中国で月2万台も売れている新型シルフィが実現した「高画質なクルマづくり」とは?【ニッサン インテリジェント モビリティ テクノロジーツアー】

●五感を科学する、人間工学に基づいたクルマづくりからうまれた日産・シルフィ

プレス向けに開催された「ニッサン インテリジェント モビリティ テクノロジーツアー」には、上海モーターショー2019で世界初公開された新型「シルフィ」が展示されていました。

日産 シルフィ
上海でワールドプレミアされて以来、中国で月2万台を販売するという人気セダン

同モデルは、最新の「ニッサン インテリジェント モビリティ」技術が搭載されたセダンで、発売以来、月2万台を売り上げる人気モデルになっているそう。セダンが人気の中国では、若い人も多く購入していて、日本円で乗り出し200万円くらいで手に入るリーズナブルな価格設定も人気を後押ししているそうです。

日産 シルフィ
HR16DE型エンジンとエクストロニックCVT

搭載されるパワートレーンは、HR16DE型エンジンとエクストロニックCVT。外観はお馴染みのVモーショングリルが目を惹くダイナミックなフォルムで、サイドはダブルウェストラインが特徴です。さらに、ワイドスタンスとロングホイールベースによって実現した広々とした室内空間には、Bプラットフォームとは思えないほど広く、人間工学に基づいて設計されたソフトで快適なシートによりゆったりとした座り心地が得られています。

今回、「ニッサン インテリジェント モビリティ テクノロジーツアー」に中国で売られている新型シルフィを展示した理由は、同社が掲げる「高画質なクルマづくり」が反映されたモデルだから。日本でのプレスの反応を見て、日本市場への導入を検討するものかと思いましたが、そうではないとのことです。

日産 シルフィ
手の大きさ、指や爪の長さを問わず握りやすい形状

担当者にお話を伺うと、日産では過去5年くらい「高画質なクルマづくり」として五感を科学して(いわゆる人間工学)クルマづくりを行ってきて、その成果がシルフィだそうです。なお、第1弾は北米のインフィニティQX50、アルティマにも盛り込まれているそうです。

日産 シルフィ
フードパーティングの見栄えの良さ(チリ合わせも含む)など見た目の質感も高まっている

人間工学に基づいたクルマづくりや高品質なモデルを送り出すことは日産も以前からやっていそうですし、目新しいようには感じませんが、従来と違うのは「より踏み込んで」クルマづくりを行っている点で、ユーザー(ドライバー)がクルマに近づき、ドアを開けて、シートに座り、ドライバーならエンジンを始動するといった一連の動作について、どういった点から五感から高品質なクルマと感じるかを洗い出したそう。

日産 シルフィ
見栄えの良さ、操作のしやすさが盛り込まれた車内

洗い出しをして足りなかった点はなにか、優先度や効果が高いものから盛り込み、現時点でできる点から採用したとのこと。そのため、すべてこのシルフィで実現できているわけではなく、今後もどんどん投入していくとしています。

サプライヤーには、目標値を提示するだけでなくアプローチを決めてそれを設計に落とし込み、具体的には部品の形や細部にまで落とし込んでいるそうです。もちろん、生産ラインと一体になった取り組みで、できることを着実にしていくというアプローチが取られています。

日産 シルフィ
広大なスペースと大きなシートが印象的
日産 シルフィ
トランクの質感にも気を配っている

新型シルフィの場合は、フードパーティングの見栄えの良さ(チリ合わせも含む)、スイッチ操作感の良さ、ステアリングの握りやすさと触感の良さ、トランクトリムの見栄えの良さ、ハンドルの握りやすさ、インパネなどの加飾の高品質などで実現しています。日本円で乗り出し200万円くらいとは思えないほどのハイクオリティとスイッチやハンドルなどの触感の良さを実現しているのが実感できました。

今後、日本にも新世代の「高画質なクルマづくり」が反映されたモデルが続々と登場することが期待されます。

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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