■将来の市販化前提!? ツインモーターを搭載する「ニッサン アリア コンセプト」
日産自動車は、近い将来の市販化がアナウンスされているEVのクロスオーバーコンセプトカー「ニッサン アリア コンセプト」をワールドプレミアしました。登壇したのは、グローバル研究開発担当の中畔邦雄副社長と、グローバルデザイン担当のアルフォンソ アルバイサ氏。
さらに、将来の軽自動車像を提案するEVの「ニッサン IMk」も披露。両モデルとも最新のデザイン言語でデザインされていて、最新技術の搭載だけでなく、日本の伝統工芸や和のテイストが反映されています。
日産の新しいデザイン言語は、「ニッサン インテリジェント モビリティ」というコンセプトを掲げる最先端技術を介在させることで、デザインやコンセプトをライフスタイルに融合させるということを重視しているそう。同社では、「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」というキーワードで説明していて、この融合が鍵を握る要素だそう。
また、日本ならではのミニマルなアプローチは、「ニッサンIMk」のシンプルでありながら印象的な外観や、空気抵抗を最小化した「ニッサン アリア コンセプト」の滑らかなボディなど、主にクルマのフォルムに反映したとしています。日本ならではの方法で、EVの可能性とドライビングの未来をシームレスなデザインで表現。「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」とは、日本らしい伝統的なテイストを新鮮な視点で新しい時代、そしてグローバルに通用するモダンなデザインに昇華させることだそうです。
さて、ツインモーターを搭載した「ニッサン アリア コンセプト」は、パワフルな加速性能を実現するとともに、先進運転支援技術も搭載。運転支援システム「プロパイロット2.0」が搭載され、ハンズオフ走行に対応するだけでなく、同機能作動時に内装のライトの色が切り替わり、ハンズオフ走行が可能になると室内空間にリラックスした雰囲気が演出されます。
走りも新時代のEVを提供するとしています。前後に高出力電動モーターが配置されたツインモーター4輪制御システムが採用され、瞬時に緻密なトルクコントロールが可能な電動モーターを前後に合計2基設置することによって、高次元の発進、加速性能を実現するそう。さらに、前後のモータートルクやステアリング、ブレーキなどを統合制御することによって、雪道やぬかるんだ道などの滑りやすい路面においても優れたトラクション性能を発揮し、ドライバーの操作に応じて最適な駆動力コントロールとブレーキ制御を行うことで、ドライバーの思い通りのドライビングを引き出します。
この統合制御技術は、エンジニアがGT-Rに搭載されているATTESA(アテーサ)E-TSやエクストレイルに搭載されているインテリジェント4×4などの開発から得た知見を活かしたとしています。
「ニッサン IMk」にも進化した「ニッサン インテリジェント モビリティ」技術とパワフルなEVパワートレインが搭載され、未来の軽自動車として提案されています。ツインモーター、床下にバッテリーを搭載し、低重心かつフラットなフロアを実現。広々したキャビンを実現するパッケージに加えて、低重心による軽自動車の概念を変える走りが得られるそう。
また、銅をイメージさせるボディカラーや滑らかなボディラインなどが際立ちます。スペックなどの詳細、航続可能距離などはアナウンスされていませんが、先達である三菱アイミーブを超える性能は必須になるはず。
日産ブースでは、ほかにもマイナーチェンジを受けたセレナやスカイライン、GT-Rなどの市販モデルのほか、「NISSAN collection」「NISMO collection」も展示されています。
(文/写真 塚田勝弘)