【SUBARU GT EXPERIENCE.3】新旧での違いは角度と太さ、そして大きさ。最新のツーリングワゴン「レヴォーグ2.0STIスポーツ」で感じたことは?

■Aピラーの角度と太さが大きく異なる

勝沼のワイナリーに併設されたレストラン“シャンモリ”でランチを済ませ、4代目レガシィから現行レヴォーグの2.0STIスポーツ・アイサイトに乗り換えて1日目の最終目的地である長野県下伊那の昼神温泉を目指します。

レヴォーグ2.0
最新のツーリングワゴンでワインディングを走る

最新モデルであるレヴォーグに乗り込むと、明らかに4代目レガシィからの血筋にあるモデルであることを再確認できます。ともにセンターコンソールとダッシュパネルがT字型に交わるコンベンショナルな配置を採用しています。そしてセンターコンソールは上に向かうに従って広がるタイプで、メーターは独立したカバーが取り付けられています。大きく異なるのは、Aピラーの角度と太さです。

レヴォーグのAピラーは4代目レガシィに比べてかなり寝かされた角度となり、そして太さも調整されています。また、ドアミラーの取り付け位置もレヴォーグでは後退され、前方サイドの視界を確保しています。

レヴォーグ2.0 インパネ
4代目レガシィに比べるとAピラーの角度がキツく、ドアミラーの装着位置も異なる

レヴォーグに乗って、移動を始めるとなによりもそのイージーさが現代的だなと感じます。スバルは早くからADAと呼ばれる追従タイプのクルーズコントロールをレガシィ・ランカスターに装備していました。そのADAの進化版こそがスバルの販売を大きく飛躍させたアイサイトの元になったシステムなのです。現行レヴォーグに採用されるアイサイト・ツーリングアシストなのです。

ランカスター ADA
1999年のランカスターに装着されれたADAのステレオカメラ

高速道路の移動時に圧倒的なイージーさと安全性を手に入れることができるアイサイトツーリングアシストは長距離ドライブ、つまりグランドツーリングの最大の友。アイサイトツーリングアシストの登場そして普及は、ドライバーにグランドツーリングの素晴らしさを再発見させるのことに大きく貢献したと言えます。そう、高速道路でもっとも忌み嫌われる渋滞であっても、アイサイトツーリングアシストは快適なものとしてしまったのですから。

レヴォーグ2.0走り2
ワインディングでの走りも機敏で気持ちいいものとなるレヴォーグ

試乗コースである長野県のビーナスラインは、深い霧と強い雨に見舞われていました。もともとワインディングでアダプティブクルーズコントロールを使う予定はありませんが、深い霧のためでしょうアイサイトが使用できないというアラートが発せられました。しかし、路面状況の悪さについてはAWDの強みは発揮され、安心感が高まります。このたりは雪深い地でもあるため、ウインタードライブでもその真価を試してみたいものです。

レヴォーグ2.0走り3
濡れた路面でも安心感が高いAWD

昼神温泉周辺のワインディングでレヴォーグを走らせると、その素性のよさが伝わってきます。軽快なハンドリングと力強いエンジンはワインディング向きのクルマであると言えます。4代目レガシィもレヴォーグも3ナンバーサイズではありますが、その大きさを感じさせるようなものではありません。

えてして温泉街の老舗旅館へのアクセス路などは狭いものですが、そうした道でも視界のよさがてつだって意外と楽にクルマを進められます。ただし、駐車場にクルマを入れると、やはり「スペースを多く使ってしまうなあ」と感じるのはしかたのないことなのでしょうか?

(文・諸星陽一/写真・前田惠介)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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