●楽しい移動の提供や社会課題の解決に取り組むヤマハ発動機
ヤマハ発動機がソニーと共同開発したエンターテインメント用車両のSociable Cart(ソーシャブルカート)「SC-1」。
2019年11月1日から同車両を使ったサービスを開始すると発表しました。第一弾となるサービスは、カヌチャベイリゾート(沖縄県名護市)と東南植物楽園(沖縄県沖縄市)で実施されます。
「SC-1」は、室内やボディ側面にビルトインされている高精細ディスプレイに、カメラで捉えた車両の前後左右の様子や走行場所に応じた様々な映像、融合現実映像(Mixed Reality)を映し出すことが可能で、従来のクルマやカートでは提供できなかったエンターテインメント空間を創出することができます。
乗客や車両を取り巻く人々により楽しい低速移動の価値を提供することを狙いだそう。
今回、実施されるサービスの「ムーンライトクルーズ」は、日没後に「SC-1」に乗車して体験できるもので、自動運転機能により乗員は車両をコントロールすることなく、超高感度なイメージセンサーと高解像度ディスプレイが映し出す夜間の走行シーンをベースに、融合現実感技術が創り出すエンタテインメントコンテンツが楽しめるというもの。
このサービスでは、乗員の感覚を刺激する仕掛けをいくつも用意されていて、星空のもと実世界では体験できない超自然体験を感じることができるツアー。また、より多くの乗員が楽しめるように二種類のコンテンツを用意。ヤマハ発動機とソニーは、今後、同様のサービスをアミューズメント施設や商業施設などへも展開し、新たな移動体験の提供を進めていくとしています。
今回の取り組みは、ヤマハ発動機の長期ビジョンの1つ「ART for Human Possibilities, Rethinking Solution, Transforming Mobility」の一環だそう。四輪車への参入こそ撤回している現在ですが、同社では、電動のゴルフカーや小型低速車両(ランドカー)、電動二輪車、電動アシスト自転車、電動車いす、ドローンなどを含めた多様な製品群を通じて、楽しい移動の提供や同社らしい社会課題の解決に取り組んでいます。
(塚田勝弘)