■未来すぎなくて待ち遠しい、統合コックピットコンセプト
そうか。近い未来、クルマのコックピットはこんなふうになるのか…。そんなことをリアルに感じさせてくれたのがYAZAKI(矢崎総業)の統合コックピットコンセプトでした。
YAZAKIはすでに総グラフィックスのメーターパネルを市販車に供給しているそうですが、これは、コンセプトモデルなので、そこから一歩進めたものです。
メーター自体も総グラフィックスなのですが、フロントウインドウにはHUD(ヘッドアップディスプレイ)で車速が表示されています。そして、その車速の表示がやや左に寄っているのがわかると思います。じつはこのメーター、本体の脇にドライバーに向けたカメラが内蔵されていて、ドライバーの視線をチェックしています。そして、ドライバーの目が向いたほうに、HUDの表示も動くのです!
ということはですね、これ、カメラを構えると、ちゃんと表示されないんです。けっきょく右目で一眼レフカメラのファインダーをのぞき、左目を見開いて認識してもらうことで、やっと写真が撮れました。そんなわけでHUDの表示が左にズレているわけです。
最初の写真は手動運転時の表示ですが、自動運転モードでは表示を切り替えることを想定しています。中央のグラフィックでハンドルから手を離しているのがわかると思います。また、クルマの周囲のドーナツ状のグラフィックは周辺センサーが作動していることを表しています。
自動運転モードのときには、少々よそ見をしてもいいという前提で、センターコンソール付近のタブレットで動画を再生したりもできます。
ずっとセンターコンソールを見ていると首も疲れるので、自動運転時には運転席の正面のメーター部分にテレビ電話の映像を映すこともできます。
こんなコックピットのコンセプトモデルを15年前に見せられたら、ちょっとSFすぎる感じがしたでしょうが(15年前はスマホすらなかったですからね)、この2019年だったら、あと少しで実現しそうな気がします。ものすごい未来じゃなく「ちょっと未来」な感じだけに、完成度も高いコンセプト展示でした。
(まめ蔵)