく右目で一眼レフカメラのファインダーをのぞき、左目を見開いて認識してもらうことで、やっと写真が撮れました。そんなわけでHUDの表示が左にズレているわけです。

最初の写真は手動運転時の表示ですが、自動運転モードでは表示を切り替えることを想定しています。中央のグラフィックでハンドルから手を離しているのがわかると思います。また、クルマの周囲のドーナツ状のグラフィックは周辺センサーが作動していることを表しています。

Yazaki_Cockpit_AutoPilot01
自動運転時の表示です。

自動運転モードのときには、少々よそ見をしてもいいという前提で、センターコンソール付近のタブレットで動画を再生したりもできます。

Yazaki_Cockpit_AutoPilot02
左のタブレットに動画や写真が表示できます。

ずっとセンターコンソールを見ていると首も疲れるので、自動運転時には運転席の正面のメーター部分にテレビ電話の映像を映すこともできます。

Yazaki_Cockpit_Movie
テレビ電話だけでなく、映画などを再生することもできます。

こんなコックピットのコンセプトモデルを15年前に見せられたら、ちょっとSFすぎる感じがしたでしょうが(15年前はスマホすらなかったですからね)、この2019年だったら、あと少しで実現しそうな気がします。ものすごい未来じゃなく「ちょっと未来」な感じだけに、完成度も高いコンセプト展示でした。

(まめ蔵)

この記事の著者

まめ蔵 近影

まめ蔵

東京都下の農村(現在は住宅地に変わった)で生まれ育ったフリーライター。昭和40年代中盤生まれで『機動戦士ガンダム』、『キャプテン翼』ブームのまっただ中にいた世代にあたる。趣味はランニング、水泳、サッカー観戦、バイク。
好きな酒はビール(夏場)、日本酒(秋~春)、ワイン(洋食時)など。苦手な食べ物はほとんどなく、ゲテモノ以外はなんでもいける。所有する乗り物は普通乗用車、大型自動二輪車、原付二種バイク、シティサイクル、一輪車。得意ジャンルは、D1(ドリフト)、チューニングパーツ、極端な機械、サッカー、海外の動画、北多摩の文化など。
続きを見る
閉じる